ギラ・ラエティティア

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

11話 熱(脚本)

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〇殺人現場
  遠火に会うため、彼ら売買者の溜まり場である路地裏に来ていた。
  建物の陰に隠れて待っていると、遠火が現れた。彼の仲間はまだ来ていない。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「・・・・・・!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「甲斐・・・どうしてここにいる」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火、これはギラを治す薬だ。飲んでくれ」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「何言ってんだよ・・・。ギラを治す薬なんて存在しねえ・・・」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「本当なんだ。俺を信じてくれ!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「悪いけど・・・飲めねえよ」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「今更・・・治ったところで・・・うっ。ぐあああああっ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火ッ!! 大丈夫かっ!?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「ギラを、ギラを寄越せ!!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火、これを飲むんだ、そうやって苦しむこともなくなるから!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「うるせえ!! そんなもんじゃなくてギラを寄越せ!!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ぐああっ!!」
  遠火に殴られた頬が熱かった。その後も激しい痛みに襲われる。

〇殺人現場
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「ごめんな甲斐・・・。ごめんな」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「俺には関わるな」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「・・・・・・っ」
  縋りつくような遠火の腕に答えて、俺は遠火の背中に腕を回した。
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「うぐっ・・・ぐあああああ!!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火・・・!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「はやく、はやく助けないと・・・! そうだ、蘭龍なら・・・!」

〇黒
  蘭龍! 今すぐ来てくれ!
  甲斐様? 何かあったのか?
  頼む蘭龍、はやく来てくれ!
  落ち着け。まずは貴方の今いる場所を教えろ

〇殺人現場
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「うるせえ!! うるせええええ!!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「ギャアギャアギャアギャアうるせえ!! うるせえって言ってんだろおおお!!」
  と、遠――・・・!

〇殺人現場
  激しい痛みで意識が遠のいていく中、俺を呼ぶ蘭龍の声が聞こえてくる。
  何とか返事をしようと、スマホを手繰り寄せるが、俺の意識はそこで途絶えてしまった。

〇黒

〇綺麗なダイニング
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ん・・・んん。ここは・・・」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (俺の部屋・・・? どうやって帰って来たんだっけ?)
朴 蘭龍 バク ランリュウ「目が覚めたか? 甲斐様」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「え!? ら、蘭龍!?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「うっ・・・!」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「甲斐様、あまり動くな。応急処置は済ませたが、酷い怪我だ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (そうだ・・・俺、遠火に殴られて・・・)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「う・・・うう」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「・・・・・・」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ら、蘭龍?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (なんで頭を撫でてくるんだ?)
朴 蘭龍 バク ランリュウ「・・・貴方がこんな目に合うなんて・・・。私の薬は本当に喜びを与えてはいないようだ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「そうだ・・・そうだよ! 全部お前のせいだ! お前がギラなんて作るから・・・!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「父さんも・・・遠火も・・・っ う・・・っうう・・・!」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「貴方が泣いていると、思い知る」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「・・・・・・?」
  突然額にキスをされて、俺は逃げるように蘭龍の上から退いた。
朴 蘭龍 バク ランリュウ「薬を病院に配らせている」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「え・・・」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「貴方が傷つくのはもう見たくないからな」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (蘭龍は・・・ちゃんと反省しているのかもしれない)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「でも、まだ許す気にはなれない・・・遠火のあんな姿を見た後じゃ、なおさら・・・」
  遠火に殴られた場所が、熱を持ってじんじんと痛む。
朴 蘭龍 バク ランリュウ「痛み止めを持っていた。飲め」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「・・・ッ!!」
  蘭龍が取り出した薬には見覚えがあった。監禁されていた時に飲まされた薬の一つだ。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「い、いらない・・・!」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「大丈夫だ。この薬は効く」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「そう言う問題じゃ・・・!!」
  蘭龍は傍にあった容器からコップへ水を注いで、それを口に含んだ。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (まさか・・・)
  蘭龍が俺に見せた薬を口に含むのを見て、思わず後ずさる。
  しかし、離れられる前に蘭龍に手首を掴まれて、引き寄せられるまま抱きしめられる。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ら、蘭龍・・・」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「・・・・・・」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (ほんの少しだけ、蘭龍を信じてみよう・・・)
朴 蘭龍 バク ランリュウ「・・・・・・」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ん・・・」
  甘い錠剤の味が口の中に広がった。
  と言うか・・・毎回こんな飲ませ方じゃなくてもいいのに!
  飲み込んだことを確認すると、唇が離れていく。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (さっきより痛みは引いたかもしれない)
  逃げる間もなく再び顔が近づいてきて、唇を押し付けられる。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ん・・・んん!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (な、なんでこんなキスを・・・)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ふ・・・ふぅ」

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