サクッと読める怖い話

あいれん

episode.1 『はい。』(脚本)

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〇男の子の一人部屋
  俺はどこにでもいる平凡な男子高校生。
  ・・・・・・とは、少し違う。
  1ヶ月ほど前、困っている同級生に優しくしたら、その子が俺のストーカーになってしまった。
  最初は学校でよく会うようになっただけ。次は学校外で見かける回数が増えた。
  だんだん物が無くなるようになり、この前は後輩の女の子と話していただけで怪文書が送られてきた。
  しかも、血文字で。
  『私以外見ないで私以外と話さないで私以外好きにならないで』
  と。
哲平「暇だな。最近流行りのアプリでもやるかぁ」
哲平「最近流行りの『riri』、本当に何でも知ってんのかな?」
  ririというAIが、知りたい事を答えてくれるというやつだ。
  天気予報から好きな人の想い人まで、何でも知っているという
哲平「じゃあまずは・・・・・・今日の夜ご飯は?」
  『今夜は肉じゃがでしょう。』
哲平「肉じゃが好きなんだよな〜! ま、当たるかわかんないけど一応楽しみにしとこ!」
哲平「んじゃ次、真司の好きなやつは? アイツ結局教えてくんなかったんだよな〜」
  『真司さんの好きな人は、隣のクラスの絵美さんです。』
哲平「へぇ、あの可愛い子か。 ・・・・・・って、なんでそんな事わかんの!?」
  『私は何でも知っております。皆様のお役に立てるよう、開発者にそうプログラムされました。』
哲平「うへぇ・・・・・・なんか気味悪い。 次は・・・・・・俺の事が好きな子わかったり、する?」
哲平「ははっ、なんて、んな事わかるわけ・・・・・・」
  『同じクラスの千佳さんと、後輩である穂乃果さん』
哲平「えっ、マジで!? 確かに最近千佳ちゃんも穂乃果ちゃんも話しかけてくるけど・・・・・・」
哲平「けど、嬉しいな。本当に俺の事好きになってくれたんだとしたら・・・・・・」
哲平「少し、照れ」
  『それと、果歩さんです。』
哲平「えっ!?」
  果歩って俺のストーカーの・・・・・・なんでそんな事まで・・・・・・?
  まさかririって、本当に何でも知ってる・・・?
  『果歩さんが1番哲平さんの事を想っております。』
哲平「えっ・・・・・・何で俺の名前・・・・・・」
  『私は皆様のお役に立てるよう、そうプログラムされましたから。』
  そういえば、最近家の中の物もよく無くなっている。
  小さくなった消しゴムや、ボロボロのリストバンド。
  もう捨てても構わないと思っていたから、良いと思ってたし、俺が無くしたんだと思ってたけど・・・・・・
  考えたく無かったけど、家の中の物が無くなる。
  つまり・・・・・・果歩ちゃんは、俺の家に入った事がある・・・・・・?
哲平「じゃあ・・・・・・俺のストーカーになっちゃった果歩ちゃんは・・・・・・」
哲平「今、俺の家にいたり・・・・・・する?」
哲平「なん、て・・・・・・ことは・・・・・・?」
  『・・・・・・。』
  『・・・・・・・・・・・・・・・・。』

〇川沿いの原っぱ
セレナ「いかがでしたか?」
セレナ「なんでも答えてくれるという『riri』 最後に何と答えたのでしょうね?」
セレナ「哲平さんはどうなってしまったのでしょうか?」
セレナ「何事も無く、平和の日常を過ごせているといいですね!」
セレナ「ああ、そうそう」
セレナ「このお話のタイトル、覚えてますか?」
セレナ「『はい。』」
セレナ「ririは全て『』のセリフで話していますね」
セレナ「つまり・・・・・・そういう事です」
セレナ「・・・・・・嫉妬心の強い果歩さんは、哲平さんが他の女性から好意を寄せられてるのを喜んでいる姿を見て、」
セレナ「どうしたんでしょうね?」

次のエピソード:episode.2 立ち入り禁止

コメント

  • 2話目も読みました🩷
    ぎゃ、しまった、
    1話目のコメントの自己紹介『』で括ってしまったw🤣ノシ⭐︎⭐︎
    ririの正体は‥(ドラムロール)
    やっぱあのコだろうな‥

  • 最初の血文字は伏線ということですね?
    なかなか怖いホラーでした!
    もうすでに家の中にも、彼の心の中にも入ってますね~💦
    でも彼女は意外に素直。正直に色々答えているし。『…』で嘘はつかない。
    いや、それが逆に怖いのかな…
    観客に考えさせることで恐怖を倍増してますね!
    短い中に恐怖を詰め込んでて、素敵だと思います😅

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