ギラ・ラエティティア

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

5話 痛み(脚本)

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〇大きな公園のステージ
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (DOAはもう終わってしまったらしい。王の家で時間を無駄にしてしまったみたいだ)
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「甲斐、今までどこに行ってた」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火、待っててくれたのか?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「お前の店に寄ろうと思って探してたところだ。お前がいないと店開かねえだろ?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「なんで俺の店に?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「想像以上の大金を手に入れたからな、お前と二人で酒でも飲もうと思って」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「優勝したのか?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「そこも見てなかったのかよ。見ておけって言っただろ?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「悪い、いろいろあって」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「まあいいか。早く店行こうぜ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ああ」

〇黒

〇シックなバー
  ネオン街のバー
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「──それで、王が手助けしてくれるって・・・」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「王に気に入られるなんてすごいな。でもあれだけ関わるなって言ったのに。聞かねえ奴だな」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「それにしても王が薬を売らないなんて・・・」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「完全に惚れられたな」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「は?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「男も侍らせてんだぜ? そっちの気もあるだろ?」
  お酒の入ったコップを落としそうになる、寒気がした。
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「心配するな。なんかされそうになったら俺が駆け付けてあの綺麗な顔を殴ってやるから」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「あはは、頼もしいな」

〇黒
  俺たちは話している間に眠りにつき、店で朝を迎えた。

〇シックなバー
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (店の買い出しに行くのを忘れていた。しょうがない、今日も店を休むか・・・)
  立ち上がって、遠火の傍に向かう。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火、起きろ。遠火」
  眠っている遠火を揺すっていると、遠火のズボンのポケットから何かが落ちた。
  拾おうとして、手が止まる。
  ──緑の錠剤・・・ギラ!?
  遠火もギラを!? どうして・・・!
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (ううっ・・・甘い匂いが漏れている・・・)
  無意識に錠剤を取り出そうとする自分の手に、抵抗していると・・・
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「ん? どうした甲斐、もう朝か?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火、お前これをどこで・・・!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「・・・!」
  遠火の目の前にギラを突き出すと、遠火はそれを奪い取るようにして取った。
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「何でもねえよ。拾っただけだ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「今すぐ捨てろ!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「後で捨てるよ。店で捨てたらお前に迷惑掛かるだろ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「そんなのいい! 父さんの時だって捨てても何も起きなかったんだ、それよりお前の手の中にあるのが嫌だ!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「・・・・・・!」
  遠火の手から奪い取ろうとすると、避けられる。
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「これはお前が持っていいもんじゃねえよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「お前だって・・・!」
  もう一度奪い取ろうとすれば、遠火は突然険しい表情を見せる。
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「これは俺のもんだって言ってんだよ!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「な・・・! 何言って・・・」
  遠火はハッとしてから、焦った表情を浮かべる。
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「い、いや、違うんだ。これは拾っただけで・・・」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火、ギラを使用してるのか!? なんでお前まで・・・誰がお前に渡してるんだ!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「そんな泣きそうな顔するなよ。俺は大丈夫だって」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火!」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「それよりお前・・・さっきこれ開けようとしてなかったか?」
  俺はその質問に酷く焦った。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「俺もギラを使用したことがあるんだ・・・無理やりだったけど」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「・・・!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「で、でも抵抗できた、お前だってできるはずだ! 一緒になおしていこう・・・!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「だから・・・それを渡せ!」
  俺は遠火の手の中の薬に手を伸ばした。
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「触るんじゃねえッ!! これは俺のもんだッ!!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ぐあっ・・・!!」
  遠火に腹を蹴られ、物に当たりながら床に倒れる。

〇シックなバー
  腹に走る激痛のせいか、意識が薄れていく。
  遠火は荒い息を上げながら、店を出て行った。

〇黒

〇センター街
  ネオン街
  俺は遠火を探すためにネオン街へやって来ていた。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「遠火・・・どこに」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「・・・! あれは!」

〇ビルの裏通り
  遠火の姿を見かけた気がして、路地裏に入る。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「いない・・・」
  肩を落とし、路地裏から出ようとした時だった。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「うっ・・・!」
  誰かに後ろから押さえつけられ、薬品の染み込んだ布を嗅がされる。

〇黒
  抵抗する間もなく、俺は意識を失った。

〇古い倉庫の中
  目を開けると、そこはどこかの倉庫だった。俺は縄で縛り上げられている。
  目の前には俺を囲み、俺を見下げる者たちがいた。その見目好い顔に見覚えがある。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「お前たちは・・・王のハーレム・・・!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (ハーレムって・・・少しも緊張感がない・・・)
女性「もう私たちはハーレムじゃないわよ!」
若い男「お前のせいだ!」

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