ギラ・ラエティティア

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

1話 はじまり(脚本)

ギラ・ラエティティア

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ギラ・ラエティティア
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〇シックなバー
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「いらっしゃいませ」
男性「どうも。あれ? マスターは?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「すみません。マスターは今体調崩してて」
男性「最近やつれてたもんな。また来るよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「ありがとうございました」

〇シックなバー
  マスター・俺の父さんは最近人が変わった。
  その原因はこのネオン街に出回っているギラと言う依存性のある薬だ。
  店の奥の住居スペースから大きな物音がした。お客様に頭を下げ、あわてて店の奥へと向かう。

〇綺麗なダイニング
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「父さん!」
父親「・・・・・・はあ、はあ。ギラ、ギラをくれ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「父さん、ギラはもうやめるって約束してくれただろ」
父親「黙れ!! この親不孝者が!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「ぐっ!!」
  薬をやめさせようとする俺に、父さんは暴力を振るうようになった。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「父さん、落ち着いて」
父親「くそっくそお! なんでお前は俺を苦しめるんだ・・・・・・! 俺の前から消えろ!!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(住居は店の奥にあるため、争う声は聞こえてしまう。今日は早めに店じまいしよう)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「お店の方片付けてくる、少し待ってて」

〇黒

〇シックなバー
  俺はお客さんに謝り、店の後片付けをしていた。
「もう閉めるのか?」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「遠火! 仕事帰りか?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「まあそんなとこだな」
  弥里屋遠火、俺の幼なじみで親友だ。一時期会えていなかったが大学で再会し、今もこうしてたまに会う仲だ。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「今から店裏にごみ出してくるから。ゆっくりしてけよ」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「忙しそうだから、水だけもらって帰るわ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「はい。水代500円な」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「水で金取るなよ」

〇ビルの裏
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「よいしょっと・・・」
  ごみを出しに来ると、何人かの不良がたむろしていた。手には緑色の錠剤がある。ギラだ。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「お前たち、人の店の裏で何やってる! 警察呼ぶぞ!」
若い男「ああ、なんだてめえ」
若い男「お前ら警察だってさ! 呼んでいいぜ? 来るわけねえけど」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「・・・!」
  俺は不良達に囲まれてしまった。不良の一人が俺の胸ぐらをつかむ。
  思わず目を瞑ったその時──
若い男「やっべ、逃げるぞ」
若い男「今日なんも持ってきてねえよ」
若い男「なんでバレたんだ!! 急げ!」
  不良達は一目散に逃げていく。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「助かった・・・」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「危なっかしいな。ああ言うのは無視しとけよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「遠火!」
  遠火の手にはスマホが握られており、その画面を俺に見せてくる。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「スマホでサイレンの音を出したのか?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「便利だぞ。バレないうちに店の中に戻ろうぜ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「ああ」

〇黒

〇シックなバー
父親「本当にありがとう」
「いえ、では私は帰りますので」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「父さん? 誰か来てたの?」
父親「常連さんだよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(常連さんなら誰か教えてくれればいいのに・・・・・・)
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「俺はそろそろ帰るよ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「もう帰るのか?」
弥里屋 遠火 ヤリヤ トオカ「店閉まってるのに悪いからな」

〇黒

〇綺麗なダイニング
  数日後
父親「あああああ、ああああああ、うあああああああ来るなぁああああ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「父さん、気を確かに持って!」
父親「やめろ、もうやめてくれええええええ」
  父さんは幻覚を見ているようだった。父さんの様子が心配で最近は店も休みがちだ。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(・・・病院に連絡したら厄介者扱いされたし、意を決して警察に連絡しても取り合ってくれない)
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ(ネオン街は腐っている。どうしたらいいんだ)
  その時だった。
  バタンっと父さんが胸を押さえつけながら倒れる。口からは泡が溢れ、全身が痙攣しているようだった。
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「父さん! 大丈夫!? し、しっかりして! きゅ、救急車を・・・・・・!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ「もしもし、父親が急に倒れて・・・・・・今すぐ来てください! お願いします!」

〇黒
  ギラ使用者と言うことは伏せて、俺は救急車を呼んだ。
  数十分後
  父さんは救急車が来た後、その場で命を引き取った。
  俺は警察を呼び、父さんがギラ使用者であったことを伝えた。

〇警察署のロビー
  数日後
  俺は警察署に乗り込んでいた。
男性「またですか」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「”また”って・・・・・・! 父さんにギラを渡した人を調べてください!」
男性「人って言ってもねえ。組織的なものかもしれないじゃないですか」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「普通調べるでしょう!」
男性「ギラ関係の事件は多いんですよ。ちゃんと調べていますから、今日はお引き取りを」

〇警察署の入口
  俺は警察署から追い出される。

〇警察署のロビー
  調べると言ってはいたが、中の様子を覗くとコーヒー片手に文句を言っているだけだ。

〇警察署の入口
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「――調べる気なんかないじゃないか・・・・・・!」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「このままじゃ父さんが浮かばれない・・・・・・っ」
錦織 甲斐 ニシキオリ カイ 「こうなったら、俺が一人で犯人を探し出してやる! そして・・・・・・!」
  絶対、絶対に、苦しんで逝った父さんと同じ目に合わせてやる・・・・・・っ!!

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