花姫様と最強の冷徹騎士様

ちゅるちゅるめん

新たな道に向けて(脚本)

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〇上官の部屋
ゼルベイク「おかえり、久々の帰省はどうだった?」
アレグラット「久々にゆっくり家族と話せました。 突然の休暇申請を承認していただき、ありがとうございます」
ゼルベイク「アルは元から働きすぎだったんだ、これくらいがちょうどいい。・・・胡桃さんと婚約したそうだね、おめでとう」
アレグラット「ありがとうございます。もう知らせが届いていたのですね」
ゼルベイク「この前アルが作った【テレポート・レター】が早速役に立ったということだよ」
アレグラット「光栄です」
ゼルベイク「婚約したということは・・・ローゼとヴイッツの結婚後に、共にあちらへ行くことはないということだね」
アレグラット「そうなりますね。僕はあちらの家へ婿入りしますので」
ゼルベイク「君には今までよく頑張ってもらった。ローゼが結婚する2年後の3月、卒業式の日に君を騎士の任務から降ろそう」
ゼルベイク「アル、君は今まで1国の姫を約10年間も、ずっと守り続けてくれていた。今後は自分の幸せを探すといい」
ゼルベイク「いつか、君が心から笑える日がくるよう願っているよ」

〇城の廊下
ダルメリアス「アレグラット様!」
アレグラット「ダルメリヤス様、お久し振りですね」
ダルメリアス「兄上から聞きました。どうしても姉上とは結婚できないのですか...?」
アレグラット「・・・ダルメリヤス様」
ダルメリアス「僕は疑問です。なぜなら、僕にはわかるからです。アレグラット様と姉上がおた──」
アレグラット「【Shout(口を紡げ)】」
ダルメリアス「・・・!」
アレグラット「ダルメリヤス様、お気持ちはこのうえなく嬉しいのです。それでもこの国の未来を思えば避けては通れぬ道なのですよ」
アレグラット「それに・・・僕はともかく、シャイローゼ様が僕を想うということは決してないです」
アレグラット「あの方は、ヴィッツ様との婚約をすぐに受け入れたと聞きました。それに僕といるよりヴィッツ様の隣の方がよほど安全だ」
アレグラット「・・・すみません、突然言霊なんて使って。今解きます」
ダルメリアス「・・・あ」
アレグラット「では、失礼します」
ダルメリアス(違う、違うんですよアレグラット様。だって姉上はいつだってアレグラット様のことを・・・)
???「2人で何を話していたのかな」
ノンヴィティエス「やぁ、ダルメリヤス君」
ダルメリアス「ノンヴィティエス様・・・」

〇ファンタジーの教室
アレグラット「胡桃様、帰りましょう」
蝶々夜胡桃「うん、ちょっと準備するから待ってて」
生徒「本当だったのか、あの2人が婚約したという噂は」
生徒「あの舞踏会で魅せられた夢は現実となったのね。お二人の挙式、是非とも参列したいわ」
アレグラット(婚約した日から、俺はなるだけ胡桃様と行動を共にするようになった)
アレグラット("彼女"を忘れられるように、そして胡桃様を心から愛せるように)
アレグラット(他に愛しい方がいる中婚約するだなんて、やはり胡桃様に悪いだろうか・・・いや、貴族の運命と僕も彼女も受け止めるしかない)
アレグラット(今自分がやるべきは、ローゼ様を守りつつ胡桃様と共にいること)
アレグラット(そしてミルェーツを特定し、八つ裂きにすること)
「お待たせ、帰ろっか」

〇宮殿の門
蝶々夜胡桃「それにしても、私たちの婚約がここまで広まるとは・・・」
アレグラット「えぇ、シャイローゼ様とヴィッツ様の婚約と同じくらいに広まりました・・・ただの子爵家と伯爵家の婚約だったのに」
蝶々夜胡桃「そうとも言いきれないわ。なんたって、王の妹の騎士と、現王妃の妹の婚約だもの」
蝶々夜胡桃「あなたの家も伯爵家とはいえ、この国の兵力の要じゃない。正直、もっと家の位が高くても誰も文句言わないと思うのだけれど」
アレグラット「うちは、あまり権力がどうとかはあまり考えておりませんので。現状に満足できています」
蝶々夜胡桃「まあそうだね、兵力もあって権力も土地もそれなりにある。それ以上を望めば国家の脅威にだってなりかねないもの」
蝶々夜胡桃「──さて、こんな話は終わり。そろそろ帰りましょうか」
蝶々夜胡桃「というかアル、私たち一応婚約しているのよ?そろそろ敬語外してほしいな」
アレグラット「ですが、私達には家柄に差が・・・」
蝶々夜胡桃「結婚したら、同じ爵位になるわ。つまり、私たちは平等な立場なの!だから、はい!」
アレグラット「・・・く、胡桃」
蝶々夜胡桃「もっと大きな声で!」
アレグラット「っ、胡桃!・・・早く行こう」
蝶々夜胡桃「うん、バッチリ!じゃあこれからはずっとそのまんまでね!」
蝶々夜胡桃「じゃあ早く行こ行こ~」
アレグラット「あ、意外と行動が早い・・・」

〇上官の部屋
ゼルベイク「突然放課後に呼び出してすまないね、2人とも」
シャイローゼ「いいえお兄様、私はいつでも大丈夫ですので」
アレグラット「それで、本日はどうされましたか」
ゼルベイク「先日、ローゼとヴィッツ君の婚約を本国で発表したね。 ヴィッツ君と本家曰く、あちらの国でも正式に発表したいらしいんだ」
シャイローゼ「つまり、私たちがあちらの国に赴く・・・ということですか?」
ゼルベイク「そう、そしてあちらの貴族達に出来るだけ気に入られてきてほしいんだ。あちらの国は貴族の力が絶大だからね」
アレグラット「そして、私はシャイローゼ様の護衛をするという形でよろしいでしょうか」
ゼルベイク「あぁ、でも今回は胡桃さんを連れていくといい。いわば視察だ」
ゼルベイク「君達の結婚は国として見逃せない。だから君達視点であちらの国の情報を出来るだけ拾ってきてほしいんだ」
ゼルベイク「その情報を君達それぞれの家、そして国の発展へと繋げてほしいんだ。意味はわかるね?」
アレグラット「勿論です。では私から胡桃様に伝えましょうか?」
ゼルベイク「あぁ、お願いするよ」
ゼルベイク「日にちは今年の夏季休暇期間の2週間だ。学園の先生方にも伝えてあるから、活動会に関してはなんの問題もないはずだ」
ゼルベイク「ということで、頼んだよ」
「おおせのままに」

〇屋敷の寝室
蝶々夜胡桃「ここの魔方陣はどう組み合わせるのかしら・・・」
蝶々夜胡桃「わっ、アルから私宛の手紙・・・?」
蝶々夜胡桃「なるほどね、これならあっちでこの魔法を完成させる魔法書があるかも・・・それに」
蝶々夜胡桃「また4人で一緒に出掛けられるだなんて、嬉しいな。前の夏祭りが最後だと思っていたから・・・」
蝶々夜胡桃「よし」
蝶々夜胡桃「ねえ、そこの貴女。今お父様はお忙しいかしら?」

〇英国風の図書館
アレグラット「色彩の悪魔について、色彩の悪魔の歴史、教会と悪魔の関係...あとは古代語の本か」
アレグラット「一旦これだけあれば十分か」
  色彩の悪魔は7体おり、そのなかの4体が神話の時代に討伐が確認されている
  ”赤の悪魔スレヴィレータ”
  幾度となく世界を火で燃やしつくし、燃やした人間の中で気に入った人間を悪魔にした(討伐済)
  ”青の悪魔ヴィルヘヴィア”
  世界を己と同じように憎しみと悲しみで満たすため、人間の心を惑わして戦争を起こさせた(封印済)
  ”緑の悪魔ジルマリナ”
  植物の魔法を操り、人間を糧に新たな植物由来の悪魔を産み出し続ける悪魔の母親と呼ばれる(未討伐)
  ”紫の悪魔クルバート”
  彼の歩く道全てにある植物や生物を全て腐らせていく毒性の強い、身体の小さな悪魔(討伐済)
  ”黒の悪魔ガズルニー”
  世界を1年間人間のみを眠らせる呪いの濃霧に包み、人間を滅ぼそうとしたが亜人族にて討伐(討伐済)
  ”黄の悪魔ミシェルガ”
  貪欲だが、剣術と魔術に長けていて代償によってはなんでも願いを叶える魔剣(シャルメーク国にて保管)
アレグラット「しれっと出てくるが、こいつって魔剣にされる前の神話の時代では世界中荒らしていたらしいな・・・他に比べれば温厚な方なのか」
  ”桃の悪魔ミルェーツ”
  唯一の例外で、肯定的な感情を残している。
  愛する運命の人の魂を食らうために人間に化けて生息する
  記憶と肉体を操作する術に長けている
アレグラット「未討伐、か」
アレグラット「記憶と肉体を操作する術に長けている・・・もしかして、俺があいつをここまで憎む理由がわからないのもそのせいか?」
アレグラット「というか、あいつが愛する運命の人を探しているだなんて気色が悪いにもほどがある」
アレグラット「ミルェーツが最後に確認された国は・・・もちろん記載なしか」
アレグラット「それに古代語が必要な本がここには多すぎる。古代語はまだ習ったことがないんだがな・・・」

〇巨大な城門
シャイローゼ「じゃあ今日からよろしくね、ヴィー!」
蝶々夜胡桃「よろしくヴィー。今日が待ち遠しくて私・・・ふぁー・・・少し寝れてないわ」
アレグラット「ノンヴィティエス様、よろしくお願いします」
ノンヴィティエス「あぁ、これから2週間よろしく。久々だね、校外で4人一緒にいれるのなんて」
ノンヴィティエス「これから1日、港から出ている船に乗ってハルルク王国に向かう。うちの老院たちに挨拶を済ませてからはしばらく自由時間だ」
ノンヴィティエス「ただ、ローゼさんだけ何日かは王宮で婚約発表の準備があるから。手間を取らせてすまないね」
シャイローゼ「そんなの全然良いのよ。それより胡桃ってば、早く寝なくちゃダメじゃない。もう、子供じゃないんだから」
アレグラット「胡桃は、船の中で少し仮眠を取れ。なにかあったら俺がすぐ行くから」
蝶々夜胡桃「そうするわね。ありがとう」

次のエピソード:ヘイサール王国

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