第三章1 守るべきもの(脚本)
〇秘密基地のモニタールーム
日高紅炎「な、何しやがんだテメェ!?」
藤堂マルコ「何しやがんだはこっちの台詞だ!何で俺らを無視して通り魔を攻撃した!?」
日高紅炎「何でって・・・俺がやった方が効率良いだろ!?」
藤堂マルコ「何で俺達がチームでやってると思ってるんだよ・・・お前もその一人なら、ちっとは自覚持て!!」
天上院聖奈「全く、見てられないわね・・・」
椿遥「本当・・・こんな調子じゃ後先やってけませんよ・・・」
来須翔吾「副隊長、超化薬の事で少し分かった事があります・・・」
天上院聖奈「来須君?良いわ、話して・・・」
来須翔吾「紅炎の言ってた事は本当でした・・・あの変身はなろうと思えばいつでもなれます・・・ですが、一度発動して時間切れに」
来須翔吾「なれば、時間切れになってから8時間はしないと再度あの姿にはなれません・・・活動時間はできて10分と言った所です・・・」
天上院聖奈「なるほど、彼に対して釘を打てば何とかなりそうだけど・・・」
椿遥「とても話聞いてくれる様に見えませんね・・・」
来須翔吾「それは俺も同意です・・・所で、隊長は?」
天上院聖奈「あぁ、隊長なら上層部から呼び出しを受けてるわ・・・通り魔を捕まえたと言っても、紅炎君が無駄に傷付けたのもあって・・・」
天上院聖奈「書類送検とか色々と大変な様よ・・・一部の人は、紅炎君の力を本格的な兵器利用を考えてるって噂もあるけど・・・」
来須翔吾「うげ・・・兵器利用って・・・流石に無理がありますよ・・・」
天上院聖奈「まぁあくまで噂よ・・・超化薬なんて、そう簡単に生産できる物でも無いし・・・」
神楽坂裕也「お前ら、その後調子どうだ?」
天上院聖奈「あ、隊長!お戻りになりましたか!」
神楽坂裕也「あはは、色々とキツく言われたよ・・・紅炎の力を兵器利用だの、何であんな奴スカウトしたのかのかって・・・」
神楽坂裕也「色々と対応しなきゃで参ったよ・・・」
天上院聖奈「あぁ・・・心中お察し致します・・・」
神楽坂裕也「それはそうと、紅炎はどこに?」
天上院聖奈「紅炎君なら、あちらに・・・」
日高紅炎「テメェらが弱いし鈍臭いからいけないんだろうが!俺様ならどんな奴でもイチコロなのによ!!」
藤堂マルコ「それで周囲に迷惑掛けて良い理由にはならねぇだろ!先ず俺らの話を聞けって!」
神楽坂裕也「あぁ、マジか・・・」
天上院聖奈「この前一人で勝手してましたからね彼・・・不満を感じる人もいる物で・・・」
神楽坂裕也「全く仕方ねぇな・・・」
神楽坂裕也「おい、ちょっと良いか?」
藤堂マルコ「隊長!」
日高紅炎「ん?何か様かおっさん・・・」
藤堂マルコ「だから!その口の効き方も直せって!」
神楽坂裕也「お前ら落ち着け・・・紅炎、今から俺と見回りに行くぞ・・・」
日高紅炎「えぇ・・・こいつに怒られた直後に?何かかったりぃ・・・」
神楽坂裕也「ズベコベ言って無いで直ぐ行くぞ・・・」
藤堂マルコ「隊長!これ以上この馬鹿の身勝手を許せば、チームの規律が乱れます!こいつの見方を考え直すべきです!」
神楽坂裕也「あぁ、それは俺が今からやるよ・・・だからお前も落ち着け、な?」
藤堂マルコ「え?あ、はい・・・」
神楽坂裕也「良し、それじゃ紅炎、行くぞ・・・」
日高紅炎「え〜嫌だ面倒臭い!どつせならキャバクラとか風俗とか!」
神楽坂裕也「良し!時間勿体無いから行くぞ!」
日高紅炎「えちょ!離せ!離せ〜!!」
天上院聖奈「藤堂君、大丈夫?」
藤堂マルコ「あ、副隊長、すみません、俺・・・」
天上院聖奈「気にする事無いわ・・・言いたい事を言えない方が、我慢してるより辛いもの・・・溜め込む云々は勝手だけど、」
天上院聖奈「言いたい事は言って良いわ・・・」
藤堂マルコ「は、はい!」
〇車内
日高紅炎「なぁおっさん・・・俺をどこに連れてくんだよ?」
神楽坂裕也「まぁ落ち着けって!悪い様にはしねぇから・・・」
日高紅炎「えぇ・・・どうせならキャバクラとか風俗行きてぇよ・・・」
神楽坂裕也「そんな詰まらない所行ってどうするんだよ?行っても金勿体ねぇだろ?」
日高紅炎「はぁ!?綺麗なチャンネェと遊ぶ事が詰まらないって!?お前それでも男かよ!?」
神楽坂裕也「確かに俺は男だ・・・それと同時に分別のある社会人だからな・・・良いから待ってろ・・・大事なもん見せてやる・・・」
日高紅炎「何だよ・・・チャンネェより大事なもんって・・・」
〇広い公園
神楽坂裕也「良し、やっと着いた・・・」
日高紅炎「えぇ・・・何だよ・・・どこへ連れてくと思ったら、只の公園じゃねぇか・・・」
神楽坂裕也「良いから、周り見てみろ・・・」
少女「お〜い!こっちこっち!」
少年「逃がすかぁ!」
少女「負けないよぉ!」
日高紅炎「はぁ?これが何だよ?」
神楽坂裕也「分からねぇのか?ゴーストや怪獣が悪さして無いと、こんな風に子供がはしゃいだりできるんだ・・・これって幸せな事だぜ?」
日高紅炎「良く分からねぇな・・・こんなの当たり前だろ?」
神楽坂裕也「あのな、その当たり前を守るのがガードの役目だよ・・・」
神楽坂裕也「ん?」
神楽坂裕也「こいつは・・・」
少年「あ!おじさんごめんなさい!ボール蹴ったらそっち行っちゃって!」
神楽坂裕也「あ、何だ・・・このボール坊やのか・・・サッカー楽しいか?」
少年「あ、はい!凄く楽しいです!」
神楽坂裕也「そっか・・・取り合えずこれ返すぜ・・・」
少年「ありがとう!所でおじさん、あの車って・・・」
神楽坂裕也「え?あぁ、ガードの車だぜ?」
少年「やっぱり!?僕ガード大好きなんだ!」
日高紅炎「へぇ!やっぱ俺様見たいな強い奴には憧れるよな!」
少年「おじさん、ガードの人なんだよね?僕の話も聞いてくれる?」
日高紅炎「お、おい!無視するなよ!」
神楽坂裕也「あぁ、ガードの人だが、話って何だい?」
少年「うん・・・最近色んな所で悪い人達が悪い事してるでしょ?そのせいで僕も怪獣とかに追い掛けられる夢を見ちゃってさぁ・・・」
神楽坂裕也「なるほどねぇ・・・夢の中で怪獣に追い掛けられたらそりゃ敵わんわな・・・」
少年「うん、もしまた怪獣の夢を見たらどうしようって思って・・・」
神楽坂裕也「そっか・・・なら少年、その怪獣一発殴って見ないか?」
少年「え?一発殴る!?」
神楽坂裕也「そりゃ最初の内は誰だって怖いさ・・・でもな・・・その怖いと思う物に一歩踏み出したら、意外とスカッとするもんだぜ?」
神楽坂裕也「その一歩が踏み出せれば、坊やもガードに入れるかも知れねぇぜ?」
少年「・・・!僕にも、できるかな!」
神楽坂裕也「あぁ!次怪獣が出て追っ掛けて来たら、一発殴ってやれよ!」
少年「おじさん・・・ありがとう!」
日高紅炎「あぁこら!俺様の事は最後まで無視かよ!!」
神楽坂裕也「ま、それだけお前が人気無いって事だよ・・・」
日高紅炎「何だよそれ!おっさん俺に何見せたかったんだよ!」
神楽坂裕也「俺達が普段守ってる物だよ・・・」
日高紅炎「はぁ?」
神楽坂裕也「いつもの日常を守る事、そして俺達ガードは子供の味方で在り、子供の憧れだ・・・ガードは凄い乗り物や強い武器を多数所持」
神楽坂裕也「してるが、それを使っても守れない物もある・・・例えば、子供の夢だ・・・もし子供から夢や憧れが壊されたら、」
神楽坂裕也「それは俺達に取ってどんな怪獣よりも恐ろしい敵になる・・・そいつは紅炎、お前の力でも倒せねぇ・・・」
日高紅炎「はぁ?俺様に倒せない奴なんている訳無いじゃん・・・馬鹿じゃねぇの?」
神楽坂裕也「あぁ、お前は根っこからの馬鹿だってのは良く分かったよ・・・」
神楽坂裕也「ん?何だ?」
神楽坂裕也「おう、俺だ・・・」
通信機「隊長!天上院です!町中に怪獣が現れました!」
神楽坂裕也「え?マジか!」
通信機「はい!今私の独断で出撃命令を出してます!」
神楽坂裕也「分かった!俺らも直ぐ行く!位置情報を送ってくれ!」
通信機「分かりました!」
神楽坂裕也「場所は把握した・・・良し、行くぞ紅炎!」
日高紅炎「おっしゃ任せろ!俺様のカッコよさをガキどもに見せてやるぜ!!」
神楽坂裕也「あぁ、お前の馬鹿はガードでも直せなんな・・・」