第三話 告って貰うって大変(脚本)
〇可愛い部屋
佐藤日和(私の一人合点だったのね幸太郎は私より若菜の方が好きなんだわ、きっと)
お母さん「夕飯のおかず買いに行って来てくれる日和」
佐藤日和「夕飯、食べたくない」
佐藤日和(私だって幸太郎に告って貰おうとさんざん努力したのよ)
〇教室の教壇
先生「皆静かに、今日転校してきた人を紹介します」
薗田幸太郎「薗田幸太郎です」
佐藤日和(カッコいい!! 素敵)
佐藤日和(いけないわ、廻りの目を気にする私としては廻りに私が好きと言う事が絶対にバレないようにしなきゃ)
先生「じゃぁ幸太郎君の席は・・・そうだ日和さんの隣に座ってくれ」
佐藤日和(ヤッター、チャンス)
佐藤日和「初めまして日和です。よろしくね園田君」
薗田幸太郎「幸太郎でいいから、よろしくな。そうだ居眠りしてたら起こしてくれ頼む」
佐藤日和「いいわよ、そうだお互いに教科書忘れたら席をくっつけない?幸ちゃん」
薗田幸太郎(こ、幸ちゃん!? マジ近すぎるわコイツ)
薗田幸太郎「俺、前の学校で生徒会長してたんだわ」
佐藤日和「凄いですね。尊敬します幸ちゃん」
薗田幸太郎「だから「幸ちゃん」は止めてよ」
先生「あっ、そうだ今度の生徒会長選挙、立候補する奴いるか?」
佐藤日和「先生、薗田君が適任だと思います」
先生「何でだ日和」
佐藤日和「薗田君は前の学校で生徒会長をしてたそうですから」
先生「じゃぁこのクラスは薗田で決まりでいいな薗田」
薗田幸太郎(つまんねぇ、せめて日和と楽しく・・・そうだ)
薗田幸太郎「立候補だけなら・・・しかし条件が」
先生「ん、その条件とはなんだとは何だ」
薗田幸太郎「日和さんが書記に立候補してくれればお受けします」
佐藤日和(えーっ)
先生「じゃぁそう言う事で、あとはよろしくな二人共」
薗田幸太郎(ヤッター、これで日和とデートする口実が出来たぜ)
佐藤日和(まぁ、考えて見れば、これで幸太郎と二人で喋る事が増えるわけだし・・・)
女子生徒「そう言えば日和、髪の毛伸びたんじゃない」
佐藤日和「少し髪伸びたかな、幸太郎はどう思う?」
そう言うと日和は耳元の髪をかき上げた
薗田幸太郎(花の香りがする日和はこんなシャンプーを使ってるのか、たまんねぇー)
薗田幸太郎「俺は判らねえ、他の女の子に聞けば?」
佐藤日和(もう、耳元の髪をかき上げるって男子がグッとくる仕草でしょ男性雑誌通り反応してよ)
薗田幸太郎(日和は何で怒ってんだよ)
佐藤日和「鬱陶しいから結ぼうかなぁ」
そう言うと日和は後ろ髪を束ね始めた
薗田幸太郎(色っぽかっいじゃん・・・マズイ頭を冷やさなくちゃ)
薗田幸太郎「飲み物買って来るな」
佐藤日和(今出て行くのか?普段髪を下ろしてる女子が髪を結ぶのはグッとくるところでしょお決まり通り行動してよ幸太郎)
女の子「カワイイ、髪の毛ちゃんと結べてるわよ」
佐藤日和「有難う」
佐藤日和(女の子に見せてどうすんの。幸太郎に見てもらいたいのよ私)
佐藤日和「あっ、戻って来た」
薗田幸太郎(折角頭冷やしてきたのに、まだ怒ってる)
薗田幸太郎「飲み物買って来たから」
佐藤日和「有難う。ねっ、髪の毛どう?」
薗田幸太郎「あぁ、いいんじゃねぇ」
佐藤日和(素っ気ないなぁそんなに私に興味ないのかしら?・・・ファイト日和)
佐藤日和「もう知らない」
薗田幸太郎「ん、まぁどうって言われても日和が良ければいいんじゃない」
佐藤日和(何よチョットは興味持ってよね~)
薗田幸太郎(日和の色っぽさに目が釘付けでヤバいんだって)
こうして私の幸せな時間が過ぎて行った
佐藤日和「さぁてと帰ろうっと」
佐藤日和(ここは何としても交際のきっかけを・・・)
佐藤日和「一緒に帰らない幸太郎」
薗田幸太郎「どうして?」
佐藤日和「だって、薗田君と生徒会を一緒にするから薗田君の事もっと知りたいし・・・」
男子生徒「ヒュー、ヒュー早速デートかよ。お熱いねお二人さん」
佐藤日和「そ、そんなんじゃァないから・・・そんな目で見られるなら止める」
薗田幸太郎「デートではない証拠に皆で帰るか?」
女子生徒「アンタ達なに人の恋路を邪魔してんのよ彼女にチクるからね」
男子生徒「べ、別に邪魔してる訳じゃぁ・・・」
薗田幸太郎「良かったこれで打ち合わせが出来ますね日和さん一緒に帰りましょ」
〇アーケード商店街
佐藤日和「でね、この前宏美とその大食い店で挑戦した訳、山盛りラーメンでもやしの量の半端なくて・・・」
佐藤日和(あれ、全然乗ってこない。この話興味ないか?)
薗田幸太郎「日和は美味しかった?」
佐藤日和「もう最高だった。幸太郎も食べに行こうよ・・・なんちゃって」
薗田幸太郎「うん、何時にする?」
佐藤日和(えっ、今なんて言ったの)
佐藤日和(何か言わなきゃ、・・・心臓飛び出しそう 無理なにも返せない)
薗田幸太郎(カワイイな日和)
あの時、幸太郎は私の手を初めて握ってくれたんだ。心臓が止まるほど嬉しかったな
佐藤日和(嘘、ナニコレ、えっ、どうしよう私)
男子同級生「お~い日和、ヤッパ薗田とデートしてんじゃん」
その声で私は我に返り幸太郎と別れて急いで家に帰った
〇教室の教壇
佐藤日和「お早う~」
女子高生「珍しく遅刻じゃん、どうしたの?」
佐藤日和「えへへ・・・」
男子学生「昨日薗田とデートしたろう」
佐藤日和(はっ? おいおいチョットなんて事を言い出すの)
男子学生「だって昨日二人で帰るの見たんだぜ俺、手を繋いでさデートだよな日和」
佐藤日和(今は告られる前の一番微妙な時なんだから、不用意にいじらないでくれる・・・私はマジ告られたいんだから幸太郎から)
佐藤日和「デートだなんて、そ、そんな訳ないじゃん」
薗田幸太郎「寝坊しちまった」
佐藤日和(最悪、なんて事を言ってしまったの私。ち、違うの幸太郎、廻りにバレたくないから私つい・・・みんなのいる前で)
佐藤日和(早く、誤解を解かなきゃ)
薗田幸太郎「昨日の事忘れてくれ・・・ごめんな」
佐藤日和(えっ!?どういう事?手を握った事をなしにするって事なの?)
佐藤日和「えーっ、何の事かしら? 書記を辞めろって」
佐藤日和(ここはとぼけないと)
薗田幸太郎「いや、辞めろもなにも・・・まだ当選した訳じゃぁないだろ」
佐藤日和「ひ、酷いわ薗田君、書記に誘っておいて」
薗田幸太郎「あ・・・あぁそれで意見の食い違いが生じて辞めるって日和さんが」
薗田幸太郎(ま、マズイ折角日和と二人で喋るよう生徒会に引き釣り込んでるのに)
男子生徒「早くも痴話げんかかよお二人さん」
薗田幸太郎「そんなんじゃぁねぇよ」
薗田幸太郎「と、兎に角もう一度話し合わないか・・・」
佐藤日和「わかったわ。帰りに園田君の奢りでたこ焼きね」
薗田幸太郎「ウン」
佐藤日和(ヤッターデート)
これが幸太郎とのお付き合いの始まりだったんだけど・・・
〇アパートのダイニング
私は家に戻り握られた手をにやけながら眺めていた
佐藤日和(手・・・繋いじゃった。しかも幸太郎君から・・・ヤバイやばい)
母親「あら、日和帰ってたの? 丁度良かった夕飯もう直ぐだから手を洗ってね」
佐藤日和「手、洗わない・・・もったいないから」
母親「何言ってるの!汚い手で食事する気?」
佐藤日和(幸太郎と握った手、洗うなんてとんでもないわ)
その晩は、興奮して一睡もできなかった