〇音楽スタジオ
あおい「～～～♪ ～～～～～♡」
あおい「あ、あおと？」
あおと「ご、ごめん姉ちゃん！ その、さっきの歌詞を歌ってた姉ちゃんが可愛すぎて///」
あおい「あ///」
こうた「えっと、その、改めて好きになった///」
あおい「こ、こうたも？」
「っ///」
はる「こうた、入ってもいいか？」
こうた「あっ、うん、いいよ！」
こうた「何かあった？」
はる「えっと、言いづらいんだけど、ここの音楽スタジオ、今日で閉める・・・」
「え!?」
はる「本当にごめん・・・ 実はこのスタジオを取り壊して、ここに音楽会社が建つ事になってな・・・」
こうた「音楽会社？」
はる「starって会社、知ってる？」
あおい「知ってる！ 世界トップクラスのアイドル、アーティストを沢山生み出し続けている、この国１番の音楽会社だよね!!」
かなめ「えぇ、そうよ」
「!?」
かなめ「はじめまして starの社長、かなめです」
ぐれん「そして、starの優秀かつ、社長の執事の・・・」
かなめ「ぐれんよ」
ぐれん「ちょっと、そこは私が言うところですよ・・・」
こうた「それで、今日はなぜこちらに居らしたのですか？」
かなめ「実は、はるとは少し前から付き合いがあってね そこで、音楽が大好きな人達が親友で居るという話を聞いたのよ」
かなめ「それで今日、会いに来たの」
かなめ「・・・、貴方達は本当に音楽が好きなのかしら？」
あおい「もちろんです！ 一時期は家庭の事情で出来ていなかったのですが・・・」
あおい「今では親からの了承も得られ、弟と彼と楽しくやっています」
かなめ「弟さんは？」
あおと「はい 姉ちゃんの影響で音楽やっていたら、自分自身も大好きになり、音楽の無い生活なんて、もう懲り懲りですよ・・・」
かなめ「貴方は？」
こうた「そうですね・・・ ２人に比べたら俺自身音楽は得意ではないですけど、２人の夢のために楽しみながら頑張ってます」
かなめ「・・・」
かなめ「決めた 貴方達をstarにスカウトするわ！ もちろんはるもね」
「え!?」
はる「かなめさん、スカウトってどういう事ですか!? というか、僕まで!?」
かなめ「そろそろstarも新しい人材を必要としていてね 貴方達は、音楽を本当に愛しているのが伝わってきたからスカウトしたのよ」
かなめ「どうかしら？」
はる「嬉しいんですけど、僕までいいんですか？」
かなめ「はる、音楽スタジオの運営、かなり厳しいんでしょう？」
はる「た、確かにそうですけど・・・」
かなめ「作曲も得意だって聞いたわ 彼女達の曲を作曲してもらえたらと思ったんだけど、どうかしら？」
はる「・・・」
はる「わかりました あおい達が良ければ、ぜひ！」
かなめ「どうする？」
あおい「はい、私もぜひ！」
あおと「姉ちゃんがそういうなら、僕も！」
こうた「よし、俺も一肌脱ぎますか！」
かなめ「ふふっ、良かった じゃあ早速だけど、手続きの事もあるし、本社に行きましょうか」
「はい！」

〇病室のベッド
ぐおん（俺はホント、ダメな親だ・・・ 自分の子供を虐待してたなんてな・・・）
フレア「ぐおんさん、入りますよ」
フレア「ぐおんさん、大丈夫ですか？」
ぐおん「俺は・・・」
らくま「また、ですか・・・」
フレア「らくまさん・・・」
らくま「やはり、来るタイミングが遅かったんだろうな もっと早ければ、ここまでの症状にはなっていなかっただろう」
フレア「といっても、ぐおんさんの家庭では・・・」
らくま「事情は知ってるし、厳しいのもわかるがね・・・」
らくま「とりあえず、これを」
フレア「そ、それは・・・」
らくま「大丈夫だ 飲ませた事もあるし、異常は無かった」
フレア「・・・」
ぐおん「ん？ 先生方、なぜここに？」
フレア「ぐおんさん、目が覚めましたか？」
ぐおん「また、か・・・」
らくま「とりあえずよくなって良かった 薬はどうする？」
ぐおん「・・・」
ぐおん「薬にはもう、頼らない」
らくま「そうか・・・」
フレア「ぐおんさん・・・」
ぐおん「俺は、子供達の夢を応援しないといけない そのためにも、早く良くならないと」
らくま「そのための薬なんだが!?」
フレア「らくまさん、貴方はわかっていない！ あの薬には、症状を悪化させる効果があるんだ！」
らくま「ふっ・・・」
らくま「あはははははっ」
フレア「な、なにがおかしい！」
らくま「そんなの知ってるよ だって、僕はただの医者じゃない」
らくま「闇医者だからな」
フレア「な、なに・・・？」
ぐおん「やっぱりか・・・ 腕も低かったし、薬を飲むようになって身体がおかしくなったような気がする」
らくま「ふっ、あの薬には症状を悪化しやすくさせ、運が良ければ死ぬリスクもある、最高の薬だよ」
「!!」
らくま「まっ、運悪く死ななかったみたいだけど」
フレア「らくま、貴方はなぜこの施設に入った！」
らくま「簡単だよ この施設に来た患者を楽にするためさ 誰だって辛いなら、早く楽になりたいだろ？」
フレア「貴方はそうして、沢山の患者を死なせたっていうのか!!」
らくま「そうだよ 僕は人を楽にさせるためにここに来た」
ぐおん「お前は間違ってる!!」
らくま「!!」
ぐおん「みんな、良くなるためにここに来てる みんな、それぞれに子供や妻、自分の夢もあった その想いを踏みにじるな!!」
らくま「っ・・・」
フレア「らくまさん、貴方を・・・」
らくま「それ以上言うなら、ここで殺る」
「っ・・・」
らくま「ふっ、また何処かで会おう またな・・・」
フレア「らくまさん・・・」
ぐおん「・・・」
フレア「ぐおんさん、あの、大丈夫ですか？」
ぐおん「あぁ」
フレア「僕がしっかりと管理していれば・・・」
ぐおん「フレア先生は何も悪くない らくまさんが、善人ぶってた闇医者だったのが悪いんですよ」
フレア「ありがとう・・・ ぐおんさん、症状の方はどうですか？」
ぐおん「今のところは平気ですよ」
フレア「それなら良かった らくまさんについては僕らが調べておくよ とりあえず今日は、ゆっくり休んでて」
ぐおん「はい」
ぐおん（闇医者か・・・ もしかしたら、さとるなら何か知ってるかもしれないな 明日、連絡してみるか）

〇豪華な社長室
かなめ「ここは社長室よ 基本私はここの部屋に居るわ」
「豪華すぎる・・・」
かなめ「ふふっ、みんなには馴染みがないからびっくりするわよね」
あおい「確かにびっくりしましたけど、さすがstarの社長であり、元トップアイドルのかなめさんです！」
かなめ「知っていたのね」
あおい「もちろんです！ 昔からお父さんに隠れて応援していましたから」
あおと「かなめさんは、姉ちゃんの心支えの１つでしたからね」
かなめ「ふふっ、そう言われるとトップアイドルをやっていて良かったと思うわね」
かなめ「さて、契約の件だけど・・・」
？？？「社長、今よろしいでしょうか？」
かなめ「どうぞ」
やよい「社長、この方達は？」
かなめ「私がスカウトした、新たな人材よ」
やよい（明らかに無能そうね・・・）
やよい「そうなんですね」
かなめ「そういえばやよい、何か私に用事があったのかしら？」
やよい「はい、実は海外へのLIVEのお誘いを受けたのですが・・・」
かなめ「それ、また彼から？」
やよい「そうですけど？」
かなめ「何度も言ってるけど、それは無理」
やよい「何でなんですか！」
かなめ「彼は信用出来ないからよ」
やよい「この私の彼氏だとしても、ですか？」
かなめ「えぇ」
あおい「あ、あの・・・」
かなめ「ごめんなさいね、皆さん 話、逸れちゃったわね・・・」
あおい「私達の事はお気になさらず・・・」
かなめ「いえ、これからstarの仲間になるんだから、話しておくわ」
かなめ「やよいの彼氏、'はると'は私の甥なの」
やよい「!?」
かなめ「知らなかったかしら？」
やよい「はい、はるとからは何も・・・」
ぐれん「社長、そろそろお時間が・・・」
かなめ「あら、もうそんな時間!?」
ぐれん「はいこのままだと、遅れますので・・・」
かなめ「仕方ないわ この話はまた今度にするわね」
かなめ「やよい、彼女達を夕方まで頼めるかしら？」
やよい「私もこの後レッスンの予定が・・・」
やよい（レッスンはあるけど、彼女達は信用出来ないし、別にいいよね）
ぐれん「確か、ラブリークローバーが事務所に居るのでは？」
かなめ「そうね じゃあ皆さん、ラブリークローバーの部屋へ案内するわ」
みんな「はい！」

〇稽古場
「はい！」
ゆめか「どうだった？」
なお「２人とも、またサビでミスしてたぞ 何度言ったらわかるんだ？」
「す、すみません・・・」
なお「実力は悪くないが、ミスが目立ちすぎる・・・ このままでは世界どころか、国１番も目指せないぞ」
「・・・」
なお「すまない、少し言いすぎた・・・」
ゆめか「いえ、私達の実力不足なのはわかっていますから・・・」
なお「少し外に出てくるよ その間、休憩しててくれ」
ひめ「ゆめか・・・」
ゆめか「大丈夫だよ、ひめ ずっとレッスンしてたし、休憩しよ！」
ひめ「うん・・・」
ゆめか「あっ、はい！」
かなめ「やよいよ 今、少しいいかしら？」
ゆめか「どうぞ！」
ゆめか「や、やよいさん、ど、どうして私達の所へ？」
やよい「実は、社長がスカウトした子達を夕方まで見ていてほしくて」
ひめ「あっ、はる先輩！」
はる「久しぶりだな、ひめ」
ゆめか「えっ、２人とも知り合いなの!?」
ひめ「うん、同じ学校に通ってた先輩だよ」
ゆめか「もしかして？」
ひめ「それはダメ！」
ゆめか「あははっ、それくらいよくない？」
ひめ「ダメ！」
ゆめか「わかったよ もう言わない」
ゆめか「やよいさん、お騒がせしてすみませんでした 彼女達は私達が責任をもって対応致します」
やよい「良かったわ それじゃ、私は失礼するわね」
ひめ「はる先輩、彼女達は？」
はる「彼女達は俺の仲間だよ みんな、自己紹介してあげて」