龍使い〜無間流退魔録外伝〜

枕流

第参話 龍使いだよ全員集合! 前編(脚本)

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〇体育館の中
姫野晃大「(うそだろ・・・)」
  魔族と橘一哉の襲撃の翌日。
  高校の入学式。
  そこで衝撃の事実が発覚した。
  校門で配布されていたクラス別名簿。
  そこに記載されていた出席番号順に並んだら、
  自分の一つ前が、
橘一哉「よろしく」
姫野晃大「・・・」
  あの橘一哉だった。
  同姓同名の別人ではなかった。
橘一哉「昨夜は楽しかったねえ」
姫野晃大「(んな訳あるか!)」
橘一哉「あ、そうそう、」
橘一哉「コウちゃんの後ろの彼、」
姫野晃大「?」
橘一哉「哲ちゃんも龍使いだから」
古橋哲也「はじめまして、姫野くん」
古橋哲也「古橋哲也(ふるはし てつや)です」
  哲也は学生服の右の袖を僅かに捲り、
古橋哲也「僕は黄龍の宿主」
  小声で言った。
  手首のあたりに、一哉や晃大と同じような形の痣がうっすらと見えた。
姫野晃大「うげ」
橘一哉「まあ楽しくやろうよ、クラスメイトなんだし」
  その後のことはよく覚えていない。

〇教室
  何やかんやで初日は無事終わり、帰宅するか部活を覗きに行くか、と皆がガヤガヤ騒いでいると、
草薙由希「新入生諸君、こんにちわー」
  女生徒が一人、やってきた。
  生徒たちの視線が彼女に集まる。
  そして教室内の空気が凍りついた。
草薙由希「橘一哉クンはいるかしら?」
「はい!」
「あそこにいます!」
  何人かの生徒が一斉に一方向を指さした。
  当然そこには、
  彼がいた。
草薙由希「ありがと」
  女生徒はにこやかな笑顔で礼を言うとスタスタと歩いていき、
草薙由希「さあカズ、部活に行くわよ」
  言うが早いか一哉の腕を掴んだ。
草薙由希「薙刀部の期待の新人、楽しみだなぁ」
橘一哉「いや俺剣道部」
草薙由希「中学までやってたんだから、今度は薙刀やりましょうよ、ね、ハイ決定」
  一哉は抗議の声を上げるが、女生徒に尽く言い返され、最後には黙って連行されていった。
姫野晃大「美人だったなぁ」
姫野晃大「いてっ」
  急に頭を軽く叩かれた。
穂村瑠美「何鼻の下伸ばしてんのよ、おバカ」
姫野晃大「瑠美?」
  晃大の幼馴染の穂村瑠美がいた。そういえば彼女も同じクラスになっていた。
穂村瑠美「あの人は薙刀部主将の草薙由希先輩よ」
姫野晃大「あの人が!?」
穂村瑠美「そう」
  頷く瑠美。
  草薙由希。
  この地域で彼女の名を知らぬ者はいない。
  文武両道、才色兼備。
  よくある表現だったが、正にその通りの才媛。
  加えて、
姫野晃大「あのメスゴリラの」
  ぐおお・・・
穂村瑠美「流石にそれは言いすぎよ」
  瑠美のゲンコツが晃大の脳天に直撃。
  流石に口が過ぎたかと反省したが、
穂村瑠美「・・・あー、いや、そうでも、ない、か、な・・・?」
  瑠美が微妙な顔で言い淀む。
姫野晃大「どっちなんだよ・・・」
  せっかく反省したのに殴られ損のような気がしてきた。
古橋哲也「由希先輩はブラコンだよね~」
穂村瑠美「ブラコンていうか、橘くんが玩具にされてるだけじゃない?」
古橋哲也「カズはノリが良いから逆らわずに楽しんでるだけだと思うよ」
姫野晃大「二人共草薙先輩のこと知ってるのか?」
穂村瑠美「ええ、勿論」
古橋哲也「僕たちと同じ、龍使いだからね」
  晃大は目眩がした。

〇道場
橘一哉「二人共やめてー私のために争わないでー」
  棒読みだった。
  これ以上ないほどの棒読みだった。
  しかも無表情である。
  可愛げの欠片もない。
  むしろ、
辰宮玲奈「煽ってどうするのさ」
  隣の少女が言う通りだった。
「ふ、ふふっ」
  周りの野次馬も思わず吹き出している。
  だが、そんな周りの様子などは当事者は全く気にしていない。
  道場のど真ん中では、
草薙由希「あの子はうちに入ってもらうから」
辰宮綾子「いや、あいつはウチに入ることになってる」
  先ほど一哉を連行していった草薙由希と、剣道着姿の美女が言い争っていた。
草薙由希「別にいいじゃない、剣道部は充分な人数がいるんだし」
草薙由希「綾子は欲張りすぎよ」
辰宮綾子「何を言う」
辰宮綾子「勝ち確&負け回避要員の彼を余所にやれるわけがないだろう」
  綾子と呼ばれた剣道着姿の美女も即座に言い返し、
草薙由希「・・・」
辰宮綾子「・・・」
  睨み合いが続く。
  二人とも、譲る気は一切ないようだ。
辰宮玲奈「ねえカズ、」
橘一哉「ん?」
辰宮玲奈「この際だからさ、思い切ってあたしと一緒に弓道部に入らない?」
  少女が一哉にそっと耳打ちすると、
草薙由希「ちょっとソコ!」
辰宮玲奈「ひゃい!?」
辰宮綾子「漁夫の利狙いとは良くないなあ、玲奈」
辰宮玲奈「うぅ・・・」
  先輩二人に咎められ、玲奈と呼ばれた少女は身をすくめた。
橘一哉「後輩を責めるのも感心できることじゃないと思うなぁ」
  一哉は玲奈の肩に手を置き、庇うように前に出た。
草薙由希「それでカズ、」
辰宮綾子「お前は剣道部に入るんだよな?」
草薙由希「薙刀部に入るのよね?」
  言い争う二人だけでなく、その場に居合わせる全員の視線が一哉に集まる。
橘一哉「あー・・・」
  一哉は綾子と由希の顔を何度か交互に見て、
橘一哉「教室に荷物置きっぱなんで取りに行ってきます」
  それでは、と道場を出ていった。
辰宮玲奈「私もカズの付き添いで行ってきまーす」
  玲奈も一哉の後を追って道場を出ていった。
辰宮綾子「逃げたな」
草薙由希「逃げたわね」

〇鏡のある廊下
橘一哉「さて、どうしたものかな」
辰宮玲奈「教室に荷物置きっぱなしなのは本当のことでしょ?」
橘一哉「いきなり由希姉に連行されたからね」
辰宮玲奈「由希先輩にもお姉ちゃんにも困りものだね」
  剣道部主将の辰宮綾子は玲奈の姉だ。
  男性剣士にも引けを取らない強さで近隣に知られている。
「おう、夫妻揃ってお帰りか?」
  少年が二人に声を掛けて近付いてきた。
  彼の名は飯尾佳明。龍使いの一人だ。
辰宮玲奈「やだもう、夫婦だなんて、そんな」
飯尾佳明「草薙先輩に拉致されたらしいじゃないか」
橘一哉「そうなんだよ」
飯尾佳明「脱走か?」
橘一哉「荷物取りに行くって言って抜けてきた」
橘一哉「このままバックれてもいいんだけどさ、」
橘一哉「そうすると後が怖いんだよなぁ」
飯尾佳明「いいじゃねえか」
飯尾佳明「由希先輩のお仕置きなら、お前にとっちゃ御褒美だろ」
橘一哉「そういう趣味はございません」
辰宮玲奈「あたしはスルーですか!?」
飯尾佳明「どうせ辰宮はカズと一緒にいるだろうが」
辰宮玲奈「まあそうだけど」
飯尾佳明「だったらカズにどうするか聞いた方が早いだろ」
橘一哉「取り敢えず手芸部に行ってみるかなぁ」
辰宮玲奈「そうだね。多分、頼ちゃんもいるよね」
橘一哉「よっくんは?」
飯尾佳明「オレは帰る」
  歩き出そうとする佳明を、
橘一哉「コウちゃんは見てきた?」
  一哉が呼び止めた。
飯尾佳明「見た」
  足を止め、佳明は答える。
橘一哉「よっくんの見立ては?」
飯尾佳明「まあ普通じゃね?」
飯尾佳明「覚醒したのが昨夜なんだろ?」
橘一哉「そう」
飯尾佳明「昨日の今日なら、あんなもんだろ」
橘一哉「最初の得物はやっぱり日本刀だったよ」
飯尾佳明「まあそうだわな」
橘一哉「変わるかな、それともあのまんまかな?」
飯尾佳明「変わるにしても、」
  佳明は玲奈の方をチラリと見やり、
辰宮玲奈「なに?」
飯尾佳明「辰宮ほどには変わらないだろうな」
辰宮玲奈「だってしょうがないでしょ、格闘は苦手なんだもん」
橘一哉「それでMAP兵器発動にはビビったけどね」
辰宮玲奈「調整できるようになったんだから文句は言わないでよ」
  辰宮玲奈も龍使いの一人である。
  本人の資質と龍の特性による玲奈の武器発現の際に割と大変な事があったのだが、それはまた別の機会に。
飯尾佳明「いつまでもポン刀にこだわり続けてるカズの方も充分変わり者だな」
飯尾佳明「黒龍の属性に曲刀が最適解とは思えないが」
橘一哉「最初の頃に比べれば寸が伸びて野太刀になってるから変化はしてるけどね」
  などと話をしていると昇降口に差し掛かっていた。
飯尾佳明「あとは若い二人で仲良くやってくれ」
  じゃあな、と佳明は下駄箱で靴を履き替えると出ていった。
橘一哉「さあ、手芸部はどこだったっけ」
辰宮玲奈「確か、こっちじゃなかったかな」
  二人が再び歩き出すと、
「お、カップル発見」
  一人の少女がやってきた。
辰宮玲奈「あ、頼ちゃん」
梶間頼子「そうです、二人の頼れる大親友、紫龍使いの梶間頼子、見参でーす」
橘一哉「どしたん?何かあった?」
  神獣使いであることは仲間以外には他言無用のはず。
  それが自ら名乗るということは、
梶間頼子「あったよ」
辰宮玲奈「何が?」
梶間頼子「魔族が仕掛けてきた」
梶間頼子「今逃げてきたとこ」
飯尾佳明「おい」
  そこへ佳明が戻ってきた。

〇鏡のある廊下
梶間頼子「あ、やっぱり帰れなかった?」
飯尾佳明「門が開かねえ」
飯尾佳明「柵越えもダメだった」
飯尾佳明「とにかく学校から出られなくなってる」
  チッ、と佳明は舌打ちした。
橘一哉「ピッキングとか分解は?」
  一哉が何やら物騒な言葉を口にしたが、
飯尾佳明「無理だったに決まってんだろバカ」
  一蹴された。
橘一哉「緑竜の力を使っても?」
  続けて一哉は問いかけた。
  緑龍は金属を特性とする龍だ。
  その緑龍の力を使えば、錠前やフェンスなどの金属製品は自由自在になるはず。
  だが、
飯尾佳明「形だけで機構が存在しなかった。動かせもしないしバラせもしなかったよ」
  佳明は首を横に振り溜め息をついた。
橘一哉「敵さんも雑だなあ、見てくれだけか」
梶間頼子「いや、そこまで気を回せたら、それはそれで厄介な相手だと思うよ」
  頼子の言う通りだ。
  そんな芸当ができる相手なら、より精緻な罠を仕掛けているはず。
辰宮玲奈「とりあえず探ってみよっか」
  玲奈が右手をかざすと風が巻き起こり、和弓が現れた。
  弓を左手で持ち、矢は番えずに指を弦に掛けたが、
橘一哉「ちょっと待った」
  一哉が玲奈の右手を押さえた。
辰宮玲奈「何?」
飯尾佳明「鳴弦による反響定位はやめた方がいい」
飯尾佳明「音を出せばこっちの居場所がバレる」
飯尾佳明「梶間が撒いてきたのが無駄になる」
梶間頼子「そんなに気を使わなくてもいいよ」
梶間頼子「合流できた時点で勝ちみたいなもんだし」
梶間頼子「四人もいればどうにかなるっしょ」
飯尾佳明「だが屋内はまずい」
飯尾佳明「俺達は入学初日で校舎のレイアウトが把握できてない」
飯尾佳明「一旦グラウンドに出るのが無難だ」
辰宮玲奈「そうだね」
橘一哉「よし、俺が露払いを」
飯尾佳明「ダメだ」
橘一哉「なんで?」
飯尾佳明「突っ走りすぎる」
梶間頼子「カズは露払いじゃなくて特攻隊長じゃん」
梶間頼子「強行偵察なんて無理無理」
橘一哉「反論できねえ」
辰宮玲奈「じゃあ、どうやって?」
飯尾佳明「俺に考えがある」
  佳明は廊下を指差した。
飯尾佳明「廊下を一気に端まで駆け抜けて非常扉から外に出る」
飯尾佳明「ここは一階だから外に出られればそれでいい」
橘一哉「外に出るなら教室ぶち抜きの方が早くない?」
飯尾佳明「教室の中は障害物が多いし、出入りのタイミングを狙われるかもしれん」
飯尾佳明「移動速度が鈍るのは避けたい」
橘一哉「確かに」
梶間頼子「それなりの距離に頑丈な扉、どうやって外まで行くの?」
辰宮玲奈「途中の窓や教室から魔族が出てくるかもしれないよ?」
飯尾佳明「まあ聞け」
飯尾佳明「まず梶間が紫龍の雷の力を最大まで込めた金剛杵を非常扉目掛けてぶん投げる」
梶間頼子「ほうほう」
飯尾佳明「光も音もMaxだ。遠慮するな」
飯尾佳明「どうせ周りには敵しかいない」
梶間頼子「りょ」
飯尾佳明「で、梶間が投げたら辰宮が後追いの矢を放て」
辰宮玲奈「うん」
飯尾佳明「梶間の金剛杵が落ちないように白龍の風で浮かせて加速させて廊下の突き当りまで届かせろ」
飯尾佳明「風と雷の力で突き当りの扉も破れるはずだ。いや、破れ」
辰宮玲奈「分かった」
橘一哉「で、俺は?」
飯尾佳明「二人の放ったブツを全力で追いかけろ」
橘一哉「無理じゃね?」
橘一哉「風と光についていけと?」
飯尾佳明「扉をぶち破った先にいるかもしれない敵を仕留めるんだよ」
橘一哉「いやだから追いつけるのかと」
飯尾佳明「縮地を使え脳筋」
橘一哉「縮地を使って追い抜かずに追従、扉が開いたら真っ先に飛び出す、と」
飯尾佳明「そうだ」
橘一哉「んで、外で敵さんが待ち受けてたらやっちまう」
飯尾佳明「分かってるじゃねえか」
橘一哉「危なくない?」
飯尾佳明「お前はできるんだからやれ」
橘一哉「人使いが荒いなァ」
  ぼやきながらも一哉の顔には笑みが浮かんでいる。
飯尾佳明「気休め程度だが俺の双鞭剣で初速を上げてやる」
  佳明が右手をかざすと、緑色の気が吹き出した。
  細長い気の塊に両手を突っ込んで引き出すと、剣のような形の鉄棒が左右の手に一本ずつ握られていた。
  剣型の二本の鉄鞭、緑竜使いの佳明の武器『双鞭剣』だ。
飯尾佳明「磁力なんて滅多に使わないが、梶間がいれば使えるはずだ」
  肩幅より少し広い幅を開けて、佳明は双鞭剣を床に突き刺した。
梶間頼子「じゃ、ドラゴンレールガン、やってみますか」
飯尾佳明「辰宮もカズもスタンバっとけ」
「了解」
  玲奈は矢を取り出して番えた。
  ヒュウゥ、と風が鳴り始める。
梶間頼子「紫龍、」
  パリィ、と火花が散り、頼子の右手に金剛杵が現れた。
梶間頼子「雷光、雷鳴、最大出力」
  火花が数を増していき、金剛杵の尖端が幾つにも割れていく。
  その金剛杵を双鞭剣の間にかざすと、雷が双鞭剣にも伸びた。
  双鞭剣も全体に雷をまとい、音を立てている。
梶間頼子「フウ・・・」
  頼子は金剛杵を握りしめている手の力を緩め、徐々に指の力を開いていく。
  指が開き切ると、金剛杵は宙に浮いていた。
梶間頼子「よぉし・・・」
  双鞭剣と金剛杵は放電で繋がり、頼子の腕からも同じように雷の火花が無数に散っている。
飯尾佳明「辰宮」
辰宮玲奈「いけるよ」
  頼子は両の足を踏ん張り、腰を入れ、
梶間頼子「っせい!!」
  渾身のアンダースロー。
  右下から左上へ、大きく腕を振り抜き、頼子は金剛杵を掌で押し出した。
  稲光で視界が真っ白になる。
  雷鳴が響き渡り、ビリビリと空間が振動し、何も聞こえなくなる。
飯尾佳明「射て!」
  佳明の言葉も雷鳴にかき消されたが、玲奈には金剛杵の軌跡がはっきりと見えた。
辰宮玲奈「いっけぇ!」
  玲奈の叫びも雷鳴に飲み込まれた。
  しかし放たれた矢は渦巻く風を纏って金剛杵を追いかけていく。
飯尾佳明「走れ!!」
橘一哉「おりゃああ!!」
  一哉も一目散に駆け出していた。
  学生服の上に帯を締めて刀を差し、鯉口に掛けた左手の親指は鍔を押さえていつでも抜けるようにしている。
  短距離縮地を繰り返して離れすぎず近寄りすぎず、様子を見計らいながら。
  ゴガインッッ!!
  金剛杵が突き当りの非常扉に突き刺さった。
  直後に玲奈の放った矢が、回転しながら金剛杵に接触した。
橘一哉「っとお!」
  急停止する一哉。
  すぐに足腰を緩め、いつでも動ける体勢を作っておく。
  風と雷で目も耳も利かないが、それら以外の全てを感じ取るべく感覚を研ぎ澄ませる。
梶間頼子「いけ!」
  右手をかざして念を込める。金剛杵が力と勢いを失わぬように。
辰宮玲奈「いけ!」
  世界の果てまで届け、と念を込める。
  二人の思いに応えるかのように、金剛杵は火花を激しく散らしながら扉に食い込んでいく。
  矢もまた回転を増し、金剛杵に回転を加えながら鉄扉に押し込んでいく。
飯尾佳明「俺達も行くぞ!!」
「応!」
  光と轟音、そして吹き荒れる風。
  今なら、どこに敵がいても動きは止まっているはず。
  一哉の後を追い、三人も駆け出した。
  扉が砕け散った。
  玲奈の風によって破片は全て外へと飛んでいく。
  差し込む日光の中に一哉が飛び出した。
飯尾佳明「どうだカズ!」
  佳明が叫びながら一哉に続いて外に出たが、
飯尾佳明「どこに消えやがったあのバカ!」
  一哉の姿は無かった。

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