そこで泣かないで(脚本)
〇まっすぐの廊下
なほ「先輩! こんな所で偶然ですね」
先輩「おぉ! 次は選択科目の時間だからな。教室移動だ」
なほ「先輩は何を選択してるんですか?」
先輩「音楽だよ」
なほ「音楽!?」
先輩「何よ?」
なほ「先輩・・・・・・音楽の力だけではモテませんよ! まずは外面(そとづら)が良くないと」
先輩「誰もモテようとしてないよ!? というか、外面言うな外面って!!」
なほ「先輩・・・・・・内面は良いんですか?」
先輩「・・・・・・」
なほ「・・・・・・」
先輩「あれ、泣いちゃいそう」
なほ「泣いちゃいそうですか・・・・・・ では、どうぞ」
先輩「どうぞじゃないよ!! 誰が胸の中で泣くんだよ!! 差し出してくるんじゃないよ!!!」
なほ「泣きたいなら、ここで泣けよ」
先輩「何だよそれ! 変なドラマでも観たの!?」
なほ「・・・・・・」
先輩「恥ずかしいならやるんじゃないよ!!」
なほ「冗談ですよ!」
先輩「まったく。 心臓に悪い冗談だな」
なほ「しかし、先輩が音楽ですか・・・・・・」
先輩「いいだろ別に」
なほ「何か意味がありそうです」
先輩「無いよ! ただ聴くのが好きってだけ」
なほ「何か見落としているような・・・・・・」
先輩「考え過ぎだよ」
なほ「・・・・・・」
先輩「変な事考えてそうだな」
なほ「!!」
先輩「何か閃いたみたいだけど」
なほ「わかってしまいました。 先輩が何故音楽を選んだのか」
先輩「聞きたくないけど何故?」
なほ「それは・・・・・・女子に自分の作曲した音楽をプレゼントする為です!」
先輩「凄い角度から攻めて来たね!?」
なほ「『君の為に作ったんだ』 みたいな!」
先輩「するか!!」
なほ「そうですよね。 そもそも相手がいない事には・・・・・・」
先輩「やめて! 最後まで言わないで! 泣いちゃう」
なほ「・・・・・・どうぞ」
先輩「いや、だから胸の中で泣かそうとするんじゃないよ!」
なほ「・・・・・・」
先輩「今度は恥ずかしくないのか」
なほ「2回目ですから」
先輩「だからって堂々とするんじゃないよ」
先輩「というかさ・・・・・・」
なほ「はい?」
先輩「そっちもさ、友達と居る所見た事ないけど・・・・・・」
先輩「友達いる?」
なほ「先輩!! 酷いです!!」
先輩「冗談だよ。 いつもからかわれるからお返しだよ」
なほ「それでも酷いです!」
先輩「・・・・・・ごめんな」
なほ「悲しいです」
先輩「悪かった」
なほ「先輩の胸で泣かせてください!」
先輩「やかましいよ!」
相手の胸の中で泣いたら、それはもう…🥰 なほちゃんの距離感がイイですね💕
何だか2人の思考が似通ってきた感じですかね😂 主人公が成長?耐性?覚醒?、と想像するのも楽しいです😊