エピソード3「課題」(脚本)
〇謎の施設の中枢
ショウゴ・センザキ 「そっちに行ったぞ、セレッサ!!」
セレッサ・スウェルネー「まかせて、ショウゴ!!」
セレッサ・スウェルネー「彷徨いし聖火よ、此処に集いて其の力を示せ──」
セレッサ・スウェルネー「フレア・インフェルノ──!!!!」
セレッサ・スウェルネー「────やったっ・・・!!」
エシュカ・アーレンクライン「セレッサちゃんすご〜い!!」
セレッサ・スウェルネー「ありがとう、エシュカ!」
セレッサ・スウェルネー「でも────油断しないで」
セレッサ・スウェルネー「──来るよ」
ブーン・・・
エシュカ・アーレンクライン「わわわ・・・!! ちっちゃい虫さんがたくさん・・・!!」
セレッサ・スウェルネー(やば、間に合わないっ──)
コユキ・ヒメシロ「雪華(セッカ)──!!」
パタパタ──
コユキ・ヒメシロ「大丈夫、エシュカ」
エシュカ・アーレンクライン「大丈夫〜!ありがとうコユキちゃん」
セレッサ・スウェルネー(さすがコユキ・・・ あれだけの数の虫を一瞬で凍らせて───)
コユキ・ヒメシロ「私は時間を稼いだだけよ まだ息があるわ──」
ギギギ・・・・・・
コユキ・ヒメシロ「セレッサ、燃やせる?」
セレッサ・スウェルネー「ごめん、魔力が────」
ショウゴ・センザキ 「俺が行く!!」
ショウゴ・センザキ (炎の魔法・・・威力はどれくらいがいいだろう・・・)
ショウゴ・センザキ (セレッサは魔力切れ、コユキもまだ動けなさそうだし・・・)
ショウゴ・センザキ (──でも、倒しきれなかったらどうする?)
エシュカ・アーレンクライン「ショウゴくん──!!」
ショウゴ・センザキ 「──っ!?」
ショウゴ・センザキ 「しまっ────」
???「──ライトニング!!」
ショウゴ・センザキ 「アージュー!?」
アージュー・エレド「ボサッとしてんじゃねーぞ!!」
ショウゴ・センザキ 「わ、悪い・・・」
セレッサ・スウェルネー「危なかったわ・・・ ありがとねアージュー」
アージュー・エレド「ふん」
コユキ・ヒメシロ「みんな気をつけて、大きいのが来るわ」
ゴゴゴゴ────
ショウゴ・センザキ 「なんだあれ!? 蜂──!?」
アージュー・エレド「くそデケぇな」
コユキ・ヒメシロ「私は周りの小さいのを処理するわ アージューとショウゴは大きいのをお願い」
ショウゴ・センザキ 「ああ!!」
アージュー・エレド「コテンパンにしてやらぁ!!」
コユキ・ヒメシロ「セレッサは魔力を溜めて エシュカの傍から離れないで」
セレッサ・スウェルネー「わ、わかった・・・!!」
セレッサ・スウェルネー「駄目だ・・・ 私ってば『また』────」
セレッサ・スウェルネー「──って、エシュカ!?」
エシュカ・アーレンクライン「私も・・・力になりたいよ!!」
エシュカ・アーレンクライン「ちっちゃい虫さんなら・・・ シャボン玉で閉じ込めちゃえば・・・!!」
エシュカ・アーレンクライン「って・・・あれ? シャボン玉の魔法ってなんだったっけ・・・」
セレッサ・スウェルネー「エシュカ・・・」
エシュカ・アーレンクライン「えぇっと・・・確か・・・」
エシュカ・アーレンクライン「バブルシュープリーム!!!!」
ショウゴ・センザキ 「・・・違うエシュカ! その魔法は────」
〇謎の施設の中枢
──全滅の恐れを感知しました
戦闘モードを終了します
ショウゴ・センザキ 「だよな・・・ 強力なんだけど全員の魔力を大きく消費しちゃうんだよ」
エシュカ・アーレンクライン「そうだったっけ・・・ ごめんね、また私が──」
セレッサ・スウェルネー「エシュカはみんなを助けようとしてくれたんでしょ!! 謝ることないよ!!」
エシュカ・アーレンクライン「セレッサちゃん・・・」
アージュー・エレド「あーあ、結構いい感じだったのによ」
エシュカ・アーレンクライン「アージューくん・・・ ごめんなさい・・・」
アージュー・エレド「謝って済むことかよ 自分の使える魔法くらいきちんと覚えとけ」
ショウゴ・センザキ 「──アージュー!!お前っ・・・」
アージュー・エレド「ヒメシロ、今日はもう終わりだろ」
コユキ・ヒメシロ「──そうね バーチャルルームのレンタル時間的に」
アージュー・エレド「あいよ んじゃまた明日な」
ショウゴ・センザキ 「待てアージュー!! エシュカに謝ってけよ!!」
アージュー・エレド「すまん」
ショウゴ・センザキ 「──それだけか!?」
エシュカ・アーレンクライン「ショウゴくん、大丈夫・・・ 悪いのは私だから・・・」
ショウゴ・センザキ 「エシュカ・・・」
アージュー・エレド「本人もそう言ってんだ もういいだろ?」
エシュカ・アーレンクライン「うん。 ごめんねアージューくん・・・」
エシュカ・アーレンクライン「もっと・・・みんなの力になれるように頑張るから・・・」
アージュー・エレド「あぁ」
セレッサ・スウェルネー「エシュカ、あんな奴の言うこと気にしなくていいからね」
セレッサ・スウェルネー「エシュカは、エシュカのペースで頑張っていけばいいの」
ショウゴ・センザキ 「そうだ、セレッサの言う通りだよ」
ショウゴ・センザキ 「俺で良かったら、いつでも練習つきやってやるからさ」
エシュカ・アーレンクライン「ショウゴくん・・・ セレッサちゃん・・・」
エシュカ・アーレンクライン「・・・」
セレッサ・スウェルネー「泣かないでよ・・・」
ショウゴ・センザキ 「コユキ、セレッサ、俺エシュカ送ってくわ」
ショウゴ・センザキ 「ほら行こう、エシュカ」
エシュカ・アーレンクライン「・・・うん」
セレッサ・スウェルネー「・・・・・・」
コユキ・ヒメシロ「何か思うことでもあるのかしら」
セレッサ・スウェルネー「・・・いや、何も」
コユキ・ヒメシロ「みんなバラバラになってしまったから 今日の所は解散にしましょう」
セレッサ・スウェルネー「分かった。 明日9時だっけ?」
コユキ・ヒメシロ「ええ 今日と同じ30分でバーチャルルームを取っているわ」
コユキ・ヒメシロ「じゃあ私も戻るわね」
セレッサ・スウェルネー「うん、また明日」
コユキ・ヒメシロ「魔法、上手く決まって良かったわね」
セレッサ・スウェルネー「えっ──!?」
セレッサ・スウェルネー(どういう風の吹き回し・・・!? コユキが私のこと褒めてくれるなんて・・・)
セレッサ・スウェルネー「・・・でも、やっぱ今のままじゃだめだ」
──脳筋
──後先考えない
────ひとりよがり
〇黒
──これじゃ使えないよ
〇講義室
セレッサ・スウェルネー「そ、そんなこと言わないでください!! 私、やれます──!!」
担任「何度言えばわかるんだ、スウェルネー。 今の君の戦闘スタイルじゃ、うちじゃやっていけない」
セレッサ・スウェルネー「で、でも──!! パワーはあるじゃないですか!!」
担任「ああ、君の魔法にパワーがあることは良く分かっているよ」
担任「でもな、それだけじゃ駄目なんだ」
セレッサ・スウェルネー「えっ・・・」
担任「魔法戦士として戦っていくのに、一番大切なことがお前には足りていない」
セレッサ・スウェルネー「そ、それって何なんですか!?」
セレッサ・スウェルネー「教えてください、先生!!」
担任「『チームワーク』だよ」
セレッサ・スウェルネー「──つっ・・・」
担任「魔法戦士にとって一番危険なのは魔力切れだ」
担任「消費した魔力は時間が経てば回復するとはいえ、魔力がない間は何もできない」
担任「分かるか、お前の戦い方はパワー第一なんだ」
セレッサ・スウェルネー「・・・」
担任「自分が強い攻撃をするだけじゃ、奴らを倒すことはできない」
セレッサ・スウェルネー「・・・でもっ──!!」
担任「味方と連携して戦え。 それができるようになるまで、お前はハイランクに上げられない」
セレッサ・スウェルネー「・・・だから、私は第八防衛隊なんですか」
担任「俺の口から言わせるな。 実力者なのは認めるが、それだけで生きていけるほど甘い世界じゃないんだ」
担任「悪いが、会議の時間だ。 失礼する」
ガラガラ・・・
〇女の子の二人部屋
セレッサ・スウェルネー「何よ・・・ 分かんないわよ・・・」
──私はその夜、一人部屋で泣いた。
セレッサ・スウェルネー「戦えるのに・・・ 何で第八防衛隊なのよ・・・」
ルームメイトのいない二人部屋。
でもそれが功を奏した。
こんな姿、他の人には見せられない。
セレッサ・スウェルネー「何でなの・・・ 何なのよ、チームワークって・・・」
セレッサ・スウェルネー「一人にしたのは、アンタたちの方じゃない・・・」
第八防衛隊には、絶対に「足手まとい」が配属される。
最下層のグレード。
私が一番望まない場所。
セレッサ・スウェルネー「・・・絶対、見返してやる」
セレッサ・スウェルネー「そして、私を第八防衛隊にしたこと 後悔させてやる──!!」
セレッサ・スウェルネー「・・・まだ2ヶ月も経ってないけど、 なんかずっと昔の事のように感じるわ」
セレッサ・スウェルネー「私・・・成長できてるかな」
セレッサ・スウェルネー「──チームワーク・・・」
セレッサ・スウェルネー「エシュカだって、みんなの役に立ちたいってあんなに頑張ってて・・・」
セレッサ・スウェルネー「・・・」
セレッサ・スウェルネー「・・・また明日、頑張ろう」
昇級試験まであと4日──
to be continued...