51話 前世の記憶!(脚本)
〇結婚式場の前
エウレット・ヘヌシアン「あんな目にあったのに、よく私の前に現れたわね侯爵令嬢?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「お前が妹に何をしたかは知っている」
エウレット・ヘヌシアン「なんですって? もしかして、リンから聞いたの?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「その人は関係ない。彼女が協力したいと思っているのはお前だけだ。分かってるだろ?」
エウレット・ヘヌシアン「・・・・・・」
エウレット・ヘヌシアン「御涙頂戴ってやつかしら? 私は裏切り者を許さないわ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・公爵令嬢が怒っている理由は、アゥルペロを断罪できなかったからか?」
エウレット・ヘヌシアン「その女を殺せないからよ!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「殺したらあなたは破滅する。断罪したら満足したはずだ」
エウレット・ヘヌシアン「な、何を言ってるのよ? どうしてそう思うわけ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あなたはアゥルペロを断罪するために作戦を考えていたはずだ。でも、その作戦はうまくいかなかった」
エウレット・ヘヌシアン「それはあなたが邪魔したからでしょ!?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・邪魔できたのは俺があなたと同じだからだ」
エウレット・ヘヌシアン「ど、どういう意味・・・よ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺は前世の記憶を思い出した。この世界が創作物と似ていることに気づいた」
エウレット・ヘヌシアン「あ、あなたも!?」
エウレット・ヘヌシアン「だから邪魔されたのね・・・!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺とあなたは違う。俺が前世で読んだのはあなたが主人公の漫画だ。あなたは前世の記憶を思い出して、俺の妹を断罪する」
エウレット・ヘヌシアン「え・・・私が、主人公?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お、お兄様?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺は妹を守れなかったことを後悔した、俺がもっとこの子を大切にしていればあんなことは起きなかった。妹を守りたかったんだ」
エウレット・ヘヌシアン「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あなたの怒りを、あなたが受けた屈辱をはらす場を奪ってしまった」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「本当にごめんなさい。でも、妹の命だけは渡せない。この子が大切なんだ」
エウレット・ヘヌシアン「・・・・・・」
エウレット・ヘヌシアン「あなたはどうしたいのよ? なぜそんな話を私にしようと思ったの?」
エウレット・ヘヌシアン「あなたにも作戦があるんでしょ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロを殺すのは許さない。本当は傷つけたくないけど、今は俺がそばにいるから、慰めてあげられる」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「妹を断罪してくれ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お、お兄様!?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「妹は充分反省しているし、あなたに今後何かすることはない。何かしようとしたら俺が止めるし、間違ったことだと教えられる」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「だから安心して見逃してほしいんだ・・・」
エウレット・ヘヌシアン「・・・・・・」
エウレット・ヘヌシアン「いいわ。でも容赦しないわよ。全力で守ることね」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「もう国外逃亡してるよ」
エウレット・ヘヌシアン「じゃあ早速断罪を始めるわ!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ええ!? お、お兄様!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「大丈夫だ。何があっても俺が守ってやるからな」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お、お兄様ぁぁっ・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「どうしてそんなに笑顔なんですかぁぁ・・・?」
〇黒
悪役令嬢は今まで貯めていた怒りや鬱憤をはらすために、妹を責め立てた。
周囲の人たちもその様子に驚いていた。証拠はなくなってしまっても彼女は堂々として話した。
否定しない俺とアゥルペロを見て周囲の人も信じはじめた。公爵令嬢に向けられていた冷ややかな視線が同情の視線へ変わっていた。
断罪が終わると、彼女はスッキリした顔で、俺と妹の謝罪を受け入れてくれた。
〇西洋の城
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「今日は大変だっただろうアゥルペロ。ごめん、急にあんなことを始めて・・・驚いたよな?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「いいえ、ありがとうございますお兄様! 私すごくスッキリしてるわ! もうあの人に命を狙われなくてすむんだもの!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「驚いたけど、途中からは少しだけ面白かったわ!」
レバノスタン卿!? 聞こえる!?
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「公爵令嬢? どうしたんだ?」
大変なのよ! 侯爵令嬢を狙うために雇ったギルドと連絡がつかないのよ!
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「な、なんだって!?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(突然断罪させたから、慌てて中止しようとしてくれたんだろうけど・・・。公爵令嬢、やっぱり悪巧みしてたんだな)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「またテカの武器を使うのか!?」
テカのことを知ってるのね!? テカの武器だけど前とは違うわ!
皇帝が作った武器で、あの人は侯爵令嬢を操って貴方を言いなりにしようとしたのよ! ごめんなさい、私復讐に囚われていて・・・
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「いや・・・連絡してくれたんだ、大丈夫。この件でまたいがみ合うわけにもいかないし、公爵令嬢はそのまま連絡を取ろうとしてくれ」
分かったわ!
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「大変なことになったな」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄様、どうしましょう?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「しばらくは家から離れた方が良さそうだ。飛行船を呼ぶ。空までは追ってこれないはずだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「公爵令嬢が連絡を取れるまで、待ってみよう。もし連絡が取れないなら王様やテツナたちに相談する」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「分かりました!」


