〇睡蓮の花園
サクラ「さぁ、今日も瞑想で霊力を鍛えなくちゃ」
？？？「む、其方は悪払いの巫女か」
サクラ「貴方は・・・ブラックの使い魔？」
シェイド「いかにも、吾輩はブラック殿の使いのシェイドだ」
サクラ「シェイドっていうんだ。 こんな所でどうしたの？」
シェイド「あぁ、少し悩みがあってな。 この池の付近は静かゆえ、黙考には向いているのだ」
サクラ「悩み？ 困ってるならアタシも協力するよ？」
シェイド「本当か？ 感謝するぞ、悪払いの巫女よ」
シェイド「・・・実を言うと、身体を持ちたいのだ。 今の霊体では存在が不安定で、魂に多大な負担が掛かり困っている」
サクラ「ならいい札があるけど、使ってみる？ 実体化の札っていうんだけど」
シェイド「これはありがたい。 早速使わせて貰おう」
サクラ（どんな人になるのかな？ ちょっと楽しみかも♪）
シェイド 「ふむ、いい身体だ。 すこぶる馴染んで良い感じだな」
サクラ「うわっ!? マニトみたいな獣人になっちゃった！」
シェイド 「吾輩は元々一羽の白い鳥だったからな。 かつてはシロウという名でな、ブラック殿に保護された身だったのだ」
サクラ「なるほど、それで協力してたんだね。 それでこれから──」
ブラック「む、サクラか。 人の気配がするから何事かと・・・」
ブラック「・・・っ!? シェイド、まさかお前・・・」
シェイド 「これはこれは、ブラック殿。 その通り、吾輩はシロウでございますよ」
ブラック「そうだったのか・・・。 すまないな、今まで気づけなくて・・・」
シェイド 「いえいえ、吾輩は主と再び巡り会えただけで嬉しいのですよ」
シェイド 「それに・・・あの時救って下さらなかったら吾輩の命はありませんから」
サクラ「二人は離れ離れになってたんだ・・・。 とっても辛かったでしょ？」
ブラック「あぁ、だがこうしてシロウは転生出来た。 ・・・もう会えないと思っていた家族に会えたのは嬉しい事だ」
ブラック「さぁ、帰ろうシロウ。 今はただ再開を喜ぶとしよう」
シェイド 「こ、この世界ではシェイドとお呼び下さいブラック殿」
シェイド 「吾輩はもうあの時の様な無力な小鳥では無いのですから・・・」