家族の猫

もち雪

『夜、誰かの声に応えたら』の前編です。 夜に外で、話してる人に関するホラーです。(脚本)

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〇L字キッチン
  うちはどこにでもある様な一般家庭。
  
  サラリーマンの父に、パート勤めの母、
  そして高校二年生の俺の三人暮らし。
  でも、ある日・・・・・・
山﨑 静子(しずこ)「ねぇ──真人! ちょっと来て!」
山﨑 真人(まさと)「はい、はい、何?」
ミケ「ミャー」
山﨑 静子(しずこ)「ミケ、ごめんねぇ 今、危ないからちょっと入らないでねぇ」
  そう言って、母はミケを抱き上げると、隣のリビングに移動させて戸を閉めた。
山﨑 静子(しずこ)「これ見て」
  そう言って指差した先には──
山﨑 真人(まさと)「うぅわぁ雨漏り?」
山﨑 静子(しずこ)「みたいねぇ」
  と、母は言って『はぁ』と深いため息をつく。
山﨑 静子(しずこ)「朝、気づいてバケツを置いておいたら──」
山﨑 静子(しずこ)「パートから帰ったら、こんなにも水が溜まっているのよ!」
山﨑 真人(まさと)「今時、雨漏りってウケる」
山﨑 静子(しずこ)「笑い事ではないわよ 仕方ないわね・・・・・・」
  そう言って母はキッチンを後にし、財布を持って帰って来た。
山﨑 静子(しずこ)「はい、これでお弁当を買ってきて、私は日替わり弁当」
山﨑 静子(しずこ)「お父さんは、今日は食べて帰って来るんですって」
山﨑 真人(まさと)「ラッキー”ピザ”に”唐揚げ”も付けちゃおうかな〜」
山﨑 静子(しずこ)「お弁当屋さんによる事も忘れないでよ」
山﨑 真人(まさと)「わかってるって」
山﨑 真人(まさと)「じゃあ行って来ます!」
  その晩、ピザと唐揚げはとても美味かった。
  俺は満足して眠りについた──

〇古いアパートの一室
  その日の内に母の鶴の一言で、家は少しリホームする事は決まり──
  二か月後の今
  父は父の会社の社員寮にしばらく住む事を決め
  母もしばらく実家の叔母の家に里帰りした。
  そして俺は、動物飼育可のこのアパートに住んでいる。
山﨑 真人(まさと)「どうしましますか? ミケさん・・・・・・」
ミケ「・・・・・・」
山﨑 真人(まさと)「ミケ・・・・・・」
  大好きな母が居ないためミケは、引っ越しの日からこんな調子で家具の奥へと隠れてしまう・・・・・・
山﨑 真人(まさと)「はぁなんだよ、もう」
山﨑 真人(まさと)「勉強しょう・・・・・・」

〇安アパートの台所
  次の日の朝
山﨑 真人(まさと)「皿も洗ったし、そろそろ着替えて行くか──」
ミケ「ミャー」
山﨑 真人(まさと)「ミケ、やっと機嫌がなおったのか?」
  俺は、ミケの背中としっぽの付けねを優しく撫でる。
  ミケは床に寝そべってゴロゴロと喉を鳴らす。
山﨑 真人(まさと)「これで終了!  後は、学校から帰って来てからな」
ミケ「ミャーン」
  ミケは、俺にしっぽを絡めて俺の部屋へ行った。
  彼処が、この家で一番過ごしやすい様だ。

〇アパートの玄関前
山﨑 真人(まさと)「行ってきます」
「ミャー」
  俺の部屋からミケの見送りの声がした
山﨑 真人(まさと)「可愛いやつめ」
  隣の102の部屋から男性が出て来た。
山﨑 真人(まさと)「おはようございます」
池野「・・・・・・」
  男性はさっさと無言で行ってしまう。
山﨑 真人(まさと)(なんだ、感じ悪い)

〇古いアパートの一室
  そして初めての水曜日の夜
  ミケが、俺の横で寝ている
山﨑 真人(まさと)(ミケ可愛いなぁ・・・・・・)
山﨑 真人(まさと)(だけど、真ん中で寝るのはやめて──)
  その時、外で話声が聞こえてきた──
謎な人物「ほう・・・・・・かすみ・・・・・ねばならぬ。だが、一人では・・・。おまえ・・・にいかねばならぬ」
  その声は、家の前を左から右へ移動して行く
???「行かねばならぬ・・・・・・」
  その時、違う方向から別の誰かの声がした!?
ミケ「ミヤャーャオ!!」
  その声に、ひと呼吸遅れるようにミケが怒声をあげる
???「うるせぇーぞ!!」
山﨑 真人(まさと)「すみませーん」
  おれは反射的に謝罪をし、ミケを見ると、慌てた様に毛繕いをしていた。
山﨑 真人(まさと)「ミケ、大丈夫か? 今日はもう寝ような」
  ミケは、再び家具の裏に入ってしまった・・・・・・
山﨑 真人(まさと)(いったいなんだったんだ・・・・・・)
  『夜、誰かの声に応えたら』の後編へ
      
         つづく

次のエピソード:『夜、誰かの声に応えたら』の後編です。

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