ペルソナの微笑

鳳条

第1話(脚本)

ペルソナの微笑

鳳条

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ペルソナの微笑
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〇教室
凛「香穂ちゃんは、なんで転校してきたの?」
香穂「お父さんの仕事の都合で、こっちに引っ越すことになったんだ」
香穂「前は共学に通ってたから、女子高ってすごく新鮮だなって」
凛「そうなんだ〜 共学も楽しそうだし、私は憧れるな〜」
凛「共学だったら彼氏出来そうだし!」
凛「ね、美月ちゃんもそう思わない?」
美月「そうねぇ・・・ 私はあんまり、恋愛には興味がないから」
凛「んー、そっかぁ・・・ 美月ちゃん可愛いのにもったいないなぁ」
香穂「確かに、前の学校に美月ちゃんがいたら、すごくモテモテだったと思う」
凛「ほらほら、やっぱり〜! 今からでも共学行ってみる?」
  そのとき、教室のドアが開いた。
小野「・・・・・・」
凛「・・・やば、小野が来た 授業の準備しなきゃ」
香穂「次の授業って数学だったっけ?」
美月「ええ、そうよ 今入ってきたのが、数学の小野先生ね」
凛「小野はねー・・・ 怖いっていうか感じ悪いっていうか・・・」
凛「授業も淡々としてるし、あんまり笑わないし 何考えてるのかよく分かんないから苦手ー」
凛「ちょっと前までは、あんなんじゃなかったと思うんだけど────」
小野「──授業始まるぞ、自分の席に座りなさい」
凛「あ、やば、教科書ロッカーの中だ 取ってくる!」
美月「私も自分の席に戻るわね」
香穂「・・・・・・」
小野「・・・ああ、そういえば」
小野「今日から転校生が来てるんだったな、A組は」
小野「えーっと・・・?」
香穂「・・・あ・・・」
小野「・・・ああ、そこか───」
小野「・・・・・・、・・・」
香穂「・・・あ、えっと・・・」
小野「────相澤さん、か 数学の小野です、よろしく」
香穂「よ、よろしくお願いします・・・」
香穂(・・・なんだろう、今の微妙な間は・・・)
香穂(私を見て・・・なんだか一瞬、驚いたような顔をしてた気がするけど───)
  そこに、授業開始のチャイムが鳴る。
小野「・・・授業始めるぞ、号令」
生徒「起立────」

〇教室
  授業後───
凛「・・・ふわぁ・・・」
凛「1時間目の数学は眠すぎ・・・」
香穂「1時間目はどうしても眠くなっちゃうよね」
凛「しかも今日の内容難しすぎて全然分かんなかったし・・・」
凛「香穂ちゃん、小野の初授業はどうだった?」
香穂「うーん・・・ 普通だったような気もするけど・・・」
香穂「淡々としてる、っていうのは納得かなぁ」
凛「だよねぇ・・・ それもあって余計に眠くなっちゃう」
凛「でも、テストも近いし頑張らないとなぁ」

〇教室
  ──昼休み
生徒「めっちゃお腹空いたー、食堂行こー」
生徒「今日何食べるー?」
美月「香穂ちゃん、お昼は誰かと一緒に食べるの?」
香穂「あ・・・ううん、まだ決めてないよ」
美月「そうなのね、良かったら一緒に食べない?」
美月「初めてだから、食堂の場所も分かりづらいかもしれないし」
香穂「いいの?すごく嬉しい、ありがとう」
凛「あ、香穂ちゃん、美月ちゃん! 私も一緒に食べるー!」
美月「ええ、もちろん じゃあ3人で一緒に食べましょう」
凛「ありがとー! それじゃあ早速、食堂にレッツゴー!」

〇おしゃれな食堂
  食堂にて───
凛「はー、お腹空いた〜」
凛「何食べよっかな〜」
美月「私はきつねうどんにしようかしら」
香穂「私は・・・どうしようかな」
凛「私のおすすめは唐揚げ定食だよ!」
凛「ここの唐揚げ、サックサクでジューシーですっごく美味しいの!」
香穂「そうなんだ・・・ じゃあ、唐揚げ弁当にしようかな」

〇おしゃれな食堂
凛「──香穂ちゃん、美月ちゃん! 空いてる席発見したよー!」
美月「ありがとう、凛ちゃん ここで食べましょうか」
香穂「結構混んでるね・・・」
凛「お弁当を持ってくる子もいるけど、だいたいの子が食堂で食べちゃうからね〜」
凛「席なんて早い者勝ちみたいなもんだし──」
???「───ちょっと、そこ私が座ろうとしてた席なんだけど!」
「・・・・・・!!」
  3人が声のした方を見ると───
妃奈「───勝手に座んないでよ、三浦のくせに!」
一花「・・・あ、ご・・・ごめん・・・」
  3人から少し離れたところで、一人の生徒が、座っている生徒に詰め寄る姿が見える。
妃奈「さっさと他のところ行ってくんない? マジでイラつくんだけど」
香穂「え・・・な、なにあれ・・・」
凛「うわー・・・市村さんまたやってる・・・」
美月「・・・・・・」
桃「妃奈さーん! 頼まれていたカレー、買ってきました!」
妃奈「佐々木、おっそい!!」
妃奈「あんたがグズグズしてるから、三浦に席取られたでしょ!!」
桃「へ!? あ、すすす、すみません・・・!!」
凛「・・・あれね、B組の市村妃奈って子なんだけど」
凛「めっちゃ我儘で、気性が荒くてさー・・・」
凛「自分のこと女王様だと思ってるんだよねー」
香穂「そ、そうなんだ・・・」
一花「・・・ご、ごめんなさい・・・ すぐどくから・・・」
妃奈「カレーが冷めるから早くしてよ────」
葵「───ねぇ、さっきからうるさいんだけど」
妃奈「・・・・・・はぁ?」
葵「みんな食事中なんだよ、大声で騒がないで」
妃奈「・・・なによ、私に文句言うわけ?」
凛「・・・わ、金子さんだ」
葵「三浦さんが先に座ってたんでしょ? なんでどかなきゃいけないの?」
葵「わざわざ人が座ってる席狙わないで、他の空いてる席探したら?」
妃奈「私が先に席決めてたんだけど!?」
葵「そんなの知らないよ、早い者勝ちでしょ」
葵「悪いけど、食堂の席はみんなのものだから 市村さんの所有物じゃないの」
葵「別にどの席でも味は変わらないと思うけど」
妃奈「────ッ!!!! なんなんだよお前!!」
桃「か、金子さん、あんまり妃奈さんを怒らせない方がいいですよ・・・!」
一花「・・・わ、私がどくからいいよ もうやめて・・・」
一花「ほんとにごめんなさい・・・」
  そう言って、一花は席を離れていく。
葵「・・・・・・」
妃奈「マジムカつく・・・ 無駄な時間使ったんだけど」
妃奈「ほら、早く食べるよ、佐々木」
桃「は、はいっ!」
  妃奈と桃は席に座り食事を始め、葵はその場を去った。
  食堂に、静けさが戻る。
凛「・・・なーんか、食欲失せちゃうな」
美月「ごめんね、香穂ちゃん 転校初日なのに嫌な思いをさせて・・・」
香穂「え、そんな、全然・・・ 美月ちゃんが謝ることじゃないから・・・」
香穂「なんていうか・・・ 変わった子もいるんだなって」
美月「変わってる・・・そうかもしれないわね」
凛「あんなに怒ってるのも久しぶりに見たけど、なんか機嫌悪かったのかなぁ・・・」
凛「とりあえず、食べよっか せっかくのご飯が冷めちゃうし」
美月「そうね、食べましょうか」
香穂「・・・うん」

次のエピソード:第2話

コメント

  • 表紙の絵が印象的で読みました!!
    女の子ばっかりで華やかなようで、色々ドロドロと言うか…怖いですね💦
    ペルソナだから表と裏もありそうだし。
    人物が沢山居て話も複雑そう、すごいです😃

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