悪魔の子

尾長イルカ

悪魔の子 前編(脚本)

悪魔の子

尾長イルカ

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悪魔の子
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〇森の中
  森に響く
  泣き声
  ────
  そこへ 忍び寄る影
「フンギャー」
アンジュ「ヘンテコ!!!!」
アンジュ「サル? いえ これが人間ね??」
アンジュ「たっぷり イジメてあげる!」


〇西洋風の部屋
パパン「ベロベロバー」
ヘンテコ「フギャアアアアア」
アンジュ「引っ込んでて パパン」
パパン「ハイ・・・」
アンジュ「ようこそ ヘンテコちゃん 悪魔のお家に!」
アンジュ「もてあそんで ア・ゲ・ル💛」
ママン「🎵狂え 良い子よ~ 生き血 飲みほ~す」
「🎵生まれしことを~ 悔やむ月日よ~」
「🎵生きるは地獄~ 神や仏を~ 呪いたまいし~」
ヘンテコ「キャキャキャ」
アンジュ「笑ってる! 唄の良さが分かるのね💛」
アンジュ「ママ 飼ってもいいでしょ? たっぷり イジメるから!」
ママン「イジメるなんて可哀想じゃない」
ママン「切り刻んでおあげ!」
アンジュ「そしたら 動かなくなっちゃう つまんないよ!!」
「キャキャキャハハハハ」
アンジュ「一緒になって笑ってるよ やっぱりヘンテコ!」
パ パ ン「・・・・・・」
アンジュ「どうしたの パパン?」
パ パ ン「お前の背中に ゴミが・・・」
アンジュ「なんだ 痴漢かと思った」
アンジュ「早く『悪魔試験』来ないかなぁ 楽しみだなぁ」
アンジュ「パパンやママンみたいな 立派な悪魔になりたいの!」
ママン「試験勉強 頑張らないとねアンジュ」
アンジュ「ばっちりよ!」
「アハハハハハ」
ママン「ちょっとあなた 何を青い顔してるの? アンジュが 怪しんでたわ」
パ パ ン「ウウム あの子の背中に」
ママン「え? 羽・・・」
パ パ ン「まずいぞ・・・」

〇魔王城の部屋
ヘンテコ「わあああああん」
アンジュ「恐ろしいか? 地獄の拷問だぞ!」
アンジュ「まずは水責めだ ミルクをたっぷり飲め!!」
アンジュ「怖いだろう? 高い高い~!!」
ヘンテコ「きゃっきゃっきゃっ」
アンジュ「次の拷問は 身がよじれるぞ」
アンジュ「コチョコチョコチョコチョ」
ヘンテコ「あうあうあう」
アンジュ「苦しくて 死にたくなるだろう?」
アンジュ「恐怖で気絶した??」
アンジュ「イジメるの大好き! 私って 根っからのワルだなぁ」
  赤ん坊は満足して 安眠していた
アンジュ「早くパパンみたいな悪魔になりたい」
アンジュ「黒々とした カッコイイ羽 早く生えないかなぁ」
アンジュ「アラ? 何これ」
アンジュ「天使の羽?」
アンジュ「ヤダ!  この子ったら 天使なの?」
アンジュ「いや違う 私の体から出てる どういうこと?」
アンジュ「・・・・・・」

〇森の中の小屋

〇西洋風の部屋
天使「13年前 森に落ちた天使の子供 引き取りに来ましたよ」
ママン「アンジュはウチの子です 悪魔の子です!」
パ パ ン「13年もほったらかして 今更なんだ」
天使「彼女に羽が生えるのを 待っていたのです」
天使「羽が生え始めた今 立派な天使として 召し抱えます」
ママン「待って!!」
ママン「アンジュ! 聞いていたんだわ」
パ パ ン「出て行ったのか?」

〇霧の立ち込める森
  泣きながら駆ける
ヘンテコ「オギャー オギャー」
  その腕には 赤ん坊が
  泣きつかれ 
  樹の側で休むアンジュ
天使「起きなさい」
天使「赤ん坊をどうするのです?」
アンジュ「し 始末する・・・ 私が・・・悪魔だと証明する!!」
天使「おほほほほ」
アンジュ「できないと思ってるな?」
アンジュ「そうか・・・これが『悪魔試験』か?」
アンジュ「合格してやる みてろ!!」
天使「どうやって? 赤ん坊は?」
アンジュ「ここに・・・あれ!? どこいった?」
アンジュ「ヘンテコ ヘンテコ!」
天使「沼の方へ行ったのかも」
アンジュ「大変だ!!」
  必死に駆けていくアンジュ
天使「やさしい子に育ったわね」

〇森の中の沼
  沼の底から あぶくが出ていた
アンジュ「きっと溺れたんだ・・・」
アンジュ「ゴメンね 私が目を離したばかりに!!」
  その時
ヘンテコ「ゲップ」
アンジュ「ヘンテコ」
アンジュ「これ 食べちゃったの?」
アンジュ「ダメよ ゲップが止まらなくなる ゲップ茸よ」
アンジュ「バカな子!!」
アンジュ「でも よかった・・・」
天使「いいえ 笑い事じゃないわ」
天使「ゲップ茸は 人間には猛毒よ」
アンジュ「え!?」
天使「可哀想に この子はまもなく死ぬでしょう」
アンジュ「そんな・・・ 何とかしてよ!」
天使「アラ? 命を奪うのでしょ?」
天使「悪魔になりたいのよね? だったら始末できるハズ」
アンジュ「そうだよ・・・悪魔に こんなやつ・・・殺してやる」
アンジュ「バカ! お前 死ぬんだよ もうすぐ毒が回って」
ヘンテコ「アハハハ」
アンジュ「ほんとバカ!! 自分のゲップで笑ったりして」
アンジュ「見てないで 助けてよ!! あんた それでも天使なの!?」
アンジュ「天使なら救えるでしょ」
天使「いいえ それは無理」
天使「天命には逆らえません ここで死ぬなら  それが この子の天命です」
アンジュ「嘘だろ・・・」
天使「人間は我々と違って 寿命の短い生き物なのです」
アンジュ「またゲップ いや違う 泡ふいてる」
アンジュ「ああ!! 白目をむいてる ヘンテコ ヘンテコ!!」
天使「これも定め」
アンジュ「嫌だ嫌だ嫌だ!! 何が定めだ!!!!」
アンジュ「試験だろ? 下らない試験 不合格で良いから この子を助けて!!」
天使「いいえ 試験なんかしてません」
アンジュ「チクショー 何が天使だ お前ら死神じゃないか」
アンジュ「悪魔よりもアクマだよ!!」
アンジュ「天使なんかクソくらえだ」
アンジュ「パパン!?」
アンジュ「パパン助けて!!」
パパン「お前はウチの子じゃない」
パパン「お前は 俺たちとは違うんだ」
アンジュ「私は悪魔・・・悪魔の子だよ」
パパン「出て行け 二度とこの森に近寄るな」
アンジュ「パパン」
  悪魔は飛び去った
アンジュ「パパン パパン」
  突っ伏して泣き伏すアンジュ
アンジュ「・・・・・・」
  天使が微笑んでいた
  冷たい笑顔で
  後編へ続く

次のエピソード:悪魔の子 後編

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