悪魔の子

尾長イルカ

悪魔の子 後編(脚本)

悪魔の子

尾長イルカ

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〇幻想空間
天使見習い「『天使試験』に落ちたら 悪魔になる?」
神「そうニャー」
天使見習い「人知れず森に住むのか・・・ 惨めだなぁ」
天使見習い「でも 命を見捨てるなんて・・・」
神「天命ニャー」
天使見習い「逆らったら?」
神「落第ニャー 悪魔ニャー」
天使見習い「やさし過ぎて 天使でいられない そんなバカな!?」
神「神を信じられんニャー?」
天使見習い「悪魔は悪魔ですよ アイツらに心は無い」

〇西洋風の部屋
パパン「・・・・・・」
ママン「暗い部屋で 何をブツブツ言ってるの?」
パパン「天使は 天界にいた方が幸せだ そうだろ?」
ママン「そんなの 当たり前じゃない」
ママン「何で当然のことを 今更ブツブツ・・・」
パパン「あの子は天界が幸せなんだ そうだ きっとそうだ・・・」
ママン「イライラするわね 当たり前のこと 言わないで!!」
パパン「俺たちより 天使と居た方が あの子にとっては・・・ 絶対 絶対 だよな!?」
ママン「なんで 解り切ったことばかり言うの」
パパン「天使は やはり天界に・・・」
「・・・・・・・・・」
パパン「あの子は・・・やはり天界に──」
「いるべきじゃない!!」
「私たちの子だから」

〇空
パパン「絶対 取り返す!!」
ママン「私たちの子 悪魔の子を!!」

〇雲の上
大天使「悪魔を捕まえたか?」
天使A「二匹とも捕まえました」
大天使「ふらちな奴らだ 処罰しよう」
パパン「我々を どうする気だ?」
大天使「偉そうな口を利くな 落ちこぼれが」
大天使「『天使試験』に落ちて  天使になれなかった落伍者め」
パパン「命を見捨てることはできん!」
ママン「ワザと人間に 短い命を与えるなんて!」
大天使「人間を長生きさせてはならない 神を恐れなくなる」
大天使「うぬぼれぬよう 短い生涯を与えておくのだ」
大天使「虫けらと 変わらぬ命 どちらも 一瞬に生きている 全ては天命なのだ」
パパン「うぬぼれてるのは アンタ達だろう!!」
大天使「見せしめだ 新人天使に処罰させよう」
大天使「そろそろ起きる頃だ」
  そこに 光輝く天使が
  真白な羽を広げる
パパン「おおおお!」
ママン「アンジュ!!」
  マントの下に 白い羽を畳む
大天使「始末しろ 悪魔を!!」
ママン「アンジュ! ママンよ」
パパン「いや あの目を見ろ」
ママン「瞳に光がない・・・ 凍りついた湖のような目」
パパン「あの子の目には 俺たちは映っていない」

〇黒
  杭に縛られた悪魔たちに
  火が放たれた
パパン「ムムム!」
ママン「あつい あつい!」
  熱さにもがく悪魔たち
ママン「🎵狂え 良い子よ~ 生き血 飲みほ~す」
ママン「🎵生まれしことを~ 悔やむ月日よ~ ゴホゴホ💦」
  だが アンジュの瞳に光は戻らない
アンジュ「陳腐な唄 悪魔ってレベル低いのね」
ママン「・・・・・・」
パパン「ママンを悲しませるな!!」
アンジュ「悪魔よ これも天命だ 受け入れよ」
パパン「その通り 天命だ」
ママン「パパン?」
パパン「嬉しいじゃないか」
パパン「これで アンジュが天使になれるなら」
ママン「つまりこれは『天使試験』?」
パパン「分からない・・・けれど」
ママン「我が子の役に立てるなら」
「今ほど悪魔であることが 幸せだと思ったことはない!!」
  手を伸ばそうとする悪魔たち
  だが縛られて 手は伸ばせない
  目をかわす パパンとママン
  静かに微笑んだ

〇雲の上
大天使「慈悲だ ひと思いに」
アンジュ「はい」
  アンジュが剣を身構えた
アンジュ「Exorcizamus te omnis immundus spiritus(全ての悪霊を祓う)」
  振り返ると そこに
  赤ん坊を抱いた天使が
天使「この子は無事よ 約束通り解毒した」
ヘンテコ「ゲップ」
ヘンテコ「キャッキャッキャッ」
アンジュ「ヘンテコ」
  赤ん坊を抱きしめた
天使A「何をしている 早く悪魔退治を」
天使A「ウッ」
ママン「瞳に光が!!」
大天使「狂ったか?」
天使B「捕まえろ!」
天使B「あぶない」
大天使「おのれ!」
天使「よちよち あなたも闘う?」
ヘンテコ「ダアダアダア!」
  ゲップ茸を投げつける赤ん坊
「んがちゅちゅ」
「ゲップ ゲップ」
大天使「この茸 なんだか臭いぞ?」
天使B「オムツから出してます!」
「ウエーッ ペッペツ💦」
天使「オムツに一杯隠してたみたいなの ごめんねww」
天使「カワイイ子には 逆らえないもん」
ヘンテコ「アハハハハハ」
「罰当たり!!」
  その隙に アンジュは両親を助け出す
アンジュ「ごめんね パパン ママン」
「アンジュ」
  逃げ出す親子
大天使「戻れ! さもないと悪魔になるぞ」
アンジュ「ありがたい これで悪魔になれる!!」
大天使「落第だ エリートになれない落ちこぼれ!!」
アンジュ「そうじゃない」
アンジュ「『悪魔試験』の合格者だ」
アンジュ「アア! 羽が変わる 黒くて赤い 美しい羽に!!」
  ヘンテコを抱え 飛び立つアンジュ
  黒い羽を広げ 悠々と飛び去る悪魔たち

〇可愛らしいホテルの一室
パパン「疲れて 寝ているな」
パパン「だけど・・・」
パパン「これで良かったのかな? 親として これで・・・」
ママン「この子の親として 私たち合格だと思う」
パパン「やはりウチの子だ」
パパン「13年前 森で拾った時もそう思った」
ママン「そういえば ヘンテコちゃんは?」

〇森の中の小屋
神「調査終了 気が済んだかニャー?」
天使見習い「赤ん坊って 不自由なものですねぇ やっと元に戻れる」
天使見習い「「やさし過ぎては 天使でいられない」 よく分かりました」
神「お前は来年 どちらを受けるニャー? 『天使試験』それとも『悪魔試験』?」
天使見習い「そうですねぇ」
天使見習い「それは・・・」
  見習いは 意味深に笑った

コメント

  • 前編ではヘンテコちゃんの容体が気がかりで心配でしたが、なるほど試験の一環でしたか!✨
    翼のスチル、天使と悪魔どちらのバージョンもカッコよかったです😆
    ゲップ茸を大天使達の口に投げ込むスチルも最高でした🤣
    神様が猫…癒されますねぇ🐾

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