コンカフェ嬢の流儀1.5〜異世界から、もえもえてん〜

ぽんたろう

第7話『過去の因縁』(脚本)

コンカフェ嬢の流儀1.5〜異世界から、もえもえてん〜

ぽんたろう

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〇闇の要塞
???「・・・・・・」

〇豪華な社長室
星川天海「・・・・・・」
星川天海「はっ!?」
星川天海「夢か」
星川天海「うたた寝をするから あの夢を見てしまったんだな」
星川天海「まだあの頃を忘れられていないか」

〇メイド喫茶
月「ふふーん♪」
マイマイ「月ちゃん、どうしたの? 今日はとってもご機嫌だね」
月「はい!」
月「今日はおじいちゃんが お店に来てくれるんです」
マイマイ「そうなんだ、良かったね!」
マイマイ(他のご主人様たち 恐縮しなければいいけど)
星川天海「陽奈ちゃーん」
星川天海「遊びに来たよ」
月「おかえりなさいませ ご主人様」
マイマイ「おかえりなさいませ」
星川天海「いつ来ても素敵なお店だね」
月「ありがとう」
月「お飲み物は何にしますか?」
星川天海「じゃあ、ビールを貰おうかな」
月「かしこまりました」
マイマイ「私が持ってくるから おじい様とお話ししてていいよ」
月「ありがとうございます」
星川天海「なんて、気の利く子なんだ」
月「自慢の先輩なの」
星川天海「よーし、日頃のお礼に キャストさんたちにキャスドリ入れちゃおう」
月「わーい きっとみんな喜ぶよ」

〇闇の要塞
ファラ「確か、ここがミソラが教えてくれた 異世界と繋がっている場所」
ファラ「懐かしいなぁ」
ファラ「少しでも望みがあるなら あの人に会いたい」

〇メイド喫茶
月「それで、最近、面白いご主人様たちが たくさん来てくれるから毎日楽しいよ」
星川天海「そうなんだ 良かったねー」
ファラ「こんにちは」
月「おかえりなさいませ お嬢様」
ファラ「あっ!」
星川天海「えっ? 君は?」
月「ん? どうしたんですか?」
ファラ「・・・・・・失礼」

〇闇の要塞
ファラ「思わず、出てきちゃったけど どうして、あの人がいるの!?」
ファラ「大分歳取っちゃったけど 面影は残ってる」

〇メイド喫茶
月「おじいちゃん、さっきの人の知り合い?」
月「おじいちゃんの顔を見て驚いてたよ」
月「あの人、多分異世界の人だから そんなわけないよね?」
星川天海「50年ぶりか」
月「えっ?」

〇森の中
星川天海「・・・・・・」
  ワシがまだ傭兵として戦っていた頃
  戦場で敵の集中攻撃を受け
  気がつくと見たことのない世界にいた
ファラ「あのー、大丈夫ですか?」
星川天海「ここは!?」
ファラ「ここは、エルフの里です といっても、今は私1人なんですけどね」
星川天海「『エルフの里』?」
星川天海「俺は◯◯◯◯にいたはずだ」
星川天海「そういえば、傷が無い 俺は確か、敵から瀕死になるほどの 攻撃を受けたはずだ」
ファラ「そうですね」
星川天海「君が介抱してくれたのか? ありがとう」
ファラ「はい。私、回復魔法は得意なんですよ」
星川天海「魔法・・・・・・まさか、異世界?」
星川天海「だが、俺の瀕死の傷が 魔法で治ったと考えれば説明が付く」
ファラ「異世界? やっぱり、違う世界から来たんだ」
ファラ「じゃあ、あなたが?」
星川天海「『あなたが?』? どういうことだ?」
ファラ「私があなたをこの世界に呼び寄せたの」
ファラ「勇者様」
  それが彼女との最初の出会いだった

〇荒廃した市街地
  どうやら、話を聞けば
  この世界は魔王と人間が争い
  人間側は劣勢に立たされていた
  エルフ族は人間側として戦っていたが
  エルフの里にも魔の手が迫り
  エルフたちは散り散りになったらしい

〇崩壊した噴水広場
  そこで、彼女はこの事態を打開するため
  異世界から勇者に相応しい者を呼び寄せた
  それが、戦場で戦っていたワシだった

〇森の中
ファラ「どうか、お願いします」
ファラ「この世界を救ってください」
星川天海「・・・・・・」
ファラ「ダメですか?」
星川天海「まだ命を救ってもらった 礼を済ませていないな」
星川天海「俺に出来ることなら引き受けよう」
ファラ「ありがとう」

〇岩山
ファラ「お願いだから、私を連れて行って」
星川天海「ダメだ もうすぐ魔王の城だ」
ファラ「ここまで一緒に来たじゃない」
星川天海「君のサポートは助かってる」
星川天海「だが、これ以上は足手まといだ」
ファラ「ひどい」
ファラ「テンカイのバカ!」
星川天海「これでいい これ以上、仲間を失うのは嫌なんだ」
  ・・・・・・
ファラ「こっそり付いていけば、ばれないよね」

〇闇の要塞
星川天海「ここが、魔王の城か」
  ワシはファラとの約束を守るため
  魔王の手下たちと死闘を繰り広げ
  ついに魔王城へ辿り着いた
当時四天王ゴトー「ここまで来るとは 何者か知らぬが大したものだ」
当時四天王ゴトー「しかし、貴様の最期だ」
当日四天王サトー「あなたが倒してきたムトー、カトーは 四天王の中でも最弱」
当時四天王ゴトー「貴様は我々には勝てん」
当時四天王ゴトー「痛っ!」
当日四天王サトー「まだ話してる途中じゃない!」
星川天海「あ、すまん」
当時四天王ゴトー「まあ、いい 我々2人を相手に勝てるかな」
当日四天王サトー「見せてやるわ、私たちの連携・・・・・・」
当時四天王ゴトー「だから、人の話を聞けよ!」
当日四天王サトー「そうよ! 大体こういう時、連携技出すの待つでしょ!」
当時四天王ゴトー「ちょ、ちょ! 待て!」
当日四天王サトー「そうよ!」
星川天海「さっきから何なんだよ」
当日四天王サトー「あんた、頭おかしいの!?」
当時四天王ゴトー「お前な、話聞いてるか?」
当時四天王ゴトー「まずは押し問答というのがあるだろ?」
当日四天王サトー「情緒を大事にしなさいよ!」
星川天海「言ってる意味が分からない」
当時四天王ゴトー「まあ、そうなんだけどさ」
当日四天王サトー「私たちもここまで来た人間初めてだから 少しテンション高いのよ」
星川天海「そんなこと知らんよ」
当時四天王ゴトー「とりあえず、仕切り直しだ!」
当日四天王サトー「さあ、私たちの連携技を味わいなさい!」
星川天海「はあ、めんどくさ」

〇魔界
星川天海「よく分からん連中に絡まれて 手間取ったがここが最深部か」
魔王「よくぞ、ここまで来た」
魔王(来るペース早くね)

〇闇の要塞
当時四天王ゴトー「ワシたち、弱かったんだな」
当日四天王サトー「私、もう四天王辞めるわ」
当時四天王ゴトー「同じく」

〇魔界
魔王「仕方ない、私が相手しよう」
魔王「いたっ!」
魔王「いきなり、攻撃すんな! この脳筋が!」
星川天海「あ、すまん」
魔王「野蛮過ぎるぞ」
魔王「まずは様式美があるだろう」
星川天海「様式美?」
魔王「私を倒しに来たんだろ?」
魔王「ほら、何か言うことあるだろ」
魔王「そういう意味じゃなくて!」
魔王「誰が武器で語れと言った!」
星川天海「お前を必ず倒す」
魔王「順番が違う! 普通、そのセリフを吐いてから攻撃だ!」
魔王「それ聞いたら 『あっ、攻撃が来るんだな』って 準備できるだろ?」
星川天海「間違えた」
魔王「さては、こいつ、サイコパスだな」
魔王「もういい 気を取り直して勝負だ」
星川天海「その方がありがたい」
魔王「何で楽しそうなんだよ!」
魔王「このサイコパスが!」
星川天海「さて、やるぞ」
魔王「その前に君に一つ提案があるんだ」
星川天海「なんだ?」
魔王「その武器禁止、素手で勝負しよう」
星川天海「はあ?」
魔王「それ、さっきから痛いんだよ」
星川天海「それだとお前が有利では?」
魔王「約定(やくじょう)を結ぼう」
魔王「私は魔法を使わない」
星川天海「いや、俺は武器使いたいから そっち魔法使ってもいいぞ」
魔王「だまらっしゃい!」
星川天海「だが、その程度のアドバンテージでは 俺にメリットがないな」
魔王「そこで、もう一つ、約束しよう」
星川天海「約束?」
魔王「君が勝てば 我々はこの争いから手を引き ”この世界の人間”には一切手を出さない」
星川天海「悪くないな、乗った」
星川天海「だが、本当に守るんだろうな?」
魔王「これに署名しよう」
魔王「ここに結んだ約定の効力は 魔王であっても破ることは出来ない」
魔王「破った場合、我々は消滅する」
星川天海「分かった」
魔王「では、さっそく勝負しよう」
星川天海「武器も置いた」
魔王「では、尋常に」
魔王(生身の人間では 魔族最強の私には勝てん 身体能力が違うのだ)
魔王「ちょ!」
星川天海「なんだ?」
魔王「ちょ、ちょっと待て」
星川天海「だから、なんだ?」
魔王「お前のデタラメな強さは何だ?」
星川天海「子供の頃から 父から武術を教わっていたからな」
魔王「だから、やめろ!」
魔王「なんで、さり気なく トドメ刺そうとしてるんだ」
星川天海「あ、いや、チャンスだったから」
魔王「そういうところが怖いんだよ! 普通、ためらうだろ!」
星川天海「いちいちうるさいな」
魔王(だが、こいつ、マジで強い 完全に私より強い そして、頭がおかしい)
魔王「仕方ない、最後の手段だ」
魔王「さあ、これならどうだ?」
星川天海「ファラ!」
魔王「人質だ」
ファラ「ごめんなさい テンカイ やはり、あなたが心配で付いてきたら 捕まっちゃった」
魔王「魔法は使わないが人質を使わないとは 言ってないからな」
魔王「この女に酷いことをされたくなければ 大人しく・・・・・・」
星川天海「許さんぞ」
魔王「・・・・・・えっ?」
ファラ「強っ・・・・・・」
星川天海「ファラ、怪我はないか?」
ファラ「う、うん」
星川天海「終わったな」
ファラ「あ、うん」
ファラ「魔王が手も足も出なかった」
星川天海「帰ろうか」
ファラ「う、うん」
ファラ「全くカタルシスがないじゃない」

〇森の中
ファラ「あなたのお陰で、世界は平和になったわ」
ファラ「でも、本当に帰っちゃうの?」
星川天海「ああ、俺を待ってる人がいる」
ファラ「そっか」
星川天海「世話になった」
ファラ「私も付いていっちゃおうかな」
星川天海「えっ!?」
ファラ「なーんてね」
ファラ「冗談よ冗談」
星川天海「そうか」
ファラ「ちょっとは本気だったんだけどな」
ファラ(来いって言ってくれてたらなぁ)
星川天海「何か言ったか?」
ファラ「何でもない」
ファラ「じゃあ、送ってあげるね」
星川天海「頼む」
ファラ「じゃあ、目瞑って」
星川天海「あ、ああ」

〇黒
「・・・・・・」

〇森の中
星川天海「今なんかしたか!?」
ファラ「さあねー」
ファラ「じゃあ、改めて」
ファラ「&'dなa6なj」
ファラ「またね」

〇メイド喫茶
月「おじいちゃん そんな甘い話、初めて聞いたよ」
星川天海「どうせ言っても信じないだろうと思ってな」
ファラ「ごめん、思わず逃げちゃって」
星川天海「久しぶりだな ファラ」
ファラ「名前覚えていてくれたんだ」
星川天海「当然だ」
ファラ「でも、本当にまた会えるなんてね」
星川天海「君は変わらないな」
ファラ「あなただけ老けちゃったね」
星川天海「ああ 君は相変わらず美しい」
ファラ「まったくもう〜」
星川天海「そうだ、ちょうどいい 君に紹介したい子がいるんだ」
ファラ「何?」
星川天海「この隣にいる子が ワシの孫の『星川陽奈』だ」
星川天海「天使のようにかわいいだろ?」
月「どうも、はじめまして 祖父が大変お世話になりました」
月(おじいちゃん、挨拶しづらいよ この人、どう見ても・・・・・・)
ファラ「・・・・・・ん?」
ファラ「今、何つった?」
星川天海「孫」
ファラ「えっーーーーー!?」
星川天海「ん!?」
月「ですよねー」
ファラ「結婚だけなら、まだしも孫までいるの!?」
星川天海「あ、うん ワシ、あのときフィアンセいたし」
ファラ「そんなこと一言も言ってなかったじゃない」
星川天海「聞かれてないし」
ファラ「私はあなたを一途に想い続けて ずっと待ってたのよ!」
月「一途過ぎて泣ける」
星川天海「ごめん」
ファラ「このバカああああああ」
ファラ「私の初めてのアレを返してよ!」
星川天海「『アレ』?」
月「おじいちゃんが、予想以上に鈍感だった」
月「孫として何かすみません」
  この後、無事仲直りを果たし
  2人は50年ぶりの再会を楽しむのだった
  そして、ファラは
  ふれてんの常連になってくれた

〇メイド喫茶
  次回予告
  祖父『天海』の思わぬ過去に
  まったく出番のなかった月
  人には色々な過去があるんだなと
  改めて実感するのだった
  次回『街に行こう』
月「誰しも甘酸っぱい思い出があるものです」
月「皆さんにもありますか?」
月「次回も、もえもえてん!」

次のエピソード:第8話『街に行こう』

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