「翻訳ねこ」(脚本)
〇渋谷の雑踏
世界へ発信する一大ビジネス拠点へと進化しつつある街、渋谷。
渋谷スクランブル交差点を歩く、ビジネスマン&ウーマンたち。
彼・彼女らの多くが、意味不明のカタカナ現代用語に毒されている。
そんな渋谷の街に、突如現れた一匹の猫。
人は彼女を「翻訳ねこ」と呼ぶ。
〇オフィスの廊下
翻訳ねこ「ワタクシは、翻訳ねこ二ャ。 現代の意味不明なカタカナ用語に「メス」を入れる「メス猫」二ャ」
翻訳ねこ「現代社会に「牙」を剥き、 大きな「爪痕」を残す二ャ」
〇研究機関の会議室
翻訳ねこ「ここは、とある会社の会議室。 今日も、意味不明な言葉が多用されている二ャ!」
デキ男「再びリソースが足りないので ベンダーを利用し、 アジャイル開発で進めます」
デキ男「ブルーオーシャン戦略で ブランディングを強化し、 KPIを売上120%増に設定します」
デキ男「マーケットインの発想で、 新たなチャネルも開拓し ソーシャルメディアも活用します」
デキ男「次回までにリマインドして 再度、MTGをお願いします」
楓「ううっ! ところどころ、何言ってるか チンプンカンプン! 日本語で話してよー!!!」
〇研究機関の会議室
翻訳ねこ「「翻訳ねこ」のワタクシにお任せ二ャ。 翻訳してあげるニャよ」
楓「何!? このねこ・・・」
翻訳ねこ「ワタクシは、現代の意味不明な言葉を翻訳し、迷える人間を救う「翻訳ねこ」ニャ」
楓「翻訳ねこ?」
翻訳ねこ「さっきの意味不明なビジネス用語を、分かりやすく翻訳してさしあげるニャ」
楓「ほんとに!? ありがとう、「翻訳ねこ」さん!」
翻訳ねこ「ミャオっ!任せ二ャさい!」
デキ男「ハロー」
楓「デ、デキ男さん?何、その格好?」
デキ男「いいえ、ワタクシ、「翻訳ねこ」二ャ。 デキ男さんの身体を借りて、翻訳する二ャ」
楓「素敵!」
デキ男「再びリソースが足りないので ベンダーを利用し、 アジャイル開発で進めます」
デキ男「またたびソースが足りないから ベンガル猫を使い、 アメショーで進める二ャ」
楓「リソース=またたびソース? ベンダー=ベンガル猫? アジャイル開発=アメショー?」
デキ男「ブルーオーシャン戦略で ブランディングを強化し、 KPIを売上120%増に設定します」
デキ男「ブルーアイで、 グルーミングし、 KB(鰹節)を120%増量二ャ!!」
楓「ブルーオーシャン=ブルーアイ? ブランディング=グルーミング? KPI =KB(鰹節)?」
デキ男「マーケットインの発想で、 新たなチャネルも開拓し ソーシャルメディアも活用します」
デキ男「マーキングで チュールも開拓し そう「シャー」と威嚇二ャ!」
楓「マーケットイン=マーキング? チャネル=ちゅーる? ソーシャルメディア=そう「シャー」と威嚇?」
デキ男「次回までにリマインドして 再度、MTGをお願いします」
デキ男「次回までにリバウンドして 再度、ミャオミャオよろしく!」
楓「リバウンド=リマインド? ミャオミャオ=MTG?」
楓「翻訳、だいぶ苦しくない?」
デキ男「どうかな?意味は分かったか二ャ?」
楓「無茶苦茶よ! わかるわけないじゃん!!!」
〇研究機関の会議室
翻訳ねこ「また困った事があれば、呼んで二ャ」
楓「呼ばないわよ!」
翻訳ねこ「遠慮のかたまりニャー(笑)」
楓「遠慮してないし!」
翻訳ねこ「最後に、人間どもに言いたい事がある二ャ」
楓「・・・何よ?」
翻訳ねこ「渋谷は「シビア」な街だ二ャー」
楓「「翻訳ねこ」って・・・単なるダジャレ猫なの?」
翻訳ねこ「渋谷交差点、 みんなで「ダジャレば」 怖くニャい」
楓「やかましいわ!」
翻訳ねこ「翻訳料金は、「KB(鰹節)」でいい二ャ」
楓「払わないよ。 「KB(鰹節)」って勝手に訳さないで」
翻訳ねこ「うわっ、ケチー、「渋ちん」。 渋谷だけに」
楓「もうええわ!」
翻訳ねこ「どうも、あざしたー」
楓「・・・摩訶不思議!」
〇渋谷のスクランブル交差点
意味不明な用語に悩む人々を救うため、
「翻訳ねこ」は今日も、渋谷の街で闘いを続ける。
シンプルに面白いにゃ
そして くだらないにゃ(褒め言葉にゃ)
そう来たか、と笑わせていただきました🤣
難しい横文字の羅列も、翻訳ねこの意味不明(笑)な翻訳も、相手に意味が伝わらなければ同じですね!社会派でした🤔
楽しいお話しでした。クスッと笑いながら読み進めることが できました。横文字、時々混乱することがあります。時代なんですよね、きっと。