魔法少女スライム

ヲズ

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〇ビルの裏
  俺はスライム怪人。
  とある悪の秘密結社に属する怪人だ。
  だが組織の破壊活動は突然現れた魔法少女たちによってことごとく阻止されてしまっている・・・
  この組織はもう駄目だ・・・
  遠くない未来、魔法少女たちによって壊滅させられるだろう・・・
  正直、組織に対する忠誠なんてものはないし未練もないが怪人である以上組織に属するしかないのが現状だ・・・
スライム怪人「組織が壊滅されるとは仕方ないけど死にたくはないなぁ・・・」
「ならば力をやろう・・・ そして組織のために戦え!」
スライム怪人「ゲゲぇ!!! 魔王さま!!!」
魔王「死にたくなければ組織の為に戦え!! そうすれば今の独り言も聞かなかったことにしといてやる」
スライム怪人「は・・・ははぁーーー!!!」
魔王「貴様にこの魔導具を授けてやろう・・・ これで魔力を底上げさせられる」
スライム怪人「あ・・・ありがとうございます・・・」
魔王「まぁ単に魔力を底上げするだけだからそこから貴様がどんな力に目覚めるかは貴様次第だがな・・・ 精々組織の為に尽くすがいい」
スライム怪人「は・・・ははぁーーーー!!!」

〇ビルの裏
スライム怪人「はぁ〜 結局組織の為に戦うしかないのかぁ・・・」
スライム怪人「まぁ貰うものは貰っちゃったし、 やれるだけやってヤバくなってきたらトンズラするか・・・」
スライム怪人「あ、でもそうしたら組織にもいられなくなるか・・・」
スライム怪人「はぁ~・・・」
スライム怪人「まぁ、とりあえずこの魔導具を使ってみよう! ひょっとしたらスゴい力に目覚めるかもしれないわけだし」
スライム怪人「ふぅ・・・」
スライム怪人「さぁ魔導具よ!!! 俺に力を授け給え!!!」
スライム怪人「うぅっ・・・」
スライム怪人「これで終わりか? 確かに魔力は上がった気はするが・・・」
「あら? こんなところに怪人がいるなんて・・・」
スライム怪人「だ・・・誰だ!?」

〇ビルの裏
魔法少女キララ「こんなところで悪巧みでもしているの?」
スライム怪人(やべぇ〜 こんなときに魔法少女に見つかっちまった・・・)
魔法少女キララ(何かしら・・・ この怪人から魔力の高まりを感じる・・・)
スライム怪人(ど・・・どうする? 逃げるか? いや逃げられる気がしない! どうする!?)
魔法少女キララ「あなた!!!」
スライム怪人「ひぃ・・・!!! 来るなぁぁぁ!!!」
魔法少女キララ「きゃっ!!!」
魔法少女キララ「な・・・何!? 来るなって言っておいて飛びついてくるなんて!?」
魔法少女キララ「うぅっ・・・べとべとするぅ・・・ あの怪人・・・どこ行ったの?」

〇ビルの裏
スライム怪人(ヤバい・・・ どうする・・・)
  今こそ目覚めし力を使うのだ!!!
スライム怪人(はっ!? この声は・・・)
スライム怪人(あの魔導具が俺の頭に直接語りかけてきてるのか!?)
  貴様の目覚めし力・・・
  この状況を容易く脱することが出来るだろう・・・
  その力とは・・・
魔法少女キララ(?)
魔法少女キララ「あなた!!!」
スライム怪人「ひぃ・・・!!! 来るなぁぁぁ!!!」

〇ビルの裏
???(そうか・・・ とっさに身体が動いてしまったが・・・)
???(これが俺の新しい力!!!)
魔法少女キララ「さっきの怪人どこ行ったのかしら・・・」
???「ふっふっふっ・・・」
魔法少女キララ「誰!?」
魔法少女キララ?「ふっふっふっ・・・」
魔法少女キララ「え・・・わたし!? どういうこと!?」
魔法少女キララ?「まさか俺がこんなかわいい女の子になれるなんて・・・」
魔法少女キララ「え? ま・・・まさかさっきの怪人!?」
魔法少女キララ?「あぁそうさ 俺は一度取りついた相手にコピー出来るのさ!」
魔法少女キララ(マズい・・・ もし私の姿で悪事でも起こされたら・・・)
魔法少女キララ「その前にここで!!」
魔法少女キララ?「ちょ・・・ちょっと待ってくれよ! 俺は確かに組織に属する怪人だが組織から抜け出したかったんだ!!」
魔法少女キララ「え・・・?」
魔法少女キララ?「考えてもみてくれ・・・ 今や組織はお前たち魔法少女たちに圧されて壊滅されかけている・・・」
魔法少女キララ?「そんな組織にいてもただ死を待つだけだろう? 俺は死にたくないだけだ!!」
魔法少女キララ?「なんならお前たちに手を貸す!! 俺を見逃してくれ!!」
魔法少女キララ「で・・・でもあなた・・・ 私の姿に・・・!!」
魔法少女キララ?「あれはとっさに・・・ この力だってついさっき目覚めたばかりで困惑してたんだ・・・」
魔法少女キララ「そ・・・そう・・・」
魔法少女キララ?「・・・・・・」
魔法少女キララ「・・・・・・」
魔法少女キララ「い・・・いいわ・・・ とりあえずあなたが組織に戻らないって約束出来るなら見逃してあげる・・・」
魔法少女キララ?「ほ・・・本当か!?」
魔法少女キララ「でもどうしよう・・・ ずっと見張ってるなんてことも出来ないし・・・」
魔法少女キララ?「あ、じゃあとりあえずあんたの家に居させてよ♪ それなら大丈夫だろ?」
魔法少女キララ「ええっー!?」
魔法少女キララ「そ・・・そんな だって・・・」
魔法少女キララ?「駄目なのか?」
魔法少女キララ「男の人を家に入れるなんて・・・」
魔法少女キララ?「なんだよそんなことかー」
魔法少女キララ?「今の俺は女の子だろー?」
魔法少女キララ「で・・・でも中身は男の人じゃない・・・」
魔法少女キララ?「まぁでも確かにちょっと図々しかったかな じゃあ俺はとりあえず近くの公園で野宿するよ」
魔法少女キララ「えぇっ!?」
魔法少女キララ?「大丈夫大丈夫 人に見られないようにするからさ」
魔法少女キララ?「くしゅん! ズズー・・・」
魔法少女キララ「・・・」
魔法少女キララ?「あはは・・・」
魔法少女キララ「いいわ・・・ とりあえず私家に行きましょう」
魔法少女キララ?「な・・・なんか悪いなー アハハ・・・」

〇タンスの置かれた部屋
ヒカリ「ただいまー」
魔法少女キララ?「・・・?」
ヒカリ「安心して? 今はこの家には私たちだけよ」
魔法少女キララ?「ご両親は?」
ヒカリ「母はいない。 父は単身赴任でほとんど帰らないわ」
魔法少女キララ?「あー・・・ なんというかその・・・」
ヒカリ「何?気、使ってるの? 怪人のくせに」
魔法少女キララ?「いや・・・だって」
ヒカリ「気が楽でいいわよ まぁご飯から何まで自分でしなきゃだから大変だけど」
ヒカリ「ていうか・・・」
魔法少女キララ?「?」
ヒカリ「いつまでもその姿でいられても困るんだけど・・・」
魔法少女キララ?「あぁ・・・そっか 悪い悪い・・・」
スライム怪人「いやぁ ようやくあの姿にも慣れてきてたんだけどなぁ」
ヒカリ「・・・」
ヒカリ「ごめん・・・ やっぱさっきのでいい・・・」
スライム怪人「えぇっ!?」

〇タンスの置かれた部屋
魔法少女キララ?「うーん・・・ 確かにこの姿でずっといるのもなぁ・・・ 目立って外にも出られないし」
ヒカリ「あなたの能力って姿をコピーするだけなの?」
魔法少女キララ?「え?」
ヒカリ「コピーした相手の能力まではコピー出来ないの?」
ヒカリ「もし能力までコピー出来ているとしたら変身を解くことだって出来るんじゃない?」
魔法少女キララ?「あ!なるほどなー あんた頭いいな」
ヒカリ「いいから!」
魔法少女キララ?「わかったわかった・・・」
魔法少女キララ?「どう?」
ヒカリ「本当に出来た・・・」
魔法少女キララ?「へへっ・・・ 驚いた?」
ヒカリ「・・・」
魔法少女キララ?「えぇっ!? なんで!!」
ヒカリ「あっ・・・あなたにはわからないわよ・・・」
ヒカリ「わ・・・わたしは・・・ ずっと一人ぼっちで・・・ でも魔法少女になってからはやっとみんなから呼びかけられて・・・」
ヒカリ「感謝されて・・・ それなのにあなたは・・・」
魔法少女キララ?「あーそっか・・・ 自分の居場所を奪われるって思ったわけか・・・」
ヒカリ「ご・・・ごめんなさい・・・ あなたに悪気はないのに・・・」
魔法少女キララ?「仕方ないさ・・・」
ヒカリ「もう・・・寝ましょう・・・ もう遅いわ・・・」
魔法少女キララ?「うん・・・」

〇綺麗なリビング
ヒカリ「ね・・・寝過ごしちゃったわ!!」
魔法少女キララ?「あ、おはよう 朝ご飯作っといたよ~」
ヒカリ「えぇっ!?」
魔法少女キララ?「どーしたの? びっくりしちゃって」
ヒカリ「あ・・・いえ・・・」
ヒカリ(夢じゃなかったんだ・・・)
魔法少女キララ?「どうしたの? 急いでたんでしょー?」
ヒカリ「あ! そうだった!」
魔法少女キララ?「あのさ 食べながら聞いて?」
ヒカリ「え・・・ええ」
魔法少女キララ?「あの晩じっくり考えたんだ・・・ あんたも学業と魔法少女業とで大変だろ? しかも一人暮らしで」
ヒカリ「ま・・・まぁ・・・」
魔法少女キララ?「家のことは俺にまかせろ! 学業については何も出来ないけど魔法少女のことは俺にもすこしはサポート出来るかもしれないし」
ヒカリ「ありがとう・・・ ちょっと考えとくわ」
ヒカリ「い・・・行ってきます!」
魔法少女キララ?「おーいってらっしゃ~い」

〇街中の道路
魔法少女キララ?「あぁ言っちまったしなぁ・・・ 買い出しにでも行くかぁ・・・」
魔法少女キララ?「えーっとスーパーが確かこの辺に・・・」
魔法少女キララ?「な・・・何!?」
男の子「うわぁぁぁぁぁ!!!」
通行人「あっ危ない!! 子どもにぶつかる!!」
魔法少女キララ?「子どもに向かってトラックが!? どうする・・・」
魔法少女キララ?「・・・」
魔法少女キララ?「チッ・・・ しょうがねぇなぁ!!」
魔法少女キララ?「変身!!」
魔法少女キララ?「間に合えーーー!!!」
男の子「あ・・・あれ?」
魔法少女キララ?「大丈夫? ケガはない?」
男の子「魔法少女キララ・・・」
男の子「うん大丈夫!ありがとう!」
魔法少女キララ?「道路を渡るときは気を付けてね? それじゃあ!!」
??「あれは・・・」

〇学校の校舎
ヒカリ「ふぅ・・・ 今日も終わった・・・」
ヒカリ「あの人・・・怪人? 変なことしてないかな・・・」
「ねぇ聞いた? 昼間この近くで魔法少女キララが・・・」
ヒカリ「ええ!?」
「うん! 子どもを助けたんだって! カッコいいよね〜」
ヒカリ「わたし・・・そんなこと・・・」
ヒカリ「まさか・・・!」

〇綺麗なリビング
魔法少女キララ?「もうそろそろ帰ってくるころかね」
  ピンポーン
魔法少女キララ?「ん?誰だ?」
??「・・・」
魔法少女キララ?「えーっと・・・どちら様・・・ でしたっけ?」
魔法少女キララ?(マズい・・・ あいつの知り合いか?)
??「お前・・・ 一体こんなところで何をしている?」
魔法少女キララ?「え?」
魔法少女キララ?「お前・・・!? 怪人ポゼッションか!」
??「気付いたかスライム怪人 昼間お前を見たぞ? 子どもを助けたりなぞして正義の味方にでもなったつもりか?」
魔法少女キララ?「い・・・いやそれは・・・ 本物の魔法少女キララの信用を勝ち取って利用してやろうかと・・・」
??「・・・ まぁそういうことにしておいてやろう 我々は何時でもお前たちを見張ってることだけは忘れるなよ?」
魔法少女キララ?「・・・」

〇綺麗なリビング
ヒカリ「・・・ただいま」
魔法少女キララ?「お・・・おかえり・・・」
ヒカリ「・・・」
魔法少女キララ?「? どうしたの?」
ヒカリ「あなた・・・ 昼間、キララに変身したでしょ?」
魔法少女キララ?「あ!」
魔法少女キララ?「そ・・・それはその・・・ 子どもがトラックに轢かれそうになってたからその・・・つい」
魔法少女キララ?「お・・・怒ってる?」
ヒカリ「ううん・・・ すごく嬉しかった・・・」
魔法少女キララ?「え?」
ヒカリ「まさかあなたが進んで人助けをするなんて・・・」
魔法少女キララ?「い・・・いやぁ〜 アハハ・・・」
ヒカリ「怪人でもあなたみたいな心優しい人もいるのね」
魔法少女キララ?「うっ・・・」
魔法少女キララ?「・・・」
ヒカリ「どうしたの?」
魔法少女キララ?(怪人・・・ そうだ・・・ 今もどこかで組織のやつらがどこかで・・・)
魔法少女キララ?「そ・・・そうだー! 疲れたでしょー? シャワー浴びよう流してあげるー」
ヒカリ「えぇっ!? どうしたの!?」
魔法少女キララ?「いいからいいから〜」

〇清潔な浴室
  シャァァァァ・・・
ヒカリ「一体どうしたのよ?」
魔法少女キララ?「静かに・・・ どうやら組織のやつらにここを嗅ぎつけられたみたいだ・・・」
ヒカリ「えぇっ!? じゃあわたしがキララってことも!?」
魔法少女キララ?「多分・・・ どうする?」
ヒカリ「とりあえず・・・ 現状維持としましょう・・・」
魔法少女キララ?「えぇっ!? そこは逃げるか戦うんじゃないの?」
ヒカリ「どのみち見張られてるのならこっちの方が分が悪いし・・・」
魔法少女キララ?「それなら相手の様子を見るってことか・・・」
ヒカリ「うん・・・ とりあえず何事もないように振る舞おうと思う・・・」
ヒカリ「ところで他の怪人はあなたのことがわかるの?」
魔法少女キララ?「どうだろう・・・ 姿カタチは完全に似せてるんだけどなぁ・・・」
ヒカリ「それよ!」
魔法少女キララ?「え?なに?」
ヒカリ「だってあなた見た目だけだもの! 喋り方とか振る舞い方が全然違うし」
魔法少女キララ?「まぁ・・・ 元は男だし」
ヒカリ「もしあなたがわたしに完全になりきって、逆にわたしがあなたみたいに振る舞ったりしたら相手を翻弄出来ると思うのよ」
ヒカリ「せっかく同じ見た目なんだからこれを利用しない手はないわ♪」
魔法少女キララ?「んー 一理あるか・・・」
ヒカリ「それにあなた!」
魔法少女キララ?「?」
ヒカリ「あなたは見た目だけでなくキララに変身することも出来る・・・」
ヒカリ「能力だってコピー出来ているのだから 完全にわたしになりきるのなんて訳ないんじゃない?」
魔法少女キララ?「んーまぁ あくまでキララをコピーしただけだからなぁ」
魔法少女キララ?「最初にコピーしたときお前の身体に取りついただろう?」
ヒカリ「うん・・・」
魔法少女キララ?「人の内面をコピーするなら一度相手の体内に入りこまないと・・・」
ヒカリ「えぇっ!?」
魔法少女キララ?「安心しろって! 俺にの身体の一部をお前の中に入れてコピー出来たらすぐ出てくるから」
ヒカリ「うーん・・・」
魔法少女キララ?「よし!さっそくやるぞ!」
ヒカリ「えぇっ!?ちょっとまっ・・・ ゴボゴボゴボッ・・・!!」
ヒカリ「うぅっ・・・」

〇タンスの置かれた部屋
ヒカリ「うーん・・・」
「ねぇ・・・大丈夫?」
ヒカリ「はっ!!わたし・・・」
魔法少女キララ?「よかったー 目が覚めた! 大丈夫?」
ヒカリ「う・・・うん」
魔法少女キララ?「さっきはごめんなさい・・・ 善は急げって思って」
ヒカリ「う・・・うん」
魔法少女キララ?「それよりもどう? わたし、あなたみたいになれてる?」
ヒカリ「確かに喋り方は・・・」
魔法少女キララ?「それだけじゃないわよー あなた、この前の英語のテスト 赤点ギリギリだったでしょ?」
ヒカリ「な・・・なんでそんなことまで!?」
魔法少女キララ?「さっきわたしは人の能の記憶を司る海馬までコピーしたのよ だから今じゃあなたのことだったらなんでも理解出来る自信があるわ」
ヒカリ「えぇー・・・ そこまで来るとなんか気持ちわるっ」
魔法少女キララ?「そう言うと思ったー まぁでも安心して? これで思った以上にあなたの力になれそう」
魔法少女キララ?「だって魔法少女キララが実質2人いるようなものよ? それにこっちは相手の怪人の情報だって持ってるわけだし」
ヒカリ「それを言われると確かに安心かも・・・」
魔法少女キララ?「でしょ〜♪ ていうかあなたってけっこうおバカさんなのね(笑) 喋り方とかで誤魔化してるだけで」
ヒカリ「だ・・・だってぇ・・・」
魔法少女キララ?「わかってるわかってる! 勉強の他に魔法少女としても活動しなきゃだし一人暮らしだし・・・ あなたは頑張ってるって!」
ヒカリ「うぅー・・・」
魔法少女キララ?「もうこれ以上ないってぐらいあなたのこと知られちゃったんだから二人でいるときぐらい気を張らないで?」
魔法少女キララ?「あなたはもう一人じゃない・・・ わたしがいるんだから!」
ヒカリ「あ・・・ありがとう・・・」
魔法少女キララ?「じゃ、もう寝よ? また明日起きられなくなるよ?」
ヒカリ「うん・・・おやすみ・・・」

〇タンスの置かれた部屋
ヒカリ「ふぁぁ・・・ よく寝たぁ~」
魔法少女キララ?「ふぁぁ・・・ よく寝たぁ~」
ヒカリ「え・・・?」
ヒカリ「ヤバい! また寝過ごした!!」
魔法少女キララ?「あ!ほんとだ(笑)」
ヒカリ「なんで!? あなた昨日早くに起きれてたじゃない!? なんで今日は・・・」
魔法少女キララ?「だってほら今のわたしは昨日までのわたしとは違うから」
ヒカリ「えっ・・・ それってつまり・・・」
魔法少女キララ?「ヒカリの寝起きの悪さもコピーしたってことよ♪」
ヒカリ「そ・・・そんなことって・・・」
ヒカリ「ああーーー ともかく急がないとー!!」
魔法少女キララ?「落ち着きなよ~ それならさ!」
魔法少女キララ?「よっ!」
魔法少女キララ?「わたしが代わりに学校に行くわ!」
ヒカリ「えぇっ!? もう着替え終わったの!?」
魔法少女キララ?「着替えたんじゃなくて制服姿のあなたに変身したのよ」
ヒカリ「そんな〜 わたしがいっつも時間かけてメイクとかしてるのに一瞬で・・・」
魔法少女キララ?「普段通りに振る舞うようにするから今日ぐらいゆっくり休んでて?」
魔法少女キララ?「じゃ、行ってきまーす!!」
ヒカリ「い・・・いってらっしゃーい」
ヒカリ「大丈夫かしら・・・」

〇タンスの置かれた部屋
ヒカリ「しっかし暇ね・・・ 普段こんな時間ないから・・・」
  ピンポーン
ヒカリ「ん?誰かしら・・・」
ヒカリ「居留守しちゃお・・・ パジャマだし」
  ピンポーン
  ピンポーン
  ピンポーン
ヒカリ「あぁもう・・・ はーいちょっと待ってくださーい!!」

〇シンプルな玄関
ヒカリ「はいーどちら様ですかー?」
??「おいスライム怪人・・・ 何をしている? 我々の目的を忘れていないだろうな?」
ヒカリ「え・・・」
ヒカリ(誰・・・? スライム怪人って言った? この子も怪人? わたしをあの子と勘違いしてる・・・?)
??「おい・・・」
ヒカリ「あ・・・も、もちろん忘れてないさー! アハハ・・・」
??「・・・? まぁいい・・・ 明日、作戦を実行する お前にも1つ、重要な役割をしてもらう」
ヒカリ「さ・・・作戦!?」
??「明日の夕暮れ時市街の破壊活動を行う」
ヒカリ「破壊活動!?」
ヒカリ「それでわた・・・あいや俺に何をしろと?」
??「お前には魔法少女キララとして大衆の面前でブザマにやられてもらう」
ヒカリ「えーっと・・・ それってつまり・・・」
??「魔法少女キララがブザマにやられるところを見たら民衆からの信用も失墜するだろう」
ヒカリ「・・・っ!!」
ヒカリ「その間、本物のキララは? 騒ぎを聞きつけたら必ず来るはず・・・」
??「それなら心配いらない・・・ こちらで手を打つ」
ヒカリ「一体どうやって?」
??「貴様の知る必要はない・・・ せいぜい正義の味方を上手く演じることだ」
ヒカリ「・・・どうしよう」

〇綺麗なリビング
魔法少女キララ?「ただいまー ゆっくり出来たー?」
ヒカリ「・・・」
魔法少女キララ?「? どうしたの? 何かあった?」
ヒカリ「実は・・・」

〇綺麗なリビング
魔法少女キララ?「そっか・・・ そんなことが・・・」
ヒカリ「どうしよう・・・ いっその事わたしたち2人で暴れてる怪人たちをやっつける?」
魔法少女キララ?「ていうかキララが2人いるってたくさんの人たちに知られちゃうよ? それじゃあ」
ヒカリ「でもじゃあどうしたら・・・」
魔法少女キララ?「それにあいつ・・・ 怪人ポゼッションは本物はこっちで対処するって言ってたのよね?」
魔法少女キララ?「指定された時間帯ってヒカリって学校にいる時間なんじゃない?」
ヒカリ「・・・ 数学の補習がある時間ね・・・」
魔法少女キララ?「・・・うんそうね。 知ってた。今日先生から釘刺されたし」
魔法少女キララ?「じゃなくてあいつが手を打つって言ったのなら学校内に潜伏してるかもしれないってこと!」
ヒカリ「ねぇ? あの怪人ポゼッションってどんなやつなの? 普通の女の子に見えたけど」
魔法少女キララ?「あいつは他人に憑依して身体を乗っ取ることが出来るのよ・・・ あの身体も人間社会に溶け込むために利用してるだけ」
ヒカリ「じゃあ明日は学校の誰かに!?」
魔法少女キララ?「かもね」
魔法少女キララ?「下手にわたしたち2人が怪人の相手に周っても学校に潜伏してるかもしれないポゼッションがどう動くか・・・」
ヒカリ「じゃあやっぱり別れて対処する方がいいか・・・」
魔法少女キララ?「わたし、明日も学校行くね? ポゼッションについてはわたしの方が知ってるし」
ヒカリ「いや、わたしがポゼッションの相手をする・・・ 相手は要は茶番劇をするっていうなら大人しく話に乗ってあげましょ」
ヒカリ「少なくとも殺されることはないだろうしね」
ヒカリ「下手に本物のわたしが出てって正体がバレたら何しでかすかわからないもの・・・」
魔法少女キララ?「うーん・・・ そういうことなら・・・」
魔法少女キララ?「気を付けて・・・ ポゼッションは神出鬼没よ?」
ヒカリ「うん・・・」

〇学校の校舎
  翌日
ヒカリ(ふぅ・・・ なんか昨日学校行かなかったから なんか気まずいわ・・・)
ヒカリ(ってしっかりしろわたし! 怪人ポゼッションがいるかもしれないんだから!)
ヒカリ(しかし誰に成りすましているのかしら・・・ クラスの子? それとも先生?)
  キーンコーンカーンコーン
ヒカリ「あぁっ! 遅刻になっちゃう!」

〇教室
ヒカリ「ふぅ・・・ ギリギリセーフ・・・」
先生「あら笹木さんおはよう 今日の補習、忘れてないでしょうねー?」
ヒカリ「も・・・もちろんですよ~ アハハ・・・」
ヒカリ(うぅ・・・ でもわたしを足留めさせる絶好の理由よねこれって・・・)
ヒカリ(もしかして先生が・・・?)

〇教室
  12:00
  昼休み
ヒカリ「先生にも特に変わった感じは無かったな・・・」
ヒカリ「じゃあ一体誰に・・・」
  ピンポンパンポーン
  『1-Cの笹木ヒカリさん、至急職員室まで来てください』
ヒカリ「えぇっ・・・ わたし呼び出されるような事・・・」
ヒカリ「とにかく行かなきゃ!」

〇学校の廊下
ヒカリ「失礼しましたー」
ヒカリ「誰も読んでないだなんて・・・」
ヒカリ「・・・ 早く教室に戻らないと!」

〇教室
ヒカリ「チャイム前に間に合った〜」
ヒカリ(え・・・ なんでみんな席に座ってるの? 先生まだ来てないし、いつもならまだみんなおしゃべりしてるのに・・・)
ヒカリ「ねぇ・・・何かあったの?」
クラスメイト「・・・」
ヒカリ(様子が変・・・ まさか!?)
「あら、笹木さんようやく戻ってきたのね?」
ヒカリ「先生・・・ やっぱり先生が・・・!?」
先生「ふっ・・・やはり勘づいていたか 魔法少女キララ」
ヒカリ「怪人ポゼッション・・・ 先生に憑依しているのね?」
先生「憑依? それは少し違うなぁ」
先生「なぁ?俺?」
ヒカリ「え?」
ヒカリ「あぁっ・・・!!」
クラスメイト「あぁ、そうだな俺」
ヒカリ「これは・・・どういうこと!? あなた一人じゃないの!?」
先生「俺の能力は正確に言うなら寄生だ。 俺の精神を込めた種子を対象に埋め込むことで俺そのものの様に操れる・・・」
先生「まぁメインボディはこの肉体だがな この教室のやつらはみんな俺そのものと言って良い」
ヒカリ「じゃああなたをなんとかすればみんなを助けられるのね!」
ヒカリ「変身!!」
魔法少女キララ「みんなをこれ以上好きにさせない!!」
先生「あら・・・ 笹木さん・・・わたしに乱暴をするの?」
クラスメイト「笹木・・・ そんな怖い顔するなよ・・・」
クラスメイト「そうよ・・・ヒカリちゃん ヒカリちゃんもこっちにおいでよ・・・」
魔法少女キララ「くっ・・・ みんなの真似しないでっ!!」
先生「正義の味方が人に暴力なんて振れないよね・・・」
魔法少女キララ「お願いみんな・・・ 正気に戻って・・・」
先生「安心して笹木さん・・・ 何も辛いことなんてないわ・・・ あなたは・・・」
先生「わたしと一つになるのだから・・・」
魔法少女キララ「や・・・やめて・・・そんな・・・」

〇繁華な通り
魔法少女キララ?「くっ・・・」
怪人「どうした? 随分ボロボロだなぁ・・・ クックックッ・・・」
魔法少女キララ?(くっ・・・ 話が違うじゃない!! 何がやられた振りよ!! 完全に本気じゃないの!!)
魔法少女キララ?「あなたたち!! 一体どういうつもり!?」
怪人「クックックッ・・・ 教えてやる」
怪人「貴様が我々を裏切って魔法少女側に付いたことに気付かないとでも思ったか?」
怪人「これは貴様の公開処刑だ!!」
魔法少女キララ?「くっ・・・」
怪人「もうそろそろか・・・ お前の処刑執行人が来る・・・ 楽しみにしてな・・・」
魔法少女キララ?「まだだ・・・ まだ負けてないっ!!」
怪人「ちっ・・・ こいつまだこんな力が!?」
魔法少女キララ?「くらえっ!! ホーリーアロー!!!!!!」
魔法少女キララ?「決まった!!」
魔法少女キララ?「!? 弾かれた!!」
魔法少女キララ「・・・」
魔法少女キララ?「キララ!! よかった・・・無事だったのね? そっちは大丈夫だったの?」
魔法少女キララ「・・・」
魔法少女キララ?「・・・? どうしたの?」
魔法少女キララ「ホーリーライトウィップ!!」
魔法少女キララ?「あぁっ!!」
魔法少女キララ?「なんで・・・? キララ!?」
魔法少女キララ「黙りなさい!! 穢らわしい怪人!!」
魔法少女キララ「怪人の分際でわたしを騙ったことを後悔させてやる・・・」
魔法少女キララ「はぁぁっ!!」
魔法少女キララ?「くっ・・・ キララ・・・ 一体何があったの!?」
魔法少女キララ「・・・」
魔法少女キララ?「まさか・・・ まさかお前!!」

〇繁華な通り
魔法少女キララ「クックックッ・・・」
魔法少女キララ「あーっはっはっは!!!」
魔法少女キララ「ようやく気付いたか? スライム怪人・・・ 俺だよ。 怪人ポゼッションさ!!」
魔法少女キララ?「そんな・・・ ヒカリの身体が乗っ取られたなんて・・・」
魔法少女キララ「どうだ? 俺の魔法少女キララっぷりは? なかなかサマになってただろう?」
魔法少女キララ「そりゃあ貴様のコピーなんかとは違う・・・ オリジナルの肉体だからなぁ・・・」
魔法少女キララ「今やわたしが正真正銘本物の魔法少女キララよ!! 偽者が本物に勝てる道理はないわ!」
魔法少女キララ?「くっ・・・」
魔法少女キララ「あとさっき言ったことはね、本心よ?」
魔法少女キララ?「・・・え?」
魔法少女キララ「お前のことを穢らわしい怪人って思ってることよ!この宿主が!!」
魔法少女キララ「当然よねぇ!? だっていきなり化け物が自分そっくりに化けて我が物顔でそこにいるんだもの!!」
魔法少女キララ?「そんな・・・そんなの嘘だ!!」
魔法少女キララ「いいや嘘じゃないね!! 本当はお前のことを気味悪がってた!! お前のことを・・・」
魔法少女キララ?「じゃあなんで・・・」
魔法少女キララ?「涙なんて流してるのよ・・・」
魔法少女キララ「え・・・ な・・・なんで? 涙が・・・うっ・・・止まらない・・・」
魔法少女キララ?「やっぱりあなたはまだそこにいるのね・・・」
魔法少女キララ「くっ・・・黙れええええ!!! ホーリーライトウィップ!!!」
魔法少女キララ?「どうしたの? 全く当たらないわよ!?」
魔法少女キララ(何でだ!? あいつが早くなった? いやそうじゃない・・・ 攻撃しようとする瞬間に照準がズレる・・・)
魔法少女キララ(まさか・・・ 精神の奥底に封じたはずの本物が表に出ようとしているのか!!?)
魔法少女キララ「クソ・・・人間のくせに俺に逆らうなんて・・・」
魔法少女キララ?「キララはまだ生きてる・・・ そこでまだ戦ってるんだ!!」
魔法少女キララ?「キララ!! お願い!!戻ってきて!!」
魔法少女キララ「くっ・・・ こうなったら・・・」
魔法少女キララ「セイントソード!!」
魔法少女キララ?「無駄よ! 今のあなたの攻撃は・・・」
魔法少女キララ「いや違う・・・ こうするんだ!!」
魔法少女キララ「グフッ・・・」
魔法少女キララ?「キララ!! 一体何を!?」
魔法少女キララ「自由に効かない身体など・・・ クックックッ・・・ これでキララは死んでも俺はまた別の肉体で生き続けられる・・・」
魔法少女キララ?「そんな・・・」
魔法少女キララ「戦略的撤退ってやつさ・・・ クックックッ・・・ じゃあな もう会うこともないだろうがな」
魔法少女キララ「うっ・・・」
魔法少女キララ「うっ・・・ ご・・・ごめんなさい わたし、あなたを傷つけてしまって・・・」
魔法少女キララ?「キララ!! キララなのか!?」
魔法少女キララ「うん・・・わたし・・・」
魔法少女キララ?「いいよ・・・あなたのせいじゃないもの!!」
魔法少女キララ「グフッ・・・」
魔法少女キララ?「も・・・もういい!! 喋らないで!!」
魔法少女キララ「最後に一つお願いがあるの・・・」
魔法少女キララ?「最後なんて言わないでよ・・・」
魔法少女キララ「ハァ・・・ハァ・・・ わたしを食べて・・・」
魔法少女キララ?「え・・・」
魔法少女キララ「わたし・・・あなたのこと・・・少し知ってた・・・」
魔法少女キララ「スライム怪人・・・ 相手を捕食して取り込むことでその力を得る・・・ でも自分自身に力が無いせいで・・・」
魔法少女キララ「ほとんどが捕食なんて出来ない・・・ だから弱い怪人なんだって・・・」
魔法少女キララ「だからあなたがわたしになったときは・・・ びっくりしたなぁ・・・」
魔法少女キララ「最初は確かにあなたのこと・・・ 信用しきれて無かった・・・ でも・・・」
魔法少女キララ「あなたが子どもを助けたって聞いたときは本当に嬉しかった・・・ この人のこと・・・信用してもいいと思ったわ・・・」
魔法少女キララ「わたしのそばにいてくれる・・・ 一人じゃないって思えた・・・ 数日の間だけだったけど・・・」
魔法少女キララ「楽しかった・・・」
魔法少女キララ?「わ・・・わたしも・・・ 楽しかったよ・・・」
魔法少女キララ「わたしを捕食すれば・・・ わたしの力をあげられる・・・ だから・・・その力で・・・ 学校のみんなを助けて・・・」
魔法少女キララ?「え!?」
魔法少女キララ「学校のみんなはポゼッションに操られてしまってるの・・・ 多分今もまだ・・・ だから・・・今ならまだ・・・」
魔法少女キララ「死体を捕食しても生前程の力を得られないんでしょ・・・?」
魔法少女キララ「だから早く!!」
魔法少女キララ?「全く・・・ 自分が死にそうなのに他の人の心配なんて・・・」
魔法少女キララ?(そんなキララをコピーしたからわたしも変われたんだ・・・)
魔法少女キララ?「あなたの意志はわたしが受け継ぐ・・・」
魔法少女キララ「よかった・・・ これで安心して・・・いける・・・」
スライム怪人「大丈夫・・・ あなたの意志はわたしの中で生き続ける・・・」
魔法少女キララ「うん・・・」

〇学校の校舎
先生「ちっ・・・ 忌々しい魔法少女キララの肉体を奪えなかったのは残念だったが やつを消し去ることは出来た・・・ これで一先ずは」
クラスメイト「うぁぁぁぁっ!!!」
先生「!? 何事だ!?」
クラスメイト「やつです・・・ やつが・・・」
先生「やつ・・・だと?」
???「おまたせみんな・・・」
???「助けに来たよ!!」
  END

コメント

  • 初めましてです❣️わからんと申します
    私、スライムが好きなので
    読んでしまいました💕
    10分以上の
    長丁場お疲れ様でした💕
    ありがとうございました💕

  • 読了時間約19分だと長いので、いくつかエピソードを分けて投稿して欲しかったですね。
    あとお風呂のシーンは立ち絵無しでテキストだけでも伝わると思います。
    (服を着たままの立ち絵だと不自然)

    スライムと魔法少女が文字通り一心同体になるラストは熱かったです。

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