〇屋台
　　先日の騒動で明石さんは田舎への左遷が正式に決まり、神崎さんは異動せずに済み、俺も今後も夏目グループと取引を続行する事が
　　決まった。そんな俺達はと言うと。
神崎彩葉「ええっと、焼き肉定食２人分と、烏龍茶２人分お願いします・・・」
AI犬「畏まりました！博之さん、ご注文入りました！焼き肉定食と烏龍茶２人分です！」
佐藤博之「はいよ！お客さんにはもう暫くお待ち下さいって言っといてくれ！」
AI犬「はい！」
青山純「すげぇ・・・もうここまで形になってるなんて・・・」
神崎彩葉「あたしは直接開発には関わって無いから何とも言えませんが、内の職員と青山さん達のお力があってこそ出来た物ですから・・・」
青山純「そうだよね・・・こうして見ると続けてて正解だって思うよ・・・」
青山純「あ、そう言えばさ、あれから明石さんはどうなったの？」
神崎彩葉「あぁ、その事ですか・・・最初こそ嫌そうな顔してましたが、何だかんだ田舎の部署には行きましたよ・・・」
神崎彩葉「向こう曰く、俺はエリートだから絶対安泰だとか言ってたそうですが・・・」
青山純「うん、何だか向こうにいる人達が気の毒に見えて来た・・・」
神崎彩葉「まぁ、そうですよね・・・」
神崎彩葉「でも、明石さんがいなくなって大分静かになりましたよ！浮島さんも、前よりやり易くなったと言ってましたし、」
神崎彩葉「あたしも今、前より仕事に集中出来る様になりました！」
青山純「あぁ、あの人完全に疫病神だったのね・・・」
佐藤博之「お客さん！ご注文の品、お持ちしました！」
青山純「あ、ありがとうございます！」
神崎彩葉「店主さん！あれから数日経ちましたが、ロボット犬使ってくれてるんですね！」
佐藤博之「あぁ、やっと満足行く形に仕上がったからな！お嬢さんの所のロボットのお陰で、」
佐藤博之「内にもいつも以上にお客さんが来てくれる様になったんだ・・・」
AI犬「ありがとうございます！博之さん！」
佐藤博之「で持ってあんたら、今日は昼間から来てくれて、しかも私服だが、今日は休みかい？」
青山純「あ、はい・・・今日は俺、死んだばあちゃんの墓参りに行くんです・・・たまたま神崎さんとは休みが合ったので」
青山純「彼女の希望で一緒に行く事になりました・・・」
佐藤博之「へぇ、墓参りとは感心だな・・・」
神崎彩葉「まぁ、あたしとしては一度はお会いしたかったなぁって思ったりはしますけどね・・・」
佐藤博之「そう言ってくれるな・・・人間誰でも、役目が終わる時は必ず来る・・・その時そうなっても良い様に、」
佐藤博之「自分等に出来る事をやれば良いんだ・・・後にも先にも、人生一度切だ・・・やりたい様にやれば良いさ！」
神崎彩葉「・・・そっか・・・そうですよね！」
神崎彩葉「あの、店主さん、もしロボット犬の事気に入ってくれたら、内のホームページでレビュー書いて頂けますか？」
神崎彩葉「感想とか改善点とかありましたら、是非お書きになって頂きたいと思います！」
佐藤博之「勿論良いぜ！直ぐは無理だが、それまで待っててくれよ！」
　　それから俺達は昼食を済ませて、屋台を後にして墓参りへ行くのだった。

〇墓石
青山純「やっと着いた・・・ばあちゃん、今日は友達連れて来たよ・・・」
神崎彩葉「青山さん、先ずは何しますか？」
青山純「そうだな・・・先ずは墓の掃除して、花瓶の花と水を交換かな・・・その後に線香に火を着けてって感じで・・・」
神崎彩葉「分かりました！あたしも直ぐ準備します！」
　　それから俺達はばあちゃんの墓を掃除し、改めて墓標の前に立った。
青山純「良し、終わった・・・」
神崎彩葉「お疲れ様です・・・さてと、」
神崎彩葉「おばあさん始めまして！あたしは純さんの職場の取引先の受付嬢をやってます、神崎彩葉です！」
神崎彩葉「純さんにはいつもお世話になってます！」
青山純「そうか？どっちかと言うと取引してくれてるそっちの方に俺らが世話になってると思うけど・・・」
神崎彩葉「いえいえ！その夏目工房と純さんが頑張ってくれてるから、今のあたし達が在るんですよ？」
青山純「・・・まぁ、確かにそうだね・・・」
青山純「ばあちゃん、俺らこれから正式に付き合う事になったよ！今日の墓参りが終わったら２人で遊びに行くから！」
神崎彩葉「えへへ、おばあさん、見てくれてるでしょうか？」
青山純「見てくれてるさ・・・昔から一緒だったから・・・でもこれからは・・・神崎さん・・・じゃ無かった、」
青山純「彩葉が一緒だから・・・」
神崎彩葉「純さん・・・あたし前からずっとこうしたかったんです・・・誠実で、優しくて飾らないあなたの事、あたしは大好きです・・・」
青山純「・・・ありがとう、さてと・・・」
青山純「ばあちゃん、また来るぜ！彩葉、行こうか・・・」
神崎彩葉「はい！」
おばあちゃん「純、あれから随分経ったが、純も随分大きくなったね・・・素敵な彼女さんまで出来て・・・」
おばあちゃん「出来る事なら、純の子供も私が抱いて見たかった・・・まぁこうなっちまった以上私から言う事は無いが・・・」
おばあちゃん「純、困った事があれば、いつでもばあちゃんの事思い出すんだよ・・・ばあちゃんはいつでも、純の側にいるからね・・・」
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