ギラ・ラエティティア

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

3話 情報屋(脚本)

ギラ・ラエティティア

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〇ビルの裏通り
  胡散臭い建物の中から優しげな声が聞こえてくる。
  俺は中の様子が気になり、建物の中に入ってみることにした。

〇荒れた倉庫
朴 蘭龍 バク ランリュウ「今日はここまでにしましょう」
若い男「ありがとうございました! 今日も女神さまのおかげで喜びを感じられます!」
男性「神父さま、今度はいつ来てくださるのでしょうか!」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「できるだけ毎日、この時間帯に来ますよ」
男性「ありがとうございます! 神父さま! 女神さま!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(神父・・・? 女神?)
  人だかりがなくなってから、神父だと言う男に近づく。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「あの・・・ここって」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「初めてきてくれたんですか?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「は、はい・・・」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「貴方も女神さまからの祝福を受けていきますか?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「あ、いえ。遠慮しておきます」
  引き気味に後ずされば・・・距離を詰められ──
  ――ドンっと壁に押さえつけられる。
  え、何、何が起きてるんだ・・・!?
朴 蘭龍 バク ランリュウ「貴方に女神さまからの祝福を・・・」
  神父は袖から緑色の注射器を取り出す。
  あの色・・・まさかギラ!?
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「は、離せ!!」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「新しい実験体だ。逃がすかよ」
  実験体!?
  抵抗していれば、相手は注射器から手を離し、懐から緑色の錠剤を取り出した。
  それを器用に片手で取り出し、自らの口の中に含む。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(こいつ、異常だと思ったらギラ使用者だったのか! 早く逃げないと・・・!)
  その時だった・・・
  神父の顔が接近してきて、唇に生暖かい感触が押し付けられる。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「んんっ」
  口の中に甘い味の錠剤が入ってきた。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「ぷっ、うえっ」
  錠剤を吐き出そうとするが、顎をつかまれて無理やり上を向かされ、喉が上下に動く。
  錠剤は喉の奥に流されてしまった。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「う、うあ」
  頭がくらくらとして、思わず相手にもたれかかる。
朴 蘭龍 バク ランリュウ「ほら、もう一個飲め。私と一緒に喜びを感じるんだ」
  錠剤が口元に近づく。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「い、いらない!」
  甘い匂いの誘惑に抵抗し、神父を突き飛ばした。
朴 蘭龍 バク ランリュウ「喜びがいらないなんて・・・珍しいな」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「何なんだよ、さっきから喜びって」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「貴方もさっき与えられただろ?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「はあっ!?」
朴 蘭龍 バク ランリュウ「欲しくなったらまた来いよ」

〇黒
  それを聞いてサッと血の気が引き、俺は大慌てで建物から出ていった。

〇センター街
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「はぁ、はぁ・・・」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(なんだったんだ、あいつ)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(適当に入った店のトイレで吐いたから症状はおさまったものの・・・俺はギラを使用してしまった・・・)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(無理矢理飲まされたと警察に言いにいくべきか? あんなやつらが信じてくれるだろうか)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(むしろ俺自身が望んで飲んだと思い込みそうだ)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(・・・あの神父は何者なんだ)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(そう言えば、実験体ってどう言う意味だ? もしかして集まっていた人たちにもギラを?)
情報屋「や、そこの君、情報買っていかない?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「はあ?」
  突然話し掛けられて振り返れば、そこには胡散臭い笑みを浮かべた男が立っていた。
情報屋「そう睨まないでよ、俺この辺で情報屋をやってるんだ。君、何か知りたいって顔してるよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(なんでそう思ったのか聞きたいところだけど・・・)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「じゃあ・・・俺の父さんにギラを渡した奴を教えてくれ」
  どうせ答えるのは無理だろうと思いながらも聞いてみる。
情報屋「珍しい情報だね。情報収集には時間がかかるよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「情報を集めてくれるのか?」
情報屋「お金になるなら集めるよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「今持ってる情報はどんなのがあるんだ?」
情報屋「例えばギラ売買者の集まる場所とか」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「いくらだ・・・!」
情報屋「お、いい食いつき方だね。この情報は結構お高いよ?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「金なら払うから、教えてくれ」
情報屋「明日の深夜、公園でイベントが開かれるんだ。そこにはギラ使用者がいっぱい集まるから、ギラ売買者もいっぱい来るよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(いい情報を得た、明日の深夜は公園に行こう)

〇黒

〇公園のベンチ
  次の日 深夜
  いったい何のイベントが開かれるのか知らないが、公園にはすでに人だかりができている。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (この中にギラ売買者たちが・・・)
情報屋「や、来たんだね、甲斐くん」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「なんで名前を?」
情報屋「情報屋だから」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「ここには情報を集めに来たのか?」
情報屋「それもあるけど、君が買いそうな情報が手に入ったから持ってきてあげたんだよ」
情報屋「どんな情報が知りたい? ネオン街のことならなんでもおまかせだよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「じゃあ、ネオン街の王について教えてくれ」
情報屋「そんなことも知らないの? まあいいや」
情報屋「王はギラ使用者ではないけど、自分の付き人やハーレム、ギラ売買者たちにギラを売っている。ネオン街のギラの出所は大体王だ」
情報屋「裕福だし男前だから、ネオン街の王と呼ばれてる。本名は遠喜王だよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (王はやはり重要人物のようだ。あの晩、店には付き人も来ていたみたいだし、何か知っているかもしれない)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「王と話がしたい。いつもネオン街を歩いているのか?」
情報屋「いや、珍しいことだね」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「どうすれば会える?」
情報屋「今から開かれるイベントに賞金を用意したのが王だ。待っていれば金を持った王の付き人が現れるだろう」
情報屋「他に聞きたいことは?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「昨日、妙な神父に会った。あいつは何者だ」
情報屋「それはまだつかめていない情報だね。その代わり関連した情報ならあるよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「それでいい。教えてくれ」
情報屋「DOAの主催者と何やら関係を持っているらしい。ギラの作り方に興味があると言えば情報をくれる」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「お前は情報を集めるんじゃなかったのか?」
情報屋「あの神父は妙だから、深くかかわるのは勘弁だよ」
情報屋「もう一つ情報があるけど、買う? 今なら半額でいいよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「なんだ?」
情報屋「君の親友弥里屋遠火が今から開かれる喧嘩のイベントDOAで賞金を手に入れるつもりだ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「なんで遠火の情報を?」
情報屋「知りたいかと思って。仲がいいみたいだから」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「親友なんだから仲がいいのはあたりまえだろ」
情報屋「それもそうか」
情報屋「じゃあ、俺は他の人から情報を集めるって言う用事があるから。バイバイ」
  情報屋は呼び止める間もなくサッサと去っていった。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ (さっきより人が増えたな。・・・DOAはまだ開かれないみたいだ)

次のエピソード:4話 売買者リスト

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