第7話 ヒーローと怪人の血族(脚本)
〇組織のアジト
怪人(ユウジ)「はぁ・・・・・・」
怪人(ユウジ)「やっぱりこの体じゃあいつに追いつけない」
怪人(ユウジ)「あれ!?」
怪人(ユウジ)「ユキネさん、どこにいったんだろう」
怪人(ユウジ)「はぁ・・・・・・」
怪人(ユウジ)「はら減ったけど、もらったドーナツは全部食べちゃったしなぁ」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)「ヒーローの正体がばれたから、」
怪人(ユウジ)「僕の周りの人にも迷惑が・・・・・・」
怪人(ユウジ)「心配だし、見に行ってみるか」
〇大きな一軒家
記者「お子さんが”ヒーロー”だったことに関して、お母様はどのようなお気持ちですか!?」
記者「心境をお聞かせください!!」
母親「やめてください!!」
記者「あなたのお子さんは、多くの人の命を奪っています」
記者「現に、今は息子さんの行方が不明だと」
記者「それに、近所の方からは、昨晩ガラスの割れる音がしたと」
母親「私は信じません」
母親「帰ってください!!」
〇通学路
隣人「あ、来た来た」
隣人「あの人よね!?」
隣人「殺人犯の母親・・・・・・」
隣人「汚らわしい」
隣人「2度と話すもんですか」
母親「・・・・・・」
母親「ユウジ・・・・・・」
少女「ねぇ!?」
母親「!?」
少女「すこし、お話しない!?」
母親「え!?」
〇街中の道路
学生「おい!!」
学生「お前、広尾ユウジと仲よかったよな」
さや「・・・・・・」
学生「てめぇも共犯者なんじゃねえの!?」
さや「は!?」
さや「私はそんなのしない!!」
さや「それに、まだユウジがヒーローだってきまったわけじゃない!!!!」
学生「言い訳すんなよ。テレビで出たんだからマジだろ。見苦しいぜ」
学生「これでもくらえや」
さや「痛ッ!!」
さや「やめてよ」
学生「制裁だよ」
さや「・・・・・・」
さや「ひどい」
さや「こんなのって・・・・・・」
怪人(ユウジ)「おい!!」
怪人(ユウジ)「何やってんだ、おまえ!!!!」
さや「え!?」
さや「あんた・・・・・・」
学生「か、怪人!?」
怪人(ユウジ)「いてぇな!!!!」
学生「ひえぇぇ」
学生「だ、誰か!!」
怪人(ユウジ)「逃げるよ」
〇入り組んだ路地裏
さや「ありがと。助けてくれて」
怪人(ユウジ)「ごめん」
さや「え!?」
さや「なんであんたが謝るのよ」
怪人(ユウジ)「そ、それは・・・・・・」
僕が、”元”ヒーローだから
だから
迷惑を掛けた遠因は、僕にだってある
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
さや「あんた、お腹すいてるの!?」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)「今日は朝ご飯も食べてない」
さや「そうなの!?」
さや「じゃ、これ食べて」
怪人(ユウジ)「いいの!?」
さや「うん」
怪人(ユウジ)「でもこれって」
怪人(ユウジ)「君の昼ご飯だろ」
さや「気にしないで」
怪人(ユウジ)「あ、ありがとう」
さや「じゃ、私学校行くね」
さや「遅れちゃう」
怪人(ユウジ)「学校、いくのか!?」
さや「うん」
怪人(ユウジ)「やめとけよ」
怪人(ユウジ)「さっきみたいに・・・・・・」
さや「大丈夫!!」
さや「じゃ、ゆっくり食べてね」
怪人(ユウジ)「ちょっとまって・・・・・・」
怪人(ユウジ)「・・・・・・さや」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)「さやが嫌がらせを受けていたなら、もしかしたら、母さんにも危険が・・・・・・」
怪人(ユウジ)「心配だし、見に行ってみるか」
〇大きな一軒家
怪人(ユウジ)「誰も、いないのか!?」
少年「か、怪人!?」
怪人(ユウジ)「!?」
〇入り組んだ路地裏
怪人(ユウジ)「ユキネさんに、人間の姿に変身させてもらうべきだった」
怪人(ユウジ)「この体であまり出歩くべきじゃないな」
怪人(ユウジ)「もう一度、アジトに帰って、ユキネさんがいるか確認するか」
〇組織のアジト
怪人(ユウジ)「いたんですか」
怪人(ユウジ)「探したんですよ」
ユキネ「ちょうどよかったわ」
ユキネ「こいつを見て」
ユキネ「人質を捕まえたわ」
怪人(ユウジ)「え!?」
怪人(ユウジ)(か、母さん!!)
ユキネ「こいつは、あのヒーローの正体である」
ユキネ「広尾ユウジの母親よ」
ユキネ「この人質を使って」
ユキネ「ヤツをおびき出す」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
ユキネ「兄さんの敵よ」
ユキネ「こいつを使って、ヤツを自害させる」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)(最悪だ)
to be continued