Sparking Carats!

西園寺マキア

第32章 揺れる月(脚本)

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西園寺マキア

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〇ライブハウスの控室
「おつかれさまー!!!!!」
  ──クリスマスライブ終了後、控室
  8人は差し入れのお菓子を片手に乾杯していた
ゆき「いやあ、大盛況、大成功!」
あやか「ライブをするのがあんなに楽しいだなんて・・・」
  あやかは頬の筋肉をぐりぐりしながら興奮している
りょう「みんなでライブできてうれしいよお~~っ!!!」
ゆづき「鼻水が衣装につくわよ・・・」
  ゆづきが鞄からハンカチを取りだそうとすると、中から通知音がしているのに気が付いた
ゆづき「何かしら・・・」
さくら「みんな、見て!!!!」
  ゆづきが携帯を取り出そうとすると、さくらが驚いたように声をあげた
さくら「私たち、超バズってる・・・!」
「ええっ?!」
  全員慌ててさくらの携帯画面を見た

〇SNSの画面
ネットの投稿「【今話題】バズり散らかしてるアイドル「briGHt」がすごすぎる件」
ネットの声「briGHtのライブ、エグすぎ! こっちまで元気になる!」
ネットの声「動画見て興奮しすぎて周りにも布教中w」
ネットの声「briGHt、超サイコー! 現場行った人うらやまし~」

〇ライブハウスの控室
はるか「えっ、これ、これ・・・ うちらだよね?」
まみこ「アンコールライブの動画、めっちゃバズってる・・・」
  8人は口をあんぐりと開けた
  まだライブが終わって数時間も経っていない
ゆき「す、すごい・・・ たくさんの人に見られて──」
かの「あーーーーーっ!!!」
  今度はかのが声をあげた
かの「こ、これ、これ・・・」
  慌てるかのの携帯には、MoonlightCupのB選考投票ページが表示されている
ゆづき「え・・・もしかして・・・」

〇月夜
「【18時締切終了】 Moonlight Cup B選考投票結果」
「第一位「briGHt」────」

〇ライブハウスの控室
「ええええええええええっ!?!?」
  全員同時に声をあげた
さくら「えっ、ええっ!?」
まみこ「選ばれた・・・8人で?」
はるか「ええええええっ!?!?」
  8人は何度も画面を確認した
  どうやら現実のようだ
ゆき「二位とダブルスコア以上差をつけてる・・・」
はるか「えっ、MoonlightCup、出られるの?!!?」
りょう「ええっ、あやちゃん、どうする?!」
  りょうが慌ててあやかに声をかけた
  目がらんらんとしている
あやか「もちろん出るわ・・・ 出るわよね?ハピパレのみなさん?」
はるか「はい、はーいっ! でたいです!!」
ゆづき「ちょっとまって、実力トップのgladiolusとチームになって、天下のCRESCENTと勝負するのよ?!」
はるか「うん、わかってる」
  はるかは慌てるゆづきの肩に手を置いた
はるか「でも、なんだかきっとうまくいくって、そんな予感がするの!」
ゆづき「これは本気ね・・・」
  ゆづきはやれやれ、といった表情をした
かの「それにこの8人で選ばれちゃった以上、全員で出るしか道はないし・・・!」
あやか「私はあなたたちに可能性を感じてる・・・ だから大丈夫! 一緒にCRESCENTと戦ってほしいの」
はるか「はい!もちろんです!」
  あやかとはるかががっちりと握手した
  こうなった以上、後戻りはできない
あやか「じゃあ、決まりね! もちろん、レッスンは厳しくいくわよ」
  あやかはぎろりとさくらを睨んだ
さくら「ヒェ~~・・・」
りょう「びっくりした、風船みたいな声出さないでよ!」

〇空

〇テレビスタジオ
  ──同時刻、テレビスタジオ内
  CRESCENTはバラエティ番組の収録を行っていた
司会者「いやぁ~、相変わらず素晴らしいスター性! もうメロメロですよ~!」
あさか「ありがとうございま~す」
  あさかが慣れた様子でお礼する
  営業スマイルも完ぺきだ
司会者「さあ、ではここからは新メンバーのきりさんをフィーチャーしていきましょう!」
司会者「きりさん、はじめまして!」
きり「はじめまして」
  カメラがきりの顔をズームする
司会者「いやぁ~、美しいお顔!スタイル! CRESCENTの雰囲気にぴったりですねえ」
きり「どうも・・・」
  きりは表情一つ変えない
司会者「それではきりさんにクエスチョン! すばり、今後やってみたい番組なんか──」
きり「旅番組です 日本を、世界を隅々まで見てみたい」
  きりが食い気味に答えた
ハナ「ちょ、きり・・・ 司会者の言葉を遮っちゃダメ・・・」
司会者「な、なるほど~! 旅番組、いいですね~! どんなところに行ってみた──」
きり「たくさんの人に会いたい たくさんの人に知ってもらいたい」
  きりは司会者を無視して言葉を紡いでいく
きり「たくさんの人に、見てもらいたいんです」
きり「──CRESCENTの姿を」
きり「──私の姿を」

〇劇場の楽屋
ハナ「こら!」
  収録の休憩中、ハナが声を荒げた
ハナ「初めての収録だったとはいえ、あんなトーク・・・ 絶望的だわ」
きり「・・・ごめんなさい」
  きりは瞬き一つせず答えた
ハナ「ちょっと、さとこからも何か・・・ あ、どこ行くの!」
さとこ「そんなプロ意識の欠片もない人間と話すことなんて何もない 外へ出てくる」
ハナ「も~・・・」

〇オフィスの廊下
さとこ「・・・」

〇テレビスタジオ

〇オフィスの廊下
さとこ「何を考えているの?あの子・・・」
  イライラした様子でさとこが部屋を出た
あさか「わかる~、立ち回りが素人すぎてね~」
  ドアの横にはあさかが立っている
あさか「正直キャリアのためにアイドルやってるだけだし、迷惑なチームメイトがいるとなぁ~」
あさか「こっちも評判落ちるからやめてほしいんだよね~」
  冷たいセリフに同調するように、さとこが鼻で笑った
さとこ「せっかくなら番組で一緒に戦った子たちを追加メンバーにすればよかったのに」
あさか「でも落ちた子は全員退所させられたらしいじゃん」
さとこ「まあもう関係ないけど・・・ オーディションだって出来レースだったし」
あさか「あー、そういえばさとこって八百長組だっけ」
  八百長組────

〇殺風景な部屋
  オーディション番組が始まる前から、その知名度や才能を買われ、
  裏でデビューが確約されていた人たちだ
  代表に直々にスカウトされたさとこは、
  番組開始前に「あなたたちはデビューが決まっている」と通告を受けていた

〇オフィスの廊下
あさか「私も正直ママにやれって言われただけだしな、アイドルはどっちでもいいや」
さとこ「そうね、でも芸能界で落ちぶれたいわけじゃないし・・・」

〇空
「ちょっとくらいあの子にはお灸をすえてもいいかもね・・・」

次のエピソード:第33章 思惑

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