一人称に隠された過去 〜暴漢急襲〜(脚本)
〇雪山の山荘
マフユ(北に住む雪女と人間の男)
マフユ(2人が出会って、この僕・・・・・・マフユが生まれた)
マフユ(生んでくれた事は本当に感謝している)
マフユ(だけど・・・・・・父さんをどうしても許せなかったんだ)
マフユ(僕を男として育てようとした事が)
〇壁
マフユの父「何度言ったら分かるんだ! お前は男だ!」
マフユの父「手芸だの料理だの、そんなクラブ活動に入るのは絶対に許さないからな!」
マフユの母「貴方! もうこれ以上マフユを傷つけないで!」
マフユの父「うるさい! 男が欲しかったのに、女なんか生むから!」
マフユの母「ううっ・・・・・・」
マフユ(僕は小学校のお料理クラブに入りたかった)
マフユ(母さんは賛成してくれたけど・・・・・・)
マフユ(父さんは認めてくれなかった)
〇田舎町の通り
マフユ(悔しくなった僕は、夜の家を飛び出した)
マフユ(女の子らしく振る舞う事が出来ない)
マフユ(それが嫌だった)
〇児童養護施設
マフユ(家出を繰り返したある日、僕は母さんと一緒に児童養護施設に行く事になった)
マフユ(住んでいた所から離れている場所だった)
マフユ(この施設の人達と出会ってなかったら・・・・・・)
マフユ(先生と出会えてなかったら)
マフユ(・・・・・・僕は一生、男として生活を余儀なくされたに違いない)
〇田舎の病院の休憩室
マフユの母「・・・・・・その様な事情で、私達はこちらの施設にやって来たという訳です」
施設の先生「分かりました。マフユさんの事はお任せ下さい」
マフユ「・・・・・・・・・・・・」
施設の先生「大丈夫よ、マフユさん」
施設の先生「ここでは誰も貴方を責めたりしないわ」
施設の先生「貴方も1人の女の子だから」
マフユ「・・・・・・・・・・・・!」
マフユ(母さん以外の大人に、女の子として認められた)
マフユ(それだけでも、嬉しかったんだ)
〇特別教室
〇試着室
〇広い厨房
〇シックなカフェ
スミレ「小学生時代は施設で過ごされてたんですね」
マフユ「うん、施設を出た後は中学、それから高校に進学した」
マフユ「施設や学校では、一人称を悪く言う人は居なかったよ」
マフユ「でも・・・・・・」
〇新橋駅前
〇シックなカフェ
スミレ「配信者の2人に馬鹿にされた・・・・・・という訳ですね?」
マフユ「・・・・・・・・・・・・」
カスミ(配信者も酷いアル。それ以上にマフユの父が許せんネ)
カスミ(我の父は、そんな押し付ける事しなかったアル)
カスミ(弟も妹も、生まれた時の性別に文句1つ言わなかったアル)
スミレ(この店に来た施設の関係であるお客様から聞いた話・・・・・・)
スミレ(施設で育った子供は、昔の事を思い出しやすい)
スミレ(あの時のマフユさんも・・・・・・)
〇街中の公園
暴漢(くそっ・・・・・・。さっさと仕事を見つけろと親がうるせぇ・・・・・・)
暴漢(腹立つ・・・・・・)
暴漢(あのガキ共・・・・・・俺を笑わなかったか?)
暴漢(俺の苦労も知らないで・・・・・・)
暴漢(・・・・・・許さねえ!)
女の子A「あの番組、面白いよね!」
女の子A「ドッキリの目的通りに怒っちゃう所とかさ!」
女の子B「あの芸人さん、私好き!」
女の子B「あの番組といえば・・・・・・だよね!」
暴漢「・・・・・・・・・・・・」
女の子B(えっ、誰が来た)
男の子B(手に持ってるのって・・・・・・金属バット!?)
男の子B「おい、後ろ・・・・・・!」
女の子A「何、後ろ?」
女の子A「・・・・・・・・・・・・!」
女の子A「きゃあ!」
男の子B「た、大変だ・・・・・・!」
女の子B「どうしよう・・・・・・」
男の子A「何処かで助けを求めよう!」
〇シックなカフェ
マフユ「うっ・・・・・・」
スミレ「どうなさいました!?」
マフユ「近くで何かが怒り狂ってる・・・・・・」
カスミ「事件カ!?」
男の子A「あの、誰か居ますか!?」
スミレ「どうされましたか?」
男の子B「助けてください、公園で男が金属バットを持って暴れてるんです!」
女の子B「私達の友達の1人が、その男に殴られて怪我を・・・・・・」
女の子B「殴られた子はまだ公園に・・・・・・」
男の子A「救急車と警察に連絡をお願いします!」
マフユ「感じ取った悪意の正体は、その暴漢だったみたいだ」
カスミ「何の理由で暴れ出したのかは知らないアル」
カスミ「でも子供を殴るのは迷惑至極アル!」
スミレ「救急車と警察への連絡」
スミレ「そして、お店に来た子供達への対応は私が行います」
マフユ「救助が来るまでの間、殴られた女の子は僕が助けに行く」
カスミ「我もマフユと行くヨ!」
スミレ「カスミさん、でしたらこれをお使い下さい」
カスミ「これはスプレーカ?」
スミレ「ええ、ドイツ製の催涙スプレーです」
スミレ「犯人の顔に吹きかければ、戦意を失う筈です」
スミレ「強力な成分が含まれてますから」
カスミ「謝謝!」
マフユ「じゃあ頼んだよ」
スミレ「お気をつけて」
女の子B「あの子・・・・・・大丈夫かな・・・・・・」
スミレ「大丈夫です。助かりますよ」
〇氷
〇街中の公園
女の子A「誰か! 助けて!!」
暴漢「さっきからうるさいんだよ!」
暴漢「うわっ!」
暴漢「何だ・・・・・・体が動かなく・・・・・・」
カスミ「あいつバットを落としたアル! あの子を連れ戻すアル!」
マフユ(雪女の姿)「うん」
女の子A「貴方達は一体・・・・・・?」
マフユ(雪女の姿)「詳しくは後でね」
カスミ「今それより、あいつアル!」
暴漢「何なんだお前ら! このっ・・・・・・!」
マフユ(雪女の姿)「危ない・・・・・・!」
マフユ(雪女の姿)(間一髪で避けれた・・・・・・)
マフユ(雪女の姿)(昏迷の氷柱を受けても、まだ動けるなんて・・・・・・!)
カスミ「こうなったら、スプレー使うヨ!」
カスミ「噴射!」
暴漢「何っ!」
暴漢「な、何だこれ・・・・・・! 涙が!」
暴漢「うっ・・・・・・!」
カスミ(本当にこの催涙スプレー・・・・・・強力アル)
マフユ(雪女の姿)「警察が来た」
カスミ「救急車も来たアル」
女の子A「うえーん、怖かったよぉ・・・・・・」
マフユ(雪女の姿)「もう大丈夫だよ。さあ、救急車に」
警察官「暴行容疑で現行犯逮捕します」
暴漢「く、くそぉ・・・・・・!」
暴漢(着物の女とお団子頭の女・・・・・・覚えてろ!)
〇総合病院
〇田舎の病院の病室
介護士A(また怒られた・・・・・・)
介護士A(この介護施設で働いてから、あのお婆さんに叱られてばかり)
介護士A(もう辞めようかな)
介護士B「あんまり気にするんじゃないよ」
介護士A「先輩・・・・・・」
介護士B「あたしで良ければお手伝いしてあげるよ」
介護士A「本当・・・・・・ですか?」
介護士B「うん」
〇モヤモヤ
介護士B「あのお婆さんにお灸を据える・・・・・・お手伝いをね」
何でこう親が勝手に決め付けたりと、子育てはゲームじゃねぇんだぞって怒りたくなりましたね。公園では馬鹿たれが子供に暴力振るって成敗されたけど、どこに言ってもマイナスな感情を持った人が後を絶たない。何より、もしそうなってたら兵器なんて物は存在しませんよね。
マフユ…😢
父親も後継が欲しかったのだろうけれども……難しい家庭問題ですよね…
スミレは軍の関係者なのでしょうか?
それとも両親がドイツ出身?🤔
暴漢に金属バットで殴られた女の子、大怪我してない事を願います🙏🏻
そして介護施設にて、あのロン毛男が暗躍!?
介護も社会問題ですね……身内の介護経験があるので、痛い程分かります😓
マフユのトラウマが描かれ、熱いドラマでした!!
こちらの3人組も、それぞれ人生ドラマがありそうですね🤩
今回も大活躍でしたが、最後に次に続く不穏な空気が…
ロン毛くんの発明の威力、どんな効果をもたらすのか楽しみですね!!