九話 町に誘き出されていく者たち(脚本)
〇豪華な社長室
部屋の中には少し重たい雰囲気が漂っていた
銀城 浪「鷹那須さん」
銀城 浪「今回お話ししたいのは2つ」
銀城 浪「まず一つ目は」
銀城 浪「鵜軽の遺跡にまた新しく壁画が発見されました」
鷹那須 富士男「壁画?」
銀城 浪「はい、結構損傷が激しかったんですが、」
銀城 浪「三人の男と女が対をなして描かれているものでした」
鷹那須 富士男「三人の男も気になるが・・・女と言うのはまさか・・・」
銀城 浪「おそらく他の壁画などにも描いてあった・・・」
銀城 浪「『魔女』」
銀城 浪「だと思われます」
鷹那須 富士男「・・・」
鷹那須 富士男「銀城くん、なぜ私が魔女も調べさせているかわかるかい?」
二人の表情が険しくなった
銀城 浪「ええ・・・」
鷹那須 富士男「あの壁画に描かれていたことが本当ならば・・・」
銀城 浪「・・・魔女はこの現代に」
鷹那須 富士男「蘇る可能性がある・・・」
銀城 浪「・・・」
銀城 浪「それともう一つ・・・」
鷹那須 富士男「例の高校生のことかな」
銀城 浪「はい、」
銀城 浪「どうやら彼が通っている高校、うちで確認できてない能力者が多数いるようです」
鷹那須 富士男「なるほど」
銀城 浪「それで、潜入調査を行いたいと思っているのですが・・・」
鷹那須 富士男「学校か・・・潜入させるのはかなり難しくなりそうだな」
銀城 浪「それでなんですが」
鷹那須 富士男「ん?」
銀城 浪「うちで確認できている能力者で教師の人がいるでしょう」
鷹那須 富士男「・・・まさか彼を学校に送るなどとは言わないだろうね」
銀城 浪「・・・それしか方法がないでしょう、」
銀城 浪「教員免許の偽造とうちの力で無理矢理職場異動させるのとじゃあ難易度が雲泥の差です」
鷹那須 富士男「確かにと言えば確かにか・・・」
銀城 浪「それに彼、」
銀城 浪「めちゃくちゃ強いですし・・・」
鷹那須 富士男「だがな・・・彼はその全てのメリットがあっても、とても・・・」
〇廃工場
再びこちらに戻る
白井 舞衣「ここに入って行ったよね」
雷戸 啓「うんバイク乗せてくれてありがとう」
雷戸 啓「ここで舞衣さんは待ってて」
白井 舞衣「え、でも」
雷戸 啓「いいから」
〇荒れた倉庫
雷戸 啓「ここか!?」
傀儡「おいおい、どうやってここまできたんだ?」
雷戸 啓「そんなの・・・」
啓が拳を引く
雷戸 啓「どうだって・・・」
啓の拳に電気エネルギーが溜められていく
雷戸 啓「いいだろ!!!!!!!!!!!!!!」
傀儡「グッ・・・」
傀儡「・・・」
傀儡「なーんてね!!」
雷戸 啓「!?」
傀儡「電気は効かないよぉーん」
雷戸 啓「何!?」
傀儡「それより・・・こんなに俺に近づいちゃっていいのかなぁ!?」
雷戸 啓「グッ」
雷戸 啓(この至近距離で避けるのは無理だなんとか防・・・)
雷戸 啓「!?」
雷戸 啓(ノーモーションの攻撃!?)
雷戸 啓(いや・・・あんまり傷が深くない・・・てか痛みもほとんどな・・・)
傀儡「一発で終わるわけねぇだろ」
雷戸 啓(まさっ・・・)
傀儡は数秒のうちに百回は斬撃を啓に当てた
雷戸 啓「ぐぐぅぅっ」
啓は斬撃に押され、距離を離されてしまった
雷戸 啓「グッ」
傀儡「塵も積もればなんとやら」
傀儡「ああ、でも安心しろよ、」
傀儡「こいつ、殺しはしないから」
そう言って力二を指差すと
傀儡「こいつを飲ませるだけだ」
雷戸 啓「──!?」
雷戸 啓「それは──!?!?」
傀儡「鋓だよ」
雷戸 啓「待て──」
北村 力二「・・・」
傀儡は鋓を力二に飲ませる
傀儡「ま、これで生きたら晴れてお前らの仲間入りだな」
雷戸 啓「お前・・・」
傀儡「あとお前、思ったより成長しちゃってるぽいからここらで一旦ボコボコにしとくか」
雷戸 啓「何・・・!?」
啓は未だ膝をついて立つことが出来ない
傀儡「あんまり切り刻むのも面白くないし、久しぶりにぶん殴るか」
雷戸 啓「グッ・・・」
雷戸 啓(足を集中的に狙われたせいで立てん・・・)
啓に傀儡の拳が迫ってくる
傀儡「はぁぁぁぁ・・・」
雷戸 啓(やられる!!)
白井 舞衣「大丈夫!?啓くん!?」
雷戸 啓「舞依さ!?」
白井 舞衣「ハッ!!」
白井 舞衣「フッ」
白井 舞衣「ハッ!!!!」
傀儡「グッ・・・なんだてめぇ」
白井 舞衣「なんだかよくわからないけど・・・」
白井 舞衣「多分悪いやつだよね!!こいつ!!」
傀儡「おい・・・こいつも能力者か!?」
雷戸 啓「そうなの!?」
白井 舞衣「・・・能力者?何のこと?」
傀儡「な~んだ一般ピーポーがでしゃばってるだけかよ」
雷戸 啓「舞依さんじゃかなわない!!逃げて!!」
白井 舞衣「あんまり私のこと、甘くみないでくれる!!」
傀儡「ごちゃごちゃうるせぇなぁ!!」
白井 舞衣「フッ!!」
傀儡(抑え!?)
なんと舞依は傀儡の殴りを受け止めた!!!!!!
白井 舞衣「はぁぁぁぁぁぁぁ────────」
傀儡「・・・・・・!?」
グヂャャャャァァァァァ!!!!!!!!!!
〇けもの道
傀儡は舞依のパンチの勢いでガラスを突き破り外に放り出されてしまった
傀儡「何が・・・」
傀儡「おこ・・・」
傀儡(なんだか・・・下半身がスースー・・・)
傀儡「ていうか下半身が・・・」
傀儡「・・ ねぇ────────!?!?!?!?!?!?」
がジャガじゃ
舞依が割れた窓の枠をまたいで外にでて来た
白井 舞衣「あ、下半身と上半身、分断しちゃった!?」
傀儡「分断だと・・・」
傀儡(「分断しちゃった!?」じゃねぇよ!? どういうことだよ!?)
白井 舞衣「まあいっか、あんた人間って感じでもないし」
傀儡「グッ」
傀儡「ここは一旦引かせてもらう」
「この屈辱・・・ゆるさん」
白井 舞衣「あ、消えて・・・」
白井 舞衣「待ちなさいよ!!」
〇空
傀儡「ふぅ・・・危なかったぜ・・・」
傀儡「まさかあんな華奢な女にあんなに追い詰められるなんてな・・・」
傀儡「ん・・・」
傀儡「あの山・・・」
キラッ
傀儡「月明かりが何かに反射して・・・」
〇丘の上
〇空
傀儡「誰かが望遠鏡で・・・」
傀儡「あれは・・・」
傀儡「俺を見ているぅ!?!?!?!?」
〇丘の上
華月 仁一「○○○○○○」
〇空
傀儡「なんだあいつ・・・手を突き出して・・・」
傀儡「こっちに・・・」
〇丘の上
華月 仁一「・・・」
華月 仁一「ふん・・・」
華月 仁一「汚ならしいやつが・・・」
華月 仁一「この綺麗な夜景の下で・・・」
華月 仁一「動いているようだな」
男が携帯を取り出した
華月 仁一「・・・留守電か」
華月 仁一「・・・俺だ」
華月 仁一「この街・・・」
華月 仁一「結構気に入ったぜ・・・」