Serendipity∞Horoscopeつまみ食い!

神月

16-3_デンジャラス・ミッション(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
  未だに誰も来ない部屋の中、考え込む彩音に視線を向けていたマスターは代わり彼女にこの場の事を説明していた。
  そこに彩音も付け加え
神月彩音「だから、ここにいる限り時間に間に合わない事はないんだけど・・・」
  黙り込み、表情を歪めている納言麗奈に視線を向け見つめていると、やがて彩音は意を決したように口を開いた。
神月彩音「・・・納言さん、執事の人と連絡とってどこにいるか聞いてもらえる?」
  その声に彼女は顔を上げ彩音へ向くと
神月彩音「私も、北条啓とあの街にいた所はぐれちゃってたんだ。居場所を聞いたら、あいつに連絡するから」
納言麗奈「北条啓、ってあの? 何故貴方が彼と共に行動して・・・」
納言麗奈「・・・まさか・・・」
神月彩音「一人じゃ厳しいかもだけど、君の所の執事とあいつが合流すれば・・・大抵の事態には対応出来るはず」
神月彩音「そして私と納言さん、あの二人で場所を決めて・・・合流する」
  間もなく、納言麗奈が電話をかける中彩音もまた啓と連絡を取ろうとスマホの画面をつける。
神月彩音「うわっ」
  履歴を見た瞬間声を上げ、そこには北条啓の名前が連なって並んでいた。
  意図して無視していたわけではないが、威圧的にも見える同名の羅列に深いため息を漏らし
神月彩音「あーあ、それどころじゃなかったもんなあ」
  とぶつぶつ呟きながら電話をかけるととぶつぶつ呟きながら電話をかけると数コール鳴り
北条啓「お嬢様っ! ご無事ですか!? いまどちらに・・・!?」
神月彩音「うるさっ!」
  と声を上げ表情を歪めるが、再び耳を当てると
神月彩音「詳しい事は後で言うけど、納言さんに会って今一緒にいるんだよね。で、ちょっとめんどくさい事になってるんだよね」
北条啓「え、それは・・・?」
  事情を話すと彼女の執事と合流して欲しいと伝え、それを聞いていた啓は唖然とした表情をしていた。
  彩音の姿を見ながら納言麗奈も唖然と口を開いており
納言麗奈「どうして・・・」
神月彩音「妙なことに巻き込まれてるって知った以上放っておけもしないでしょう」
神月彩音「一度は関わった事のある仲だし、全くの他人でもなくなっちゃったし」
納言麗奈「・・・ですが、あちらの二人はともかく私と貴方で彼らと合流するのは危険なのでは?」
納言麗奈「この場を教えて彼らを待った方が・・・」
神月彩音「それは出来ない。 ここは普通の人は入れない場所だから」
納言麗奈「・・・・・・」
マスター「手紙を受け取った者が未解決の場合この部屋からは出られません。解決に関して必要な場合のみ、一時的に出られます」
  しかし、その場合どこにでも出られる訳ではなく、特に未解決の場合は手紙を受け取る起点となった関連する場所にしか出られない。
  彩音と麗奈がマスターに視線を向ける中、マスターは顎に手を当てると
マスター「今回の場合、起点は黒スーツの誘拐犯に追いかけられている事と」
マスター「お父上にこの事が知られ、貴方と執事の立場が危ぶまれる事に関する貴方自身の不安」
マスター「つまり、合流地点に関わらず、貴方が解決の為に出るであろう場所は貴方が始めに襲われた場所か、手紙を開いた駅構内になります」
神月彩音「つまり、そこから合流場所までは自力で行かなきゃならない・・・」
  その時彩音の携帯が鳴り、二人が無事合流したと連絡が入る。
北条啓「由良さんとは無事合流出来たのですが・・・」
  電話の先、啓は歯切れ悪く彩音に告げ
北条啓「周囲に視線を感じます。 おそらく話にあった者達でしょう」
  スピーカー越しに聞こえた声に麗奈が反応すると
北条啓「私達を襲う気配は見られませんが、おそらくお嬢様方と合流する事を見越して見張っていると思われます」
神月彩音「合流する所を狙うつもりかね・・・?」
北条啓「おそらくそうでしょう」
神月彩音「合流すんのも一苦労しそうね?」
納言麗奈「やはり、お父様に連絡致しますわ」
  その声に彩音は目を丸くして麗奈を見ると、彼女は携帯を握りながら
納言麗奈「ここまで大きくなっては、どの道お父様の耳にもこの事は伝えねばならないでしょう」
納言麗奈「巻き込む形で貴方まで危険に晒す訳には・・・」
  と彼女が電話をかけようとした時、その手は彩音に止められた。
納言麗奈「っ!」
  視線を向けると彩音は目線で圧力をかけるように麗奈へ視線を向けていた。
  そして口を開くと、その声はスピーカー越しに啓の耳にも届いていた。
神月彩音「私はただのお嬢様じゃないから」
  言葉を詰まらせたまま唖然とする麗奈に投げかけ続け、ぐっと携帯を握る腕を抑え込むと
神月彩音「人一人守るくらいの力はあるつもり。 いや、何としても無事合流地点まで送り届けてみせるよ」
納言麗奈「・・・・・・」
神月彩音「・・・啓、話をよく聞けよ?」
  やがて、掴んでいた彼女の腕を離し携帯を耳に当てると
神月彩音「パーティー会場の近くに公園があるんだけど、そこで合流。 こっちはこっちで向かうから」
北条啓「え? それは・・・」
神月彩音「私が納言さんを護衛するって言ってんの」
納言麗奈「・・・はあっ!? どういうことですの!?」
  隣から納言麗奈の声が聞こえるが、彩音は視線を向けることなく会話を続ける。
神月彩音「執事は命令だって言ったら従うんでしょ。 これは命令だ」
北条啓「ですが・・・」
神月彩音「どれだけ危険な事かは分かってる。 だけどそっちの警戒も必要ではあるでしょ」
神月彩音「私が護衛する。この意味は分かるよね?」
北条啓「・・・・・・」
  ソファに座り、テーブルに鞄から取り出したノートパソコンを開く姿に
マスター「まさか、誰もが所用で遅れている中貴方自ら彼女の護衛に当たるなんて」
  まるで感心するような声に彩音は画面を見つめながら目を細め、間もなく彩音はPCを畳み
神月彩音「さて・・・行こうか」
  唖然とした様子の中、ノートPCを脇に抱え鞄を肩にかけると扉へと向かおうとした時、目の前の扉が開くと彩音は立ち止まった。
???「っと、危ない」
  そう現れた人物と互いに目を丸くしていたものの、彩音に対して笑みを浮かべると
六本木一「マスターから連絡を聞いて、急いで戻って来たんだ」
マスター「間に合いましたね」
  彩音の背後にいたマスターも六本木を見て笑みを浮かべながらそう答えると、間もなく彼女らの作戦が始まろうとしていた。

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