第5話『到着』(脚本)
〇けもの道
ユーリ「ここを抜ければエルフの里だ」
いのうえ「意外と何もないところなんですね」
村田「楽しみです」
〇山間の集落
ユーリ「あったぞ」
いのうえ「ここがエルフの里ですか」
村田「本当にあったんですね」
山田「家がたくさんある」
石井「早くエルフをこの目で見たいな」
〇レンガ造りの家
ユーリ「ここだ」
ユーリ「手紙に書かれていた住所は」
伊藤「意外とモダンな佇まいですね」
上杉「さあ、謝罪に行くわよ」
ユーリ「すみませーん」
「はーい」
「どなたですか?」
ユーリ「お手紙をいただき はじまりの村から来ました」
リーリン「まさか、同人誌を作ってらっしゃる方々!?」
上杉「そうでーす」
リーリン「ついに来てくれたんですね」
ユーリ(ガチなやつだ)
上杉(笑えないやつね)
リーリン「家の中へどうぞ」
〇豪華な部屋
ユーリ「では、まずは改めて お話をおうかがいしたいです」
リーリン「はい」
リーリン「あれは1年ほど前」
〇けもの道
〇山間の集落
アストピア「よし、今日も里は平和ね」
娘は活発で毎日里中を走り回り
弓や剣の稽古に励むほど情熱的でした。
〇豪華な部屋
アストピア「母さん」
アストピア「いつか私も里の外へ冒険に出ていいかな?」
リーリン「もちろんよ」
リーリン「きっと世界が変わるはずよ」
リーリン「そのためにも毎日の鍛錬に励むのよ」
アストピア「うん!」
好奇心旺盛で
冒険に出ることを夢見てました
〇山間の集落
しかし、悪夢は突然やってきたのです
行商人シーファ「久しぶりの里帰りだ」
行商人シーファ「仕入れたものを安く売ろう」
〇レンガ造りの家
「えい!」
アストピア「今日もいい調子」
アストピア「もっと頑張って 冒険に出れるぐらいの実力を付けないとね」
「久しぶり」
アストピア「えっ?」
行商人シーファ「アストピア、相変わらず頑張ってるわね」
アストピア「あ、シーファお姉ちゃん」
アストピア「帰ってきたんだ」
行商人シーファ「まあね」
アストピア「里の外に行けて羨ましいなぁ」
行商人シーファ「そっか、あなたはまだ出れないんだっけ」
アストピア「うん」
アストピア「早く出たいんだけど 一人前になかなかなれなくて」
行商人シーファ「そっか」
行商人シーファ「きっとアストピアなら、すぐに里を出れるよ」
アストピア「うん。頑張るよ」
行商人シーファ「そうだ!」
行商人シーファ「良いものをあげるよ」
アストピア「いいもの?」
行商人シーファ「はい。どうぞ」
アストピア「なにこれ!?」
アストピア「可愛い絵」
行商人シーファ「同人誌って言ってね」
行商人シーファ「今王国で流行ってるんだよ」
アストピア「そうなんだ」
行商人シーファ「家に帰って読んでみなよ」
行商人シーファ「きっと楽しめるよ」
アストピア「うん! ありがとう!」
〇西洋風の部屋
アストピア「よし、今日も鍛錬頑張ったぞ」
アストピア「明日も頑張ろう」
アストピア「そういえば」
アストピア「シーファお姉ちゃんから 同人誌もらったんだっけ」
アストピア「せっかくだから読んでみよ」
〇西洋風の部屋
アストピア「こ、これは!?」
アストピア「女の子と思って読んでいたら 実は男の子?」
アストピア「いや、男の娘!?」
アストピア「ちょ、ちょっと意味分かんない」
アストピア「なんて、破廉恥なんだろ!」
アストピア「こんな不健全なものは絶対良くないよ!」
アストピア「見るのやめよ」
〇山間の集落
〇西洋風の部屋
アストピア「しゅ、しゅごい!」
アストピア「男の娘同士で恋愛出来るんだ」
「アストピア、入るよ」
行商人シーファ「早速読んでくれてるんだ」
行商人シーファ「どうだった?」
アストピア「続きは!?」
アストピア「他にないの!?」
行商人シーファ「もちろん、あるよ」
〇地下室への扉
リーリン「アストピア」
リーリン「ご飯よ」
「そこに置いといて」
〇西洋風の部屋
「一度話し合いましょう」
「まだ間に合うから」
アストピア「うるさい! 邪魔しないで!」
〇豪華な部屋
「・・・・・・」
リーリン「それ以来、娘は鍛錬を怠るようになり 部屋で一日中同人誌を読み耽っているんです」
ユーリ「本当に申し訳ございません」
リーリン「娘を、娘を返してください!」
ユーリ「こいつらの国に 『切腹』っていう一発芸があって」
ユーリ「それをこいつら全員にやらせるんで 許してもらえませんか?」
石井「母国の伝統を一発芸扱いしないでください」
石井「ていうか、我々の命軽くないですか?」
リーリン「とりあえず説得をお願いします」
ユーリ「わかりました」
リーリン「セップクはその後で」
石井「切腹はさせるんですね」
リーリン「興味あるんで」
ユーリ「エルフは好奇心旺盛だからな」
ユーリ「承知しました」
石井「切腹のノリが軽すぎる」
〇地下室への扉
山田「アストピアさん」
岩本「はじまりの村から来た者です」
山田「話だけでも聞いてもらえませんか?」
岩本「ていうか、僕たちが説得するんだね」
山田「なんか『お前らで責任取れ』らしいです」
〇西洋風の部屋
アストピア「えっ?」
アストピア「はじまりの村?」
アストピア「もしかして、作者の人たちに会えるの?」
〇地下室への扉
山田「出てきてくれますかね」
岩本「きっと大丈夫」
岩本「出てきてくれるのかな」
アストピア「こんにち・・・・・・」
アストピア「・・・・・・」
「あれ?」
〇西洋風の部屋
アストピア「何よ! 嘘つき!」
アストピア「はじまりの村の人たちなんて どこにもいないじゃない!」
〇地下室への扉
リーリン「本当にこの人たちは はじまりの村の人たちなの!」
リーリン「信じて!」
〇西洋風の部屋
アストピア「そんな石の裏に張り付いてるような人間が はじまりの村の人たちなわけないじゃない」
アストピア「バカにしないで!」
〇地下室への扉
リーリン「確かにそうかもしれないけど」
リーリン「本当なのよ」
(ひどい言われよう)
〇西洋風の部屋
アストピア「そんなわけないでしょ」
アストピア「はじまりの村の人たちは きっと・・・・・・」
〇キラキラ
想像上のはじまりの村の住人B「おほほほ、ごめんあそばせ」
想像上のはじまりの村の住人A「ご機嫌麗しゅう」
想像上のはじまりの村の住人A「今日も、男の娘の御本をお作り候」
想像上のはじまりの村の住人B「今日の受け役は 男の娘メイドがよろしくてよ」
想像上のはじまりの村の住人A「おほほほ 大変良くてよ」
想像上のはじまりの村の住人A「お調教本にしましょう」
〇西洋風の部屋
アストピア「それで私はいつかはじまりの村の人たちと 一緒に冒険に出るの」
アストピア「それで、本物の男の娘と付き合うの」
〇地下室への扉
リーリン「我が娘ながら何を言ってるのか分からない」
(もう手の施しようがないかもしれない)
〇豪華な部屋
ユーリ「あいつら、上手くやってるかな」
シャルティア「きっと大丈夫だよ」
〇地下室への扉
伊藤「とりあえず、交代してみましたけど」
上杉「出てきてくれるかしら」
リーリン「アストピア、今度は違う人が来てくれたわ」
リーリン「石の裏じゃなくて お花畑にいるような人達よ」
上杉「あいつら、ひどい言われようね その通りなんだけど」
アストピア「・・・・・・」
上杉「とりあえず出てきてくれたわね」
伊藤「こ、こんにちは」
アストピア「・・・・・・」
上杉「この沈黙は何?」
アストピア「あのー」
伊藤「話しかけてくれました」
上杉「良かった。興味持ってもらえたみたい」
アストピア「お二人は男の娘ですか?」
「えっ!?」
アストピア「どうなんですか?」
上杉「普通の女の子」
伊藤「同じく」
アストピア「・・・・・・」
上杉「また入っちゃった」
伊藤「惜しい」
リーリン「どうして、お二人は男の娘じゃないんですか」
伊藤「そんなこと言われましても」
上杉「そんな都合よく、男の娘なんて」
伊藤「近くにいるわけ」
上杉「ないわよね・・・・・・」
「あっ!」
〇豪華な部屋
ユーリ「それでさぁ」
ユーリ「あいつらだと思って話しかけたのが モンスターだったんだよ」
シャルティア「そんなことある?」
上杉「ユーリ!」
ユーリ「上杉さん、どうした?」
上杉「お願いだから、ちょっと来て」
ユーリ「ん?」
〇地下室への扉
上杉「ほら、こっちこっち」
ユーリ「なんで、俺がここに?」
ユーリ「そっちで解決するはずだろ?」
上杉「そうなんだけど、最終手段なの」
ユーリ「そういうことなら」
上杉「アストピアちゃん」
〇西洋風の部屋
「話を聞いて」
アストピア「なによ、もう話なんて聞かないわよ」
「ここに本物の男の娘がいるんだけど」
アストピア「そんな男の娘いるわけ・・・・・・」
アストピア「えっ!? 男の娘!?」
〇地下室への扉
ユーリ「こんなことで出てくるか?」
上杉「大丈夫」
ユーリ「まじで出てきたよ」
アストピア「どこ?」
アストピア「男の娘はどこ?」
上杉「目の前にいるわよ」
アストピア「あなたが男の娘?」
ユーリ「まあ、そういうことになるな」
アストピア「本当にいたんだ」
アストピア「しかも、凄い美人」
上杉「でしょ? こんな男の娘なかなかいないわよ」
アストピア「可愛いのは分かったけど」
アストピア「証拠は?」
ユーリ「証拠?」
アストピア「そう」
アストピア「だって、こんな可愛い人に」
アストピア「お◯◯◯◯が付いてるとは信じられない」
上杉「正真正銘の男の娘だから安心してよ」
アストピア「私をそうやって騙そうとしてるんだ」
アストピア「本当に男の娘だったら」
アストピア「お◯◯◯◯見せてよ」
上杉「・・・・・・」
上杉「そうね。確かに」
上杉「私も証人になってあげる」
ユーリ「なんで、上杉さんが嬉しそうなの?」
アストピア「で、どうなんですか!?」
ユーリ「えっ?」
上杉「こういうときは、無理矢理にでも 中へ連れて行って確認よ」
アストピア「ですね」
ユーリ「2人とも!?」
「誰か助けてえええ」
〇豪華な部屋
一方その頃、ユーリのフィアンセのシャルは
シャルティア「はっ!?」
伊藤「どうしました? シャルさん」
シャルティア「何か今・・・・・・」
リーリン「何か今?」
シャルティア「物凄く甘いものが食べたい気がした」
リーリン「そうでしたか。すぐにご用意しますね」
優雅にティータイムを楽しんでいた
〇山間の集落
〇西洋風の部屋
アストピア「本当に男の娘だった」
上杉「本物だったわ」
ユーリ「もうお嫁に行けない」
上杉(これでまた薄い本のアイディアが浮かびそう)
〇豪華な部屋
リーリン「じゃあ、ユーリさんとは幼馴染で フィアンセなんですね」
リーリン「素敵です」
シャルティア「いえいえ」
リーリン「ご結婚はいつですか?」
シャルティア「それはですね・・・・・・」
リーリン「あら?」
リーリン「あ、アストピア!?」
リーリン「ついに、部屋から出てきてくれたの!?」
アストピア「う、うん」
リーリン「お母さん、嬉しい」
アストピア「今まで心配かけて、ごめんなさい」
リーリン「いいのよ」
リーリン「あなたが元に戻ってくれれば」
シャルティア「良かった」
アストピア「私ね、冒険に出ようと思うの」
リーリン「えっ?」
リーリン「本気なの?」
アストピア「うん」
アストピア「ユーリ様たちの旅に同行するよ」
アストピア「それで、旅しながら一人前になる」
リーリン「そう」
リーリン「あなたが決めたなら何も言わないわ」
シャルティア「良かった、これで一件落着」
リーリン「じゃあ、今日はアストピアの旅立ちを祝して ご馳走を用意しましょう」
リーリン「もちろん、はじまりの村のみなさんも ご一緒にどうぞ」
シャルティア「ありがとうございます」
リーリン「そしたら、みなさんのセップクを 見ながらデザートをいただきましょう」
アストピア「やったああ」
シャルティア「ところで、セップクってなんだろう?」
〇森の中
一方、その頃オタクたちは
岩本「みんな、今のうちに逃げよう」
北川「はい!」
いのうえ「早く逃げないとマジで切腹させられる」
危機を察知して血眼になって
エルフの里から脱出していた


