第2話『妥協できねえからこだわってるんだよ』(脚本)
〇古いアパートの居間
ネイマー「・・・・・・」
クーロー「村長、このままでは 我が村は終わりです」
ガガ「打つ手がありません」
ネイマー「どうすれば良いのだ」
ネイマー「作ったばかりの村なのに」
ネイマー「全てこれのせいだ」
〇集落の入口
ユーリ「村か」
ユーリ「ここで休憩させてもらおう」
シャルティア「のどかな場所だね」
伊藤「きっと温厚な人たちが住んでるんでしょうね」
シャルティア「綺麗な建物ばかりだから きっと出来たばかりなのかな」
ユーリ「宿屋とかあればいいな」
〇古いアパートの居間
ネイマー「また不毛な争いをすることになるのか」
クーロー「村長!」
ネイマー「どうした? また連中が来たのか?」
クーロー「旅人の方々が来たみたいなんだよ」
ネイマー「そうか、宿目的なら 空き家を貸してやろう」
クーロー「それが、数名の内2名が どうやら王国の騎士様みたいだ」
ネイマー「何だと騎士様がおいでなのか」
ネイマー「だったら急がねば」
〇集落の入口
シャルティア「人来ないね」
ユーリ「仕方ない、勝手に入らせてもらうか」
ファミ「ど、どうも、こんにちは」
「こんにちは」
ユーリ「あの宿とか・・・・・・」
ファミ「あなた方は男の娘派ですか?」
「えっ!?」
ファミ「それとも百合派ですか?」
ユーリ「なんだ、この身近に感じる質問は」
シャルティア「うん」
ファミ「早く答えてください!」
ユーリ「あ、いや、どちらでもないんだけど」
ファミ「それはいけません」
ファミ「この聖書を読んでください」
ファミ「そして、考えを改めるのです」
シャルティア「その同人誌、すごく見覚えある」
上杉「・・・・・・」
上杉「なんで、こんなところにあるの?」
ファミ「これは、我が村に来た行商人が 売ってくれたものです」
上杉「嬉しいんだけど複雑」
ファミ「それで、どっちなんですか!?」
上杉「男の娘」
ファミ「ようこそ、こちら側へ」
ファミ「さあ、宿へ案内しましょう」
上杉「あ、うん」
ファミ「そして、他の方は?」
伊藤 「えっと、最近は男の娘です」
ファミ「宿へどうぞ」
シャルティア「何か怖い」
ファミ「そちらの方たちは?」
「百合です」
「百合です」
「百合です」
ファミ「・・・・・・」
ファミ「この罪人ども!」
「えっ!?」
ファミ「男の娘こそ正義」
シャルティア「あ、何か地雷踏んじゃった」
ファミ「まったくもって、理解し難い趣向だ」
ファミ「さあ、この村から出て行け」
ユーリ「性格変わりすぎだろ」
ファミ「さあ、早く!」
ファミ「さもなければ、首から下を土に埋めて 罪人として晒します」
シャルティア「ちょ、ちょっと話を」
ファミ「百合派の話など聞くか!」
ユーリ「話が通じない」
ユーリ「一旦、退散するか」
〇村の広場
ユーリ「ここまで来ればいいか」
シャルティア「結局、何だったんだろ」
ネイマー「そこのお二方」
ユーリ「は、はい」
ネイマー「もしや、旅のお方では?」
シャルティア「そうです」
シャルティア(他のみんないるんだけどな)
↑ ↑ ↑
数に入れてもらえなかった奴ら
ネイマー「私はこの村で村長をやっている ネイマーと申します」
ユーリ「えっと、王国の騎士をしている ユーリと申します」
シャルティア「準騎士のシャルティアです」
ネイマー「ようこそ、王国の騎士様」
ネイマー「囚人の護送中とはお疲れ様です」
ユーリ(囚人)
シャルティア(護送中)
ネイマー「宿がなければ、ぜひうちにお泊りください」
ユーリ「本当ですか?」
ユーリ「ありがとうございます」
シャルティア「助かります」
ネイマー「その代わり、お願いがあります」
ユーリ「お願い」
〇荒れた小屋
岩本「いくら部屋が余っていないとはいえ こんな場所に客を閉じ込めるなんて」
山田「でも、不思議と懐かしい感じがするのは 何故でしょうか」
村田「暗くてジメジメして狭くて なぜか落ち着きますね」
岩本「確かにね」
岩本「やることないし原稿でも描こうか」
村田「そうですね」
「ハハハ」
〇古いアパートの居間
ユーリ「それでお願いというのは 何でしょうか」
ネイマー「実はこの村は今二つの派閥によって 分断しているのです」
シャルティア「嫌な予感」
ネイマー「あれは半年前のこと」
〇集落の入口
あれは、村を作ってから
間もない頃のことでした
ネイマー「ついに我々の村が誕生したな」
ファミ「苦難の道かもしれませんが 頑張っていきましょ」
ネイマー「ああ」
行商人シーファ「どうも、こんにちは」
ネイマー「ようこそ、我が村へ」
ファミ「こんにちは 商人のお方ですか?」
行商人シーファ「そうです」
行商人シーファ「一晩泊めていただけないでしょうか」
ネイマー「もちろん」
〇古いアパートの居間
行商人シーファ「泊めていただき、ありがとうございます」
行商人シーファ「お礼といっては何ですが こちらをどうぞ」
ファミ「これは?」
行商人シーファ「こちらは今グレーシア中で 流行っている”マンガ”というものです」
行商人シーファ「巷では聖書とも言われています」
ネイマー「それはそれは 誠に結構なものをいただきまして」
行商人シーファ「ぜひ一読を」
ファミ「早速拝見させていただきます」
「・・・・・・」
ネイマー「こ、これは凄い!」
ファミ「まさに芸術」
ネイマー「他にないのですか!」
行商人シーファ「ありますよ」
ネイマー「おお」
ファミ「ぜひ、あるだけ買い取らせてください」
行商人シーファ「毎度あり」
それが悲劇の始まりでした
〇村の広場
クーロー「この”マンガ”というものは 実に素晴らしい」
マリアン「本当ね」
クーロー「特に百合がたまらないな」
クーロー「女の子同士で恋愛なんて」
マリアン「・・・・・・」
マリアン「いーえ、違うわ」
クーロー「ん?」
マリアン「男の娘に決まってるでしょ!」
クーロー「何言ってんだ! 百合が最高だろう!」
マリアン「いえ、男の娘同士の方が気高いわ!」
ガガ「絶対百合に決まってる!」
ファミ「男の娘の良さが分からないなんて 同じ村の人間として恥ずかしいわ」
クーロー「こっちのセリフだ!」
それからというもの村は
百合派と男の娘派に分かれて
いがみ合い始めたのです
〇集落の入口
クーロー「それ以上入ってくるな!」
ファミ「そっちこそ、入ってこないで!」
マリアン「男の娘の良さも分からない人間とは 話なんてできない!」
ガガ「それはこっちのセリフだ!」
村でお互い顔を合わせれば
口論になり罵り合うようになりました
ネイマー「男の娘のどこがいいんだ!」
〇古いアパートの居間
ネイマー「ということがあったのです」
「・・・・・・」
(なんて不毛な争いなんだろ)
(そして、ごめんなさい)
ネイマー「どうか、騎士様 この問題を解決していただけないでしょうか」
ネイマー「このままでは村は崩壊してしまいます」
シャルティア「どっちかが謝ればいいと思いますが」
ネイマー「それでは負けを認めたようじゃないですか!」
ユーリ「なんかあいつらに似てるな」
シャルティア「私たちが解決するしかないね」
ユーリ「そうだな」
ユーリ「分かりました 引き受けます」
ネイマー「ありがとうございます」
ネイマー「これで、ようやく村も平穏を取り戻せる」
〇古めかしい和室
シャルティア「でも、どうするつもり?」
シャルティア「いい解決策なんてあるの?」
ユーリ「さて、どうするかな」
シャルティア「だったら、気分転換に散歩しない?」
ユーリ「そうだな」
〇村の広場
ユーリ「落ち着くな」
シャルティア「そうだね」
シャルティア「そういえば、今回も女装してるんだね」
ユーリ「上杉さんと伊藤さんがいるからな」
シャルティア「これだと、男女のカップルって 信じてもらえないね」
ユーリ「そうだな」
ユーリ「・・・・・・」
ユーリ「男女?」
〇荒れた小屋
岩本「環境変わっても意外と描けるもんだね」
北川「何か落ち着いて、創作が出来ますね」
いのうえ「本当にそうだね」
「こんな時間にドアが!?」
ユーリ「てめえら、起きてんだろうなあ!」
北川「ユーリさん?」
岩本「何か御用ですか?」
ユーリ「お前らに頼みがあってきた」
岩本「頼みですか?」
北川「何ですか?」
ユーリ「それはな」
〇宿泊旅館
一方その頃、男の娘派は・・・・・・
ファミ「私が主に好きなシチュエーションは年上の男の娘が年下に攻められるシチュエーションなんですしかも年下に攻められるときのあの顔」
上杉「分かるわどちらかというと誘うよりも無理矢理されるほうが興奮する戸惑いつつも受け入れてしまう展開とかすごい萌えるわけよ」
伊藤 「待ってください確かにそのシチュエーションもたまりませんが知識のない男の娘を誘導する年上というのも捨て難いことをお忘れなく」
マリアン「その意見も捨て難いですが攻めと受けが入れ替わる展開もまたいいんですよ年上と年下も関係なく快楽に落ちるなんて素晴らしいです」
4人はめっちゃ早口で討論していた
〇古いアパートの居間
ネイマー「もう朝か」
ネイマー「果たして解決してもらえるのだろうか」
ユーリ「おはようございます」
ネイマー「おはようございます」
ネイマー「そして、何か案は浮かびましたか?」
ユーリ「はい」
ユーリ「村人みんなを広場に集めてください」
ネイマー「全員ですか?」
ユーリ「そうです」
〇村の広場
ファミ「どの面下げて来た!」
ネイマー「こっちだって好きで呼び寄せたわけじゃない」
マリアン「おとといきやがれ!」
ガガ「てめえこそ、帰れ!」
上杉「男の娘の良さも分からない人間とは 一生わかりえないわ!」
クーロー「それはこっちのセリフだ!」
ユーリ「なんで、上杉さんまでノリノリなんだよ」
上杉「何か思わずね」
ユーリ「まあ、いいか」
ユーリ「村の皆さん、聞いてください!」
ファミ「一体何なのです?」
ネイマー「一体何をしてくださるのですか?」
「そ、それは!?」
ユーリ「まずは読んでみてください」
ファミ「わ、分かりました」
ネイマー「承知しました」
「・・・・・・」
「こ、これは凄い!」
ネイマー「男の娘と女の子の恋愛」
ファミ「しかも、ただ男女の恋愛ではなく 女装していることの葛藤も 丁寧に描かれている」
クーロー「男女の恋愛なんて何て斬新なんだ」
マリアン「本当ね、異性同士でもこんな面白いんだ」
ガガ「泣けるぜ」
上杉「男の娘と女の子も恋愛できるのね!」
ユーリ「これは男の娘女の子百合本」
ユーリ「お互いのいいところを認め合い そして折衷させる」
ユーリ「まさに平和の象徴だ」
ネイマー「なるほど 教えられました」
ファミ「お互いの意見を認め合い それが出来ないなら良いところを 混ぜてしまえばいいということですね」
ファミ「考えさせられました」
ネイマー「男の娘の良さが分かったよ」
ファミ「私も百合の良さが分かりました」
ユーリ「これで一件落着だな」
「はい!」
上杉「ところで、このマンガ一晩で作ったの?」
ユーリ「まあね」
〇荒れた小屋
↑ ↑ ↑
一晩でマンガを描かされ無事昇天
〇集落の入口
ユーリ「では、みなさん、ありがとうございました」
シャルティア「お世話になりました」
ネイマー「こちらこそ、本当にありがとうございました」
ファミ「このご恩一生忘れません」
ユーリ「じゃあ、また!」
ネイマー「本当に素晴らしい人たちだった」
ファミ「本当ですね」
〇古いアパートの居間
ファミ「えっ?」
ネイマー「どうかしたのか?」
ファミ「この絵に描いてる名前は はじまりの村って書いてます」
ネイマー「まさか、聖書の作者様だと!?」
ファミ「道理で素敵な方達だったわけですね」
ネイマー「ああ」
ファミ「尊敬を込めて」
ファミ「あの方達のことをこう呼びましょう」
〇空
「◯の猥将」
〇草原の道
ユーリ「村の問題が解決して良かったな」
上杉「そうね」
シャルティア(元々は私たちのせいなんだけどね)
ユーリ「でも、何か忘れてるな」
上杉「どうでもいいじゃない。 きっと大したことじゃないのよ」
ユーリ「確かに。そうだな」
〇荒れた小屋
岩本「これって、まさか?」
いのうえ「置き去り?」
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寝てたら置いていかれ絶望中


