NEO IMPACT -O/D SCALE-

イグニス

episode10「カウントダウン開始」(脚本)

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イグニス

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〇荒廃した街

〇荒廃した教会

〇崩壊した道

〇地下実験室
  ○○○○研究所にて
シルエット(女)「出してください!!」
シルエット(女)「私にも手伝わせてください!!」
シルエット(年配男性)「ならぬ!!」
シルエット(年配男性)「お前を失うわけにはいかないのじゃ!!」
シルエット(女)「でも・・・!!」
シルエット(女)「このままでは、世界が・・・!!」
???「○○○○博士!!」
???「早く準備を!!」
シルエット(年配男性)「分かっておる!!」
シルエット(年配男性)「心配ない」
シルエット(年配男性)「いつかまた会えるから、先に安全なところへ避難するんじゃ」
シルエット(年配男性)「私も後で追うからの」
シルエット(女)「いや・・・いやです!!」
シルエット(女)「おじいさま──!!」
シルエット(女)「おじいさ・・・」
シルエット(女)「・・・」
シルエット(年配男性)「すまない・・・本当にすまない・・・」
シルエット(年配男性)「もうしばらくの辛抱じゃ・・・」
シルエット(年配男性)「待っていてくれ、○○○」

〇宇宙船の部屋
アイネ・ラハリア「──!!」
アイネ・ラハリア「ここは・・・!?」
カイト・シュナイダー「アイネ!?」
カイト・シュナイダー「よかった、目を覚ましたんだね」
アイネ・ラハリア「カイト・・・」
アイネ・ラハリア「私はどうしてここで寝ていたのですか?」
カイト・シュナイダー「昨日ネメシス軍の戦線布告の映像が流れてから、巨大なビーム兵器が日本の渋谷を襲ったんだけど」
カイト・シュナイダー「アイネが何かに怯えたような反応をして気絶してしまったんだよ」
カイト・シュナイダー「あの時はびっくりしたよ」
アイネ・ラハリア「そうでしたか・・・」
カイト・シュナイダー「今はなんともない??」
アイネ・ラハリア「はい、大丈夫です・・・」
カイト・シュナイダー「それならよかったけど・・・」
カイト・シュナイダー「何かいやな”夢”でも見たの??」
アイネ・ラハリア「えっ??」
カイト・シュナイダー「さっきここに着いたとき、アイネがうなされていたから」
カイト・シュナイダー「どうしたんだろうって思ってさ」
アイネ・ラハリア「・・・」
アイネ・ラハリア「いえ・・・ただ・・・」
アイネ・ラハリア「夢にしては、何か見覚えがあったように感じましたが」
アイネ・ラハリア「具体的なことはよく思い出せなかったです・・・」
カイト・シュナイダー「そうだったんだ・・・」
カイト・シュナイダー「でも、目覚めてくれてよかったよ」
カイト・シュナイダー「長居すると悪いから、もう出るね」
カイト・シュナイダー「またね」
アイネ・ラハリア「・・・」
アイネ・ラハリア「あの光景は」
アイネ・ラハリア「何だったのでしょうか?」

〇近未来の会議室
  ネメシス軍
  会議室にて
ネメシス軍のリーダー兵士「閣下、よかったのですか??」
ネメシス軍のリーダー兵士「いきなり攻撃してしまっては・・・」
ウォルフガン・ウルマン「何を言うのかね??」
ウォルフガン・ウルマン「これは必要なことだったのだよ」
ウォルフガン・ウルマン「メサイアの一味がいたのだからな」
ネメシス軍のリーダー兵士「なっ、あの日本にですか??」
ネメシス軍のリーダー兵士「残党がいただなんて、恥ずかしながら存じ上げておりませんでした・・・」
ウォルフガン・ウルマン「まあよい、何せ極秘で得た情報だからな」
ウォルフガン・ウルマン「どうやら他の国にも反乱因子がまだいるようだが」
ウォルフガン・ウルマン「他はまとめて焼き払えばいい」
ウォルフガン・ウルマン「はっはっはっは──!!」
レザン・バスティール「・・・」
レザン・バスティール「ふんっ」

〇宇宙戦艦の甲板
  メサイアの格納庫にて
カイト・シュナイダー「・・・」
???「お疲れちゃ~ん!!」
カイト・シュナイダー「アーロンさん!!」
アーロン・スタイナー「がんばっているみたいじゃねぇか~」
カイト・シュナイダー「お疲れ様です」
カイト・シュナイダー「いつも整備してもらってありがとうございます」
アーロン・スタイナー「どんなもんでぇい」
アーロン・スタイナー「むしろ、珍しいもんを触らせてもらってありがてぇよ!!」
アーロン・スタイナー「おもしろくて、しょうがねぇや」
カイト・シュナイダー「やっぱり、珍しいんですね」
カイト・シュナイダー「僕のジークは」
アーロン・スタイナー「今まで色んな機体を整備したけどな」
アーロン・スタイナー「ここまで、訳分かんないものをいじったことはねぇさ」
アーロン・スタイナー「お前さん、よく乗りこなせるな??」
カイト・シュナイダー「いえいえ、僕はただオー・・・」
カイト・シュナイダー「・・・じゃなかった、まぐれですよ、ははは」
カイト・シュナイダー(危ない、危ない)
カイト・シュナイダー(O/Dのことは話しちゃだめなんだった・・・)
アーロン・スタイナー「まあでも、このジークってやつは、将来すごいMUになりそうだと俺は思うぞ」
カイト・シュナイダー「そうですか??」
カイト・シュナイダー「兵器なのにですか??」
アーロン・スタイナー「いや、なんつうか、言葉で表現するのは難しいが・・・」
アーロン・スタイナー「何か秘めたるものを宿していそうでよ」
アーロン・スタイナー「そもそもこのジークが全く違うMUに変身する時点で変だなって思ったが・・・」
アーロン・スタイナー「世界を変える”チカラ”がありそうだなって感じたんだよ」
アーロン・スタイナー「って、何の根拠もないがな!!」
アーロン・スタイナー「がははは!!」
カイト・シュナイダー「何ですか、それ」
カイト・シュナイダー「世界を変える”チカラ”か・・・」
アーロン・スタイナー「じゃあ、そろそろ仕事に戻るわ」
アーロン・スタイナー「無理せずにがんばるんだぞ、カイト!!」
カイト・シュナイダー「はい、アーロンさんもがんばって」
アーロン・スタイナー「また明日な~」
カイト・シュナイダー「よしっ!!」
カイト・シュナイダー「あとこれだけやっておこう」

〇ブリーフィングルーム
  メサイアのブリーフィングルームにて
ナディア・ヴィレナーヴ「みんな、今日緊急で集まってもらったのは打倒ネメシススターの他ないわ」
ナディア・ヴィレナーヴ「先日の宣戦布告を受けて、これから私たちはネメシススターを破壊することが決まったわ」
キャシア・フレシェット「えぇ、あのおっきい拠点を潰すの!?」
陳莉安(ジン・リアン)「いくら何でも無茶ですよ、艦長・・・」
デビン・スウィフト「そうだぜ、どうやってあのデカブツを倒すんだ??」
マイク・スティンガー「パワーアップした俺たちのMUがあってもとても難しいですよ・・・」
ナディア・ヴィレナーヴ「みんなの言うとおりね」
ナディア・ヴィレナーヴ「でもね」
ナディア・ヴィレナーヴ「諦めるにはまだ早いわ!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「ここで止めないとみんな滅んでしまうわ!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「だから、理事長からいいアイデアを頂いたわ!!」
カイト・シュナイダー「理事長が!?」
カイト・シュナイダー「どんなアイデアですか??」
ナディア・ヴィレナーヴ「まずはこれを見てちょうだい」
ナディア・ヴィレナーヴ「理事長の話によると、あのネメシススターは大きな装置を搭載していることが分かったわ」
デビン・スウィフト「この短時間でそんなに分かるのか!?」
マイク・スティンガー「どんな装置なんですか?」
ナディア・ヴィレナーヴ「ごめんなさい、装置の名前はどうしても分からなかったみたいだけど・・・」
ナディア・ヴィレナーヴ「ただ、あの巨大なビームを発射する時に、莫大なエネルギーが消費された痕跡がG.A.F.Tの調査班より分かったそうなのよ」
ナディア・ヴィレナーヴ「この断面図にも書いてあるでしょう?」
陳莉安(ジン・リアン)「確かにそのエネルギーが詰まった装置を破壊すればよさそうですが」
キャシア・フレシェット「その装置、拠点の中心地ですよ!? 簡単に入れないじゃないですか!?」
マイク・スティンガー「まともに近づける場所ではないですね・・・」
デビン・スウィフト「とても真正面から攻めるのは妥当じゃないな・・・」
デビン・スウィフト「それに、その装置を壊すだけの破壊力を持つ武器がねぇぞ・・・」
マイク・スティンガー「このままではMUで破壊するのは現実的ではありません・・・」
???「いえ、僕がその破壊する役やります!!」
マイク・スティンガー「なっ!?」
デビン・スウィフト「お前!?」
カイト・シュナイダー「僕のジークなら、その装置を破壊する力はあります」
ナディア・ヴィレナーヴ「勝算はあるのかしら??」
カイト・シュナイダー「分かりません、ですが・・・」
カイト・シュナイダー「ですが、ジークのバルムンクを使えば巨大な装置を一刀両断できるはずです!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「とても危険だけど、他にいい武器はないもんね・・・」
デビン・スウィフト「だったら、そのバルムンクにかけようじゃねぇか!!」
マイク・スティンガー「デビン、お前──!!」
デビン・スウィフト「他に案がなければ、少しでもできることやらねぇとな!!」
カイト・シュナイダー「デビンさん、いいんですか??」
デビン・スウィフト「当ったり前よ!!」
デビン・スウィフト「俺がカイトのために、援護してやらぁ!!」
マイク・スティンガー「君ってやつは・・・」
マイク・スティンガー「なら、俺もカイトの援護をしよう」
マイク・スティンガー「少しでも時間を稼げるMUが必要だろう」
カイト・シュナイダー「マイクさん」
マイク・スティンガー「ただし、足は引っ張るなよ、カイト」
カイト・シュナイダー「はい、全力で叩き潰します!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「どうやら、決まりね」
ナディア・ヴィレナーヴ「でも、無理はしないで!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「みんな、全員で生きて帰ること、いいわね??」
「了解!!」

〇兵器の倉庫
  ネメシス軍の格納庫にて
レザン・バスティール「・・・」
レザン・バスティール「オルダよ、教えてくれ」
レザン・バスティール「どうして、俺は”死なない”?」
レザン・バスティール「呪いの機体なんだろう、お前は??」
???「やあ、レザン」
レザン・バスティール「閣下!?」
ウォルフガン・ウルマン「次の作戦、お前も出てもらうぞ」
レザン・バスティール「はっ、しかしどういった任務でしょうか?」
ウォルフガン・ウルマン「簡単なことだ」
ウォルフガン・ウルマン「この”要塞”の守護兵(ガーディアン)になってもらうため」
ウォルフガン・ウルマン「少々改造してもらうぞ、レザン」
レザン・バスティール「改造・・・ですか」
ウォルフガン・ウルマン「何だ、怖くないのか??」
レザン・バスティール「いえ、俺に必要なのは”チカラ”のみです」
レザン・バスティール「中途半端な”チカラ”は不要です」
ウォルフガン・ウルマン「はははは、これはおもしろい!!」
ウォルフガン・ウルマン「ならば、見せてもらうぞ!!」
ウォルフガン・ウルマン「お前の凌駕する”チカラ”とやらを」
レザン・バスティール「はっ、閣下の仰せのままに」
ウォルフガン・ウルマン「では、頼んだぞ」
レザン・バスティール「・・・」
レザン・バスティール「そもそもMUは会話なんかできないか」
レザン・バスティール「何を馬鹿げたことをしているんだ、俺は」

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