Sparking Carats!

西園寺マキア

第31章 奇跡のクリスマス(脚本)

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西園寺マキア

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〇ライブハウスの入口(看板の文字入り)
  ──時は流れ、クリスマス当日
「合同ライブへようこそ~~~~!!」
ゆき「撮影OK、拡散大歓迎! 当日チケットはこちらですよ~~! 安いよ安いよ~~~!」
  様々な準備やgladiolus仕込みの過酷なレッスンを乗り越え、ついに合同ライブの日がやってきた
  小さなライブ会場の入り口には、多くのお客さんが押し寄せている
ゆづき「ゆき、意外とノリノリでコスプレしちゃう系なのね・・・」
さくら「えっ、むしろノリノリでやりたいタイプなんじゃないの?」
  さくらは適当にチラシをひらひら振りながら、「あたりまえ」という顔をして答えた
あやか「客引き頼んじゃってごめんなさい・・・ サンタの服、ちょっと恥ずかしくて・・・」
  段ボールを床に置きながら、あやかが申し訳なさそうに言った
さくら「ぜ~んぜん! クリスマスだし、ちょっと着てみたかったんだよね~!」
ゆづき「むしろこんな小さい会場しかとれなくてごめんね」
あやか「とんでもない! 背伸びなんかしなくたって、私たちは十分輝けるのよ」
さくら「さすがgladiolusのリーダーだねえ! うちのアレとはしっかりさ具合が違うよ~!」
???「あ、あの~・・・」
  受付前で騒いでいると、中学生くらいの女の子がおずおずとこちらに近づいてくるのが見えた
あやか「あら、チケットかしら?」
女性客「い、いえ・・・ その、私gladiolusのファンで・・・」
あやか「本当? いつも応援してくれてありがとう!」
  あやかが微笑みかけると、女の子は顔を真っ赤にした
女性客「あ、あの・・・ 特にあやかさんはオーディションの時から応援しててっ・・・」
女性客「ずっとずっと、かっこいいあやかさんが大好きです! 今日も楽しみにしてますっ!!!」
  早口でまくし立てるようにそういうと、女の子は走って行ってしまった
あやか「・・・ありがとう」
まみこ「こらこら~! 何幸せそうに微笑んじゃってるの!」
  まみこがからかうようにあやかをつついた
かの「あやちゃん、耳まで赤い!」
あやか「べ、別に・・・? ちょっと嬉しかっただけよ」
  あやかは照れたように目をそらした
りょう「でも、こうやってファンの方の声を直接聞くのは初めてかも・・・」
かの「私達、大会に出てばかりだったもんね なんだかうれしいな」
あやか「ええ・・・ 躓いても、失敗しても、ちゃんと私たちを見てくれてるファンはいるわ」
あやか「今日はお客さんに「楽しかった」って思ってもらえるよう、頑張りましょう!」
はるか「あ~~~~っ! 4人だけで気合入れちゃって!!」
  はるかがすかさず割り込んだ
ゆき「私達だって、gladiolusよりすごいライブしちゃうんだからね!」
はるか「よ~~し、今日は絶対、盛り上げようっ!」

〇空
「お~~~~っ!!」
  ──そしてはるかの宣言通り、ライブは大きな盛り上がりを見せる

〇ライブハウスのステージ
あやか「さあ、ついてこられるかしら?」
  gladiolusは情熱と喜びにあふれ、さながら炎の中にいるような感覚に陥る”アツい”ライブを披露し、

〇ライブハウスのステージ
はるか「みんな、ちょ~サイコ~~~!!!!!」
  Happy♡Paradeはまるで大規模なお祭り会場のように、元気と幸せがあふれる底抜けに明るいステージを披露した

〇ライブハウスのステージ
  ──気が付けばアンコールステージ
  はるかは舞台裏から客席を眺めた
  会場にいる誰もが熱狂し、次のステージを待ち望んでいる
あやか「ねえ、はるか 色々とほんとうにありがとう」
  あやかが隣にやってきてはるかにささやいた
  真っすぐな目で、客席をみている
あやか「あなたたちがいなければ、私たちの歴史は終わっていたかもしれない」
はるか「ううん、うちらだって・・・ たくさんの大切なものを教えてもらった」
  サイリウムが瞳に反射している
はるか「合同ステージ、楽しみだね」
あやか「ええ・・・たのしみでたまらない!」

〇ライブハウスのステージ
  照明がおちた
  ステージの合図だ
「合同チーム「briGHt」──」

〇ライブハウスのステージ
「今、オンステージ!!!!」
  照明が上がり、イントロが流れ始める
  ステップを踏みながら、右を見た
  はちきれんばかりの笑顔で踊るgladiolusの4人が見える
  手をあげながら、左を見た
  これでもか、というほどステージを楽しむHappy♡Paradeの3人が見える
  ──その時、はるかは思い出した

〇コンサート会場
  幼いころ、リカのステージを初めて見たときの、あの感覚を──
  押さえられない、胸の高まりを──

〇ライブハウスのステージ
  はるかは鼓動を押さえつけながら、マイクの電源を入れた
はるか「──みんな、今日は本当にありがとう! この瞬間が、私の大切な宝物です!!!!」
  会場はの熱気はとどまることを知らず、笑顔の波はどんどんと広がっていく

〇空
  呪縛から解き放たれた彼女たちの歌声は、空を突き抜けるように軽やかに響き渡っていった
  世界中にはばたく、鳥のように──

〇シックなリビング
女の子「ねえ見て、お母さん! この動画のお姉ちゃんたち、すごい!」
母親「──ライブの生配信? あら、本当ね・・・8人とも輝いてる」

〇テーブル席
カップルの男「このバズってる動画、「briGHt」っていうアイドルらしいよ!」
カップルの女「超かわいい~! 私、ファンになっちゃったかも!」

〇華やかな寮
女子高生「MoonlightCupの最後の一枠、briGHtに入れちゃわない?」
女子高生「私も私もー! briGHt、超最高ー!」
???「ブライト・・・?」
???「・・・わあ、すごい! 私も投票・・・!」

〇SNSの画面
ネットの声「gladiolusのメンバー? かっこいー!」
ネットの声「briGHtヤバい、超アガる!」
ネットの声「絶対投票! みんな急いで!」

〇殺風景な部屋
さとこ「B選考、票数が急激に伸びている・・・」
さとこ「「briGHt」? ・・・なるほどね」

〇空
さとこ「面白くなりそうじゃない・・・!」
  ──8人の歌声は、彼方へと響く
  どこまでも、どこまでも──

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