28面 あの場所でいられたら(脚本)
〇未来の店
尾沢吏帆「江藤くんは 15:30休憩だったのでしょうか?」
江藤鉱「はい、尾沢さん。昨日はそうです」
江藤鉱「珠未さんが、いってらっしゃーいって 元気よく送ってくれたので」
江藤鉱「こっちもいってきまーすって言いました」
〇レトロ
・・・ああ、点字だ
わら半紙くらいの紙に爪で跡つけて
感覚で文字形変えてるのかな
つけていって
みんなのおかげです
ありがとうございました
つづり終えれたのかな
長きに及ぶ──
大花歴亜「兄さん何やってんの?」
川浦 凪「道混んでんの?」
もう大丈夫だよ
〇住宅地の坂道
──朝4時くらい。
坂の途中で、クリが
折中珠未「ガチャ重いの運んでくれると思って」
折中珠未「外で待ってた」
って、クリん家行って
手伝っていいの?
待っててくれたんだったら
いくよ、喜んで
ピンクの上掛けと手袋のクリ、
ウェーブがかった髪を後ろに流してる。
顔ジーッと見ると、
折中珠未「何だよー」
と言いつつ、俺の上着ジャンパーの
肘辺りつかんでくれる。
江藤鉱「何ー、つかんでくれるのー?」
江藤鉱「それじゃあ」
と、クリがポケットに突っ込んだ手を
取り出して手つなぐ。
折中珠未「何この手つなぐの痛いの」
握力の指と指の間、
横鍛えるみたいなの。
江藤鉱「そうそう、間に挟んで 少林寺じゃないけど重いの持ってって」
折中珠未「変なの うちらだとこうなるのかな」
照れてるしぎこちないし、
手袋ごしに指のかみ合わせも
おかしいから直して、
江藤鉱(でもうれしい この上ないくらい)
〇ショッピングモールの一階
最後の告白です
あの場所で いられたら
2度目の告白をします
〇勉強机のある部屋
江藤鉱(現実はうまくいかないけど)
江藤鉱(それでも夢を信じなくちゃいけないから)
〇宇宙空間
夜空に星が2つ並んで
カンカンぶつかって流れてる
右へ動いてる キラキラ
〇未来の店
コラッコルの等身大ぬいぐるみ。
買ったこと聞かれて、
江藤鉱「そうなんすよ 思ってたよりずっと重くて」
江藤鉱「大変でしたよ、持って帰るのー」
持つところに鉄(2つ?)入っててとか
変な情報入ってたけど、
したらその子も買うって、
江藤鉱「あーちょっと待って下さい」
って追っかけてって、
江藤鉱(でも買うななんていえない)
江藤鉱(何で?あげるから なんていえるわけない)
江藤鉱(あーあ、在庫もあるしな 給料入って買うんだな)
通山さんが一緒について、
そのおしとやかに笑顔浮かべる子
俺が買ったって聞いたから
一緒のほしいって思って買うニュアンス?
俺があーあって
思うってことは折中さん?
〇占いの館
葵星羽「クリのこと、嫌いって言って」
葵星羽「反応で見るから」
嫌いなわけがない、好きですよ
葵星羽「江藤くん・・・」
葵星羽「今の時期を逃しちゃ駄目だよ」
葵星羽「心をつかもうと思ったら」
〇合宿所の稽古場
折中珠未「ぶつけたところ」
折中珠未「どっか、アザになってないっすかね?」
って言って、腕まくって
江藤鉱「うん、なってないっすね」
脚もまくって見えないところ、
江藤鉱「脚もなってないっす」
って、後ろ向いて、腰まで見せてくる。
江藤鉱(トランクスはいてんのか、折中さん)
江藤鉱「んー、そんなにぶつけてた 記憶ないっすよね」
江藤鉱「腕くらいっすかね」
江藤鉱(意識してないのか 見られてもいいのかしんないけど)
江藤鉱(露わにしすぎだぞこのやろー)