第1話『ライバル登場?』(脚本)
〇シックなバー
安全型地雷系エナ「最近暇ねえ」
みか「あー」
みか「最近、下の階のコンカフェが人気らしくて そっちに客が流れてるらしいよ」
安全型地雷系エナ「そうなの?」
安全型地雷系エナ「ていうか、何で笑顔なのよ 客取られてるんだぞ」
安全型地雷系エナ「それで、その店の名前は何?」
みか「ふれてん」
みか「私も一度行ったけど、めっちゃ良かったよ」
みか「危うく天国に行きかけた」
安全型地雷系エナ「そんなやべえ店なの?」
みか「ある意味やべえかも」
安全型地雷系エナ「一度偵察に行ったほうが良さそうね」
〇メイド喫茶
月「なぜか久しぶりのお給仕な気がします」
月(るな)
この物語の主人公。本名『星川陽奈』。
高校1年生。天真爛漫な性格。お給仕が大好き。
あみーな「またまたー 昨日もお給仕したばかりじゃない」
あみーな
ふれてんの店長。仕事時とプライベートの時の差に定評がある。
月「ですよねー」
安全型地雷系エナ「ちわーす」
月「あっ」
「おかえりなさいませ お嬢様」
安全型地雷系エナ「ふーん、まあまあね」
安全型地雷系エナ(わざわざ偵察に来てやったわ)
安全型地雷系エナ(どんな接客するのか 楽しませてもらおうじゃない)
月「こちらの席へどうぞ」
安全型地雷系エナ「うい」
あみーな「月ちゃん、お嬢様のお相手をお願いね」
月「はい」
月「お嬢さま、当店は初めてですか?」
安全型地雷系エナ「まあね」
安全型地雷系エナ「あなた、男受けしそうな感じね」
月「本当ですか?」
月「ありがとうございます」
安全型地雷系エナ(褒めてないっつうの)
安全型地雷系エナ(でも、確かに可愛いのは認めるわ)
月「お嬢様の趣味は何かありますか?」
安全型地雷系エナ「んー、強いていうなら マンガを描くことかしら」
月「そうなんですか?」
月「私も絵を描くの好きなんですよ」
安全型地雷系エナ「へえ! 描いて見せてよ!」
月「いいですよ!」
安全型地雷系エナ「お手なみ拝見」
月「どうですか?」
安全型地雷系エナ「すごい! 上手いじゃない!」
月「お嬢様の絵も見たいです」
安全型地雷系エナ「そ、そう?」
月「ぜひ」
安全型地雷系エナ「どうかしら」
月「すごい! とっても素敵です!」
安全型地雷系エナ「ありがとう」
安全型地雷系エナ(なかなか良い子じゃない)
月「どうして、お上手なんですか?」
安全型地雷系エナ「一応、学校で漫研に入ってるのよ」
月「凄いですね」
安全型地雷系エナ「あなたは部活入ってないの?」
月「文芸部に入ってます」
安全型地雷系エナ「へえ、いいわね」
月「ありがとうございます」
「ははははは」
安全型地雷系エナ「そうじゃなくて!」
月「ん? どうしました?」
安全型地雷系エナ「あ、いや、こっちの話」
安全型地雷系エナ(わざわざ偵察に来たのに)
安全型地雷系エナ(さっきから相手のペースに 呑まれっぱなしじゃない)
安全型地雷系エナ(でも、悔しいけど この子と話してると楽しいのは事実)
安全型地雷系エナ(よし、ちょっといじわるして試してやろう)
安全型地雷系エナ「ねえ、あなた」
月「なんでしょう?」
安全型地雷系エナ(出来ないわ、こんな純粋無垢な子に いじわるなんて!)
月「どうしました?」
安全型地雷系エナ「目にゴミが入っちゃって痛いの」
月「そうなんですね」
月「痛いの痛いの飛んでゆけ〜♪」
安全型地雷系エナ「えっ!?」
安全型地雷系エナ「・・・・・・」
月「お、おじょうさま!?」
〇田舎の公園
エナ(幼少期)「ママー、こっちこっち!」
「急いで走ると転ぶわよ」
エナ(幼少期)「だいじょうぶ!」
エナ(幼少期)「あっ!」
エナの母「だから、言ったじゃない」
エナの母「ほら」
エナ(幼少期)「痛いよぉぉ」
エナの母「すぐに泣かないの」
エナ(幼少期)「だってぇぇ」
エナの母「痛いの痛いの飛んでゆけ〜♪」
エナの母「もうこれで大丈夫よ」
エナ(幼少期)「すごーい、治った!」
エナ(幼少期)「まま、すごーい」
〇雲の上
天使様「めっちゃ泣けるんですけど」
安全型地雷系エナ「は、はい」
天使様
天国の入り口の入国審査をしている。予定外の来訪者に悩まされている。
天使様「それで、あなたは 天国のお母様に会いに来たわけね」
天使様「いいわ、特別に通してあげる」
天使様「普段なら金属バットで追い返すんだけど」
安全型地雷系エナ「あ、いや、ま、母は元気に生きてます」
天使様「生きてんのかい!」
天使様「あんな過去の映像見せられたら そう勘繰ってしまうやろ!」
安全型地雷系エナ「あ、なんか、すみません」
安全型地雷系エナ「コンカフェいたはずなのに 気付いたらここにいて何が何だか」
天使様「またあの店の仕業かぁぁ」
安全型地雷系エナ「ていうか、ここ、どこ?」
〇メイド喫茶
安全型地雷系エナ「ママ」
安全型地雷系エナ「ここは!? 何か天国にいた気するけど」
月「ふれてんですよ」
安全型地雷系エナ「私は夢を見てたの?」
月「寝言で『ママ』って言ってましたよ」
安全型地雷系エナ「あ、いや、その! うちだと『お母さん』って呼んでるし!」
安全型地雷系エナ(やっば、めっちゃ恥ずかしい)
月「私もお母さんのことを『ママ』って 呼んでるから変じゃありませんよ」
安全型地雷系エナ「あなたって、良い人ね」
月「ありがとうございます」
安全型地雷系エナ「そういえば、私は元々何しに来たんだっけ?」
「おつかれさまー」
安全型地雷系エナ「ん?」
安全型地雷系エナ「えっ!?」
月「ルティエルさん、お疲れ様です」
ルティエル
ベテランのキャスト。月がコンカフェで働くきっかけになった憧れの人。
安全型地雷系エナ「ルティエルさん?」
ルティエル「早く着替えないと」
安全型地雷系エナ(めっちゃタイプなんですけど!)
安全型地雷系エナ「あ、あの! ルティエルさん!」
ルティエル「はい? なんでしょう?」
安全型地雷系エナ「よ、良かったら 一緒にチェキ撮ってもらえませんか?」
ルティエル「それなら今着替えてきますから」
安全型地雷系エナ「あ、いや、その格好がいいです」
ルティエル「ちょっと恥ずかしいです」
安全型地雷系エナ「ぜひ、お願いします!」
安全型地雷系エナ「マジタイプなんです」
ルティエル「そこまで言うなら良いですよ」
月「良かったですね。私が撮りますよ」
安全型地雷系エナ「よっしゃああああああ」
〇メイド喫茶
「じゃあ、撮りますよ」
ルティエル「はーい」
安全型地雷系エナ「やった」
月「撮れましたよ」
安全型地雷系エナ「ありがとうございます」
安全型地雷系エナ「スマホの裏に飾りますね」
安全型地雷系エナ「一生大切にします」
ルティエル「大袈裟ですよ。でも、嬉しい」
ルティエル「まさか、この格好で チェキを求められるなんて 思わなかったです」
月「楽しんでもらえて良かった」
安全型地雷系エナ「最高の店よ」
月「やったー」
ルティエル「うん!」
〇シックなバー
安全型地雷系エナ「見てみて!」
安全型地雷系エナ「めっちゃタイプの人とチェキ撮っちゃった」
安全型地雷系エナ「いいでしょ?」
みか「うん。めっちゃ美人じゃん」
安全型地雷系エナ「この人、この後着替えてきたんだけど そのギャップがエグいんよ」
みか「うんうん」
みか「それでさ。聞きたいんだけど」
安全型地雷系エナ「なに?」
みか「あんた、何しに行ったのよ 偵察に行ったんじゃないの?」
みか「推しを見つけて帰ってきてどうするのよ」
安全型地雷系エナ「ん?」
安全型地雷系エナ「やっちゃった?」
〇メイド喫茶
次回予告
偵察に来た同業者すら
持ち前の明るさでファンにしてしまった月
そんな彼女の前に
少し変わった客が来店する
そして、親友の田村も巻き込まれてしまう!?
次回『黒歴史製作所ムラタ来店』
月「予定のない日は絵を描いたり ザリガニ釣りに行ってます」
月「次回も、もえもえてん!」
月「何か懐かしい感じがします」
㊗新シリーズ🙌
サブタイトルの「竹ちくわ」というと、もうお馴染みのあの御方ですね😂
なお、冒頭のエナさんの登場に「えっ、エスティーナさん……」と某異世界の物語と混同しかけてしまったのはナイショです😊