第四話 相合傘(脚本)
〇特別教室
そんなかんやで晴れて生徒会長に選ばれた俺と書記となった日和は週一で会議を開いてる
佐藤日和(ああぁ、また雨か~幸太郎が告ってくれないなら書記辞めちゃおうかな~)
薗田幸太郎(今度こそは日和に告るぞ)
佐藤日和(黒板に相合傘が二つ?)
二つの相合傘に一方は園田幸太郎、もう一方は日和の名前が書かれてある
薗田幸太郎「これでよしと」
佐藤日和(何なの一体)
薗田幸太郎「お互い好きな人の名前を書くゲームしようぜ」
佐藤日和(か、書ける訳ないでしょ薗田幸太郎なんて)
薗田幸太郎「若葉と俺の前の事まだ気にしてるのか」
佐藤日和「べ、別にだってあれは演技なんでしょ」
薗田幸太郎(そう、だから浮気じゃねぇって)
薗田幸太郎「もちろんさ、だから前のように幸太郎でいいよ」
佐藤日和(全く、それならなんで告らないのよ男でしょ)
佐藤日和「お断りします幸太郎」
薗田幸太郎「えっ、何で」
佐藤日和(何で書記に付き合ってると思ってんのよ、察しなさいよ)
薗田幸太郎(告る為にこのゲームを考えたんだぜ)
薗田幸太郎「し、しかしだなぁ」
若葉「ひゃぁー酷い土砂降りだね今日は」
若葉「幸太郎、タオル!?」
薗田幸太郎「確か・・・あったぜ、ほれ」
俺は鞄からタオルを出し若菜に渡した
若葉「サンキュ」
若菜は俺のタオルを受け取るとタオルに鼻を近づけた
若葉「あっ、幸太郎の匂い・・・」
佐藤日和(キモ!!)
薗田幸太郎(しまった、体育の授業で汗を拭いたタオルだった)
佐藤日和「ハンケチで良ければ私ので・・・」
若菜がハンケチを差し出す間もなく若菜は俺のタオルで濡れた顔や髪、ブラウスなどを拭いていた
若葉「有難う、でもこれで拭いちゃったから」
薗田幸太郎「返さなくていいからタオル」
若葉「返すわよ。私の匂いと幸太郎の体臭が入り混じったタオル・・・宝物にしてね」
佐藤日和(マーキングじゃぁあるまいし)
佐藤日和「洗濯しておくわねタオル」
薗田幸太郎「お、おお有難うな日和」
若葉「チョット何すんのよ。書記でしょ。あんた」
佐藤日和(私と幸太郎はこういう仲なの! わかった?)
佐藤日和「燃やさないだけマシでしょ」
薗田幸太郎「まぁまぁ、二人共・・・ところで若菜生徒会に何しに?」
若葉「舞台の活動費早く出してよね」
佐藤日和「まだ舞台内容を把握してませんので役者をそろえて生徒会に見せてくれませんか」
若葉「あれ、黒板に相合傘が」
薗田幸太郎「あっ、これは暇つぶしのゲームでさ」
若葉「ふ~ん」
突然黒板に駆け寄った若菜は幸太郎の相合傘の隣に自分の名前を書き込んだ
薗田幸太郎「な、何をするんだ」
若葉「いいじゃんゲームなんでしょ」
黒板に駆け寄ると日和は若菜の名前を消した
佐藤日和「冗談は、止めて下さい」
薗田幸太郎「まぁまぁ日和ゲームだからゲーム」
佐藤日和「それじゃぁ、私の横に誰の名前が来るのかしら?生徒会長」
若葉「チョット待って!!」
黒板の前に駆け寄ると若菜は自分の名前が入ったもう一つの相合傘を描いた
若葉「どっちを選ぶの?」
薗田幸太郎「幼馴染なんだからみっともない真似は・・・」
若葉「私と書記二股かける気なの」
薗田幸太郎「イヤ、そう言う事ではなくさ~」
突然日和は黒板に駆け寄り幸太郎の相合傘の横に自分の名前を書き込んだ
佐藤日和「バカ」
薗田幸太郎「あっ、日和」
薗田幸太郎「日和、待って・・・」
コナー「女の子が出て行ったけど・・・」
若葉「あっ、コナー舞台は?」
コナー「あぁ、バッチリ君が来るのを皆待ってるよ」
若葉「判ったわ行こうコナー」
薗田幸太郎「日和のやつ、傘忘れて」
〇教室の外
薗田幸太郎(日和の奴、ずぶぬれで風邪をひきゃぁしないか)
薗田幸太郎(雷まで)
薗田幸太郎「日和~何処にいるんだ~」
薗田幸太郎(もっとちゃんと告れば良かった・・・そうすれば誤解を生まなくて)
〇一軒家の玄関扉
母親「は~い」
母親「あら、幸太郎君じゃない、びしょ濡れでどうしたの?一体」
薗田幸太郎「日和さんはもう戻られました?おばさん」
母親「まだだけど、どうしたの」
薗田幸太郎「そうですか。有難うございます」
母親「あっ、傘持って行きなさい」