今でも、ファンタジー!!(脚本)
〇謁見の間
ゲンキ「なんじゃ!?ここ」
ゲンキ「なんつーきらびやかな所だ」
王様「よく来たな、異界の者よ」
ゲンキ「異界の者だ?」
ゲンキ「わいの事か?」
王様「そうだ・・・異界の者」
王様「名は何という?」
ゲンキ「ゲンキだー宜しく」
王様「うむ、よろしく」
ゲンキ「んでよー王様、ここはどこよ」
王様「ここは、そなたの違う世界」
ゲンキ「違う・・・世界」
王様「うむ、ここガルシア王国 数多の時代に勇者を発出してきた」
ゲンキ「勇者ね・・・」
王様「現在・・・魔王が復活し勇者を必要とする時代になった・・・」
王様「わたしはその第30代目の王である」
ゲンキ「長えー歴史があるんやな」
王様「そうだ、初代の王と太古の勇者からここまで見事に魔王倒してきたのだ」
王様「そして、この時代もそうなるはずじゃ」
ゲンキ「ってことはよ王様、わしが勇者って事やな」
王様「うむ、そうとも」
王様「よくぞ!来てくださった勇者よ! そしてこの王国ガルシアを守ってくだされ」
ゲンキ「おう、任せてくれよわしはやる男だ」
王様「頼もしいのー そなたで良かった良かった!」
ゲンキ「んでよー王様に聞くがよ」
王様「うむ、なんじゃ勇者よ」
ゲンキ「わいはこのままで戦うんか?」
王様「ホホホ、安心するがよい 力が授けられるのだ」
王様「これも、昔からの決まりじゃ」
ゲンキ「ンなるほどなー」
王様「では、儀式の為・・・神官を呼ぶぞい」
王様「そこの、神官を呼んでこい」
兵士A「はい!王様直ちに!」
王様「うむ・・・」
王様「少し、待たれよ勇者」
ゲンキ「問題ねーよ」
王様によって呼び出された神官が慌ててくる。
神官「王様!お待たせしました!」
王様「おお、来たか早速じゃが勇者にあの儀式を頼むぞい」
神官「ええ、分かりました」
神官「では、勇者よこちらへ」
ゲンキ「おっけー」
神官「わたしの前で膝を曲げなさい」
ゲンキ「お、こうか?」
神官「はい、それでよろしい」
神官「そしてわたしの手をあなたの頭に乗せます」
ゲンキ「おう・・・」
ゲンキ「おおおお!すんげー」
神官「これは、発動の魔法陣です ここからが大事です」
神官「歴代の勇者から受け継がれた能力を授けます」
ゲンキ「すんごいなーそれよ」
神官「まずは、太古の勇者が使用したと言われる スキル『エックスブレイド』 これはあらゆる物を空間ごと断ち切る」
ゲンキ「んが!すんげーな」
神官「そして二代目勇者は 『ヒーリングフィールド』 どんな物でも直せる癒やしの力」
ゲンキ「ぐほっ!無敵やん!」
神官「3代目は、『勇者のカリスマ』 どんな種族にも慕われるスキル」
神官「後、27個あるんですが長いので勇者様が確認してください」
ゲンキ「おお、分かった」
神官「あなたには異界の勇者しか知らないワードで確認出来るはずです」
ゲンキ「ワード?」
神官「はい、そうでなければ確認出来ません」
ゲンキ「そんなもん、よく分からんがそれがないといけないんか?」
神官「いえ、なくてもいいのですが不備ですよ」
ゲンキ「無いんもんは、ないからいいっか!」
神官「では、これを勇者の装備と神聖武器など 旅に必要なお金全部です」
ゲンキ「太っ腹だなーおいへへへ」
神官「いえいえ、これが儀式ですから 勇者様・・・魔王をどうか倒して下さい」
ゲンキ「このわしに任せろよ!!」
王様「では、勇者殿・・・御武運を!」
ゲンキ「そうだった王様よー」
王様「何ですかな?勇者」
ゲンキ「わしの異界での紙なんだが いらなくなったもんだから王様に渡しておくでよ」
王様「うむ、了解した」
王様「持っておくぞい」
ゲンキ「んじゃーな」
王様「吉報を待っておるぞー」
〇王妃謁見の間
王様「神官よこれでこの時代も安心だな」
神官「そうですね、王様 歴代の力を受け継いだ勇者様であれば魔王は敗れるでしょ」
王様「ホホホ、愉快愉快じゃ!」
王様「じゃが、神官よ少し引っかかる事がある」
神官「何でしょうか、王様?」
王様「古い文献によれば、歴代の勇者は全員に異界のワードがすぐに分かるはずじゃが?」
神官「そうですね、文献によれば儀式の時に叫ぶらしいです。 ですが、今回のはたまたま忘れたのではありませんか?」
王様「そうじゃな・・・考え過ぎか」
神官「でも、無事に能力を授ける事ができました もし、異界の者でなければ授ける事は出来ません」
王様「うむ、そうじゃよな」
神官「昔、ある神官がこの世界の者にやってみたんですが駄目でした」
神官「となるとあの方は紛れもなく異界の人です」
王様「そうじゃな!心配して損したぞい」
王様「ホホホ!」
王様と神官がワイワイと話している時に兵士がやって来る。
兵士B「王様!神官様! 至急、謁見の間に来て下さい!!」
王様「何事じゃ!」
神官「どいうことですかな?」
兵士B「申し訳ないですがお急ぎを!」
王様「分かった!急ぐぞい」
神官「待って下さい!王様わたしも行きます!」
〇謁見の間
突如、大きな光が謁見の間を覆った。
神官「これは・・・光の奇跡! 文献に伝わる召喚の光!」
王様「どいうことじゃ!神官!これは」
神官「申し訳ありません!王様 これはわたしにも」
その時、光の中から人影が現れる。
セイギ「この魔法と中世風ファンタジーな城 王様と神官!!」
セイギ「異世界だぁ!!!!」
王様「何!?」
神官「これは、歴代の勇者文献によれば 異界の勇者は若く学生なる服を来て 光の魔法と共に来る」
神官「文献通りだ!!」
王様「まことか!神官!!」
神官「はい!!王様!!!」
王様「凄く混乱しておるぞい!」
神官「申し訳ないがわたしもです!!」
セイギ「おの王様!!」
王様「うむ、なんじゃ」
セイギ「僕が間違っていなければ念のための確認ね」
セイギ「ここは異世界だよね!!」
王様「うむ・・・まさしく異世界じゃ」
セイギ「へへへ!やっぱりなー!」
王様「・・・・・・」
セイギ「どうしたの?王様 なんでそんなに落ち込んでんの?」
セイギ「普通は喜ぶでしょ!! 僕が魔王を倒すんだからさ!」
王様「・・・・・・」
王様「実はな・・・お主が来る前に先に誰かが来たんじゃ」
セイギ「えええーー!どいうこと!!」
王様「実は、こっちも同じ気持ちじゃ」
王様はそれまで起きた事を事細かに異界人に話した。
セイギ「まじかーーー!!」
セイギ「僕ここにいる意味なくないそれって・・・」
王様「そして、これを渡してきた もう、要らないと言っておった」
王様「何が書いてあるのか分からんのだ・・・ 異界の文字じゃ」
セイギ「どれどれ・・・」
速報新聞
本日、前代未聞の事態が発生。社会を震撼させた大量殺人犯が突如として釈放された。
詳細な理由は不明であるが、法と秩序が揺るがされる事態に市民は動揺を隠せない。まるで獣が檻から解き放たれたかのようだ。
社会への影響が懸念される中、今後の動向に注目が集まる。
念のために
以下の空白の四角い部分をコインで擦れば、釈放された殺人犯の顔が浮かび上がる仕掛けになっている。
身の安全を確保するためにも確認をお勧めする。
セイギ「・・・・・・」
セイギ「・・・」
王様「どうしたのじゃ・・・お主」
セイギ「いや・・・それは・・・」
セイギ「頼みがあります王様・・・」
王様「ん?どうしたんじゃ・・・改まって」
セイギ「何でも良いのでコインなるものを貸してくれませんか?」
王様「たやすい、ホレ!」
セイギ「王様・・・少し離れます」
王様「うむ・・・よいじゃろう」
王様(様子がさっきほどと違う。 何やらコソコソとコインで擦っておる?)
王様(異界の"おまじない"か何かかの・・・)
セイギ「王様!大事な話があります!!」
王様「大事とな・・・」
セイギ「はい! 至急!僕を元の世界に帰還させて下さい!」
王様「なぁに?」
セイギ「さっき、神官様に聞いたのですが その王様が身につけているペンダントが鍵だと言っておりました」
王様「むっ、神官そんな事を・・・」
王様「まぁ、そうじゃよ」
セイギ「僕には良い考えがあります! ステータスしか見れない僕は無力です」
セイギ「とりあえず、元の世界に戻り過去にこの世界を救った29代目勇者を連れて来ます!」
王様「なんと!!それは真か!!」
セイギ「出来るかどうか分かりませんが この世界の為、王様の為! 僕はやり遂げて見せます!!」
王様「頼もしいーーー!!」
王様「良かったぞい!29代目の勇者とは小さい時に見た事があるんじゃ 爺さんの代の時だったの」
セイギ「急ぐのでお願いします! 王様!! これは僕の使命です!」
王様「分かった! 本当は魔王を倒した時に使うものじゃが! 緊急じゃしかたない」
王様「現状なにが正しいかは分からん 異界から来るものが3人にもなればこの世界は安泰じゃ」
王様「では、光の中へ入るのじゃ!!」
セイギ「はい!」
王様「頼むぞー!!」
セイギ「わかってるよ!!王様」
セイギ「これは、やるよ! じゃあな!!」
持っていた紙を地面に投げた。
セイギ「せいぜい長生きしろよーー! 王様!」
王様「ん!?」
一瞬のうち光と共に消える。
王様「何じゃったんじゃ?あれは」
王様「まぁ・・・よいわ」
王様は落ちた紙を拾いそこに知っている顔を見つける。
王様「これは、最初に来た人とそっくりじゃ」
王様「・・・・・・」
神官「王様!大変です!! 何者かが王国を破壊しております!!」
王様「何!!魔王か!!」
王様「魔王が来たのか!!!」
神官「それが!!」
神官「さい!!!」
王様「神官!!!」
王様「どうなって!!おるんじゃぁ!!!!」
大きな扉から入ってくる影が現れる。
王様(やはり魔王なのか・・・?)
ゲンキ「よ・・・」
王様「ホホホ!お主は魔王じゃろう?」
ゲンキ「ん・・・?ゲンキだ」
王様「いやいやいや!そんな事はない ゲンキ殿は勇者様じゃよ」
王様「勇者は世界を守る者じゃ!」
王様「歴代の勇者がそうだった これからそうなるのじゃよ」
ゲンキ「それはな・・・王よ リアルじゃない」
王様「ホホホホホホホホホ!!」
王様「愉快!愉快!」
王様「ゲンキ殿はどこじゃ!!魔王!!」
王様「ゲンキ殿が来ればお前は!!!」
王様「ここで!!!!!!」
ゲンキ「必殺・・・次元斬り・・・」
ゲンキ「ふぅ・・・」
ゲンキ「何見てんだ!? 終わりだよ」
ゲンキ「ここでストーリーは終わり!!」
ゲンキ「画面の向こうのお前!!!! さっさとエンディングに入れ!!!」
ゲンキ「斬るぞ!!オラ!!」
男性は腰にあった剣を構えて見せてる。
ゲンキ「行くぞ!!!次元!!ぎっ!!」
〇男の子の一人部屋
ヒデオ「うわああああああ!!!」
ヒデオ「何だ?このクソゲーわよ!!!!」
ヒデオ「2万もしたんだぞ! 没入型VRモノの中でもリアルさが売りなのになんだこれは!!!」
ヒデオ「ふざけやがって!! 途中まで良かったのになんだよ最後のは!」
ヒデオ「せっかくいい感じに王様プレイしてんのに!!水差しやがってよー!」
ヒデオ「ゲンキつったっけか?名前は・・・ もしかしてキゲン、キケン」
ヒデオ「危険!?」
ヒデオ「はははははははは!! バカバカしい!!」
ヒデオ「このソフトを売って他のソフト買うわ! ははははは」
ヒデオ「俺のクソゲーランキング1位の座に座らせてやるよ!!!はは」
ヒデオ「はははははははは!!!」
終わり。