〇豪華な客間
音也(おとや)「・・・ん？」
音也(おとや)「どうした？ぼーっとして・・・」
音也(おとや)「あぁ・・・ピアノすごく良い音色だろ？」
音也(おとや)「良いやつ使ってるし、気持ちも込めてるから」
音也(おとや)「・・・」
音也(おとや)「弾きながら会話できるの器用でしょ？」
音也(おとや)「・・・そろそろ曲変えようかな」
音也(おとや)「さっきの曲の名前・・・"安らぎ"って言うんだけど──」
音也(おとや)「どう？俺に癒された？」
音也(おとや)「・・・それは良かった」
音也(おとや)「ん？次は何の曲だって？」
音也(おとや)「それは・・・まぁー」
音也(おとや)「秘密」
音也(おとや)「はじめてお披露目する曲だよ」
音也(おとや)「いつも通り俺の隣で聴いてて」
音也(おとや)「・・・・・・・・・・・・」
音也(おとや)「俺・・・」
音也(おとや)「いや、なんでもない」
音也(おとや)「もっと近くで俺のピアノ聴いて」
音也(おとや)「俺から離れないで・・・」
音也(おとや)「凄く良い曲だって？」
音也(おとや)「これは特別な曲だから、嬉しいよ」
音也(おとや)「伝えたいことがあるんだ・・・」
音也(おとや)「ん？・・・もちろん君にだよ」
音也(おとや)「ここまで聞いて予想つかないかな？」
音也(おとや)「まぁ、君は本気でわかってなさそうだな」
音也(おとや)「・・・・・・・・・」
音也(おとや)「・・・ずっと・・・ずっと前から・・・」
音也(おとや)「俺は君のことが大好きなんだ」
音也(おとや)「ピアノは好きだ」
音也(おとや)「生涯かけてピアノは続けていくと思う」
音也(おとや)「俺はピアノ以外のこと・・・」
音也(おとや)「特に人と関わる事が苦手だ」
音也(おとや)「このままピアノを続けるにしても──」
音也(おとや)「心の中はずっと１人で孤独なまま・・・」
音也(おとや)「満たされないまま生きていくんだろうなって」
音也(おとや)「君と出会う前までは、ずっとそう思ってた」
音也(おとや)「今は違う・・・」
音也(おとや)「君に１番近くにいてほしい」
音也(おとや)「ずっと・・・俺のピアノを聴いていてほしい」
音也(おとや)「君は俺にとっていつの間にか──」
音也(おとや)「かけがえのない存在になっていったんだ」
音也(おとや)「俺と一緒に・・・」
音也(おとや)「ずっと一緒にいてくれませんか？」
音也(おとや)「・・・・・・」
音也(おとや)「・・・・・・本当に？」
音也(おとや)「やった!!」
音也(おとや)「君のこと──」
音也(おとや)「一生離さないから!!」