家族想い(脚本)
〇睡蓮の花園
ヴォルズ「寒っ!!なんで凍ってるんだよ!?」
ヴェルア「ヴォルズ、妹を何処にやった!?」
ヴォルズ「ヴェルアの仕業か・・・お前の妹なら知らない」
ヴェルア「嘘言え・・・貴様の娘がルシェナに会ったとロミアから聞いている!居場所を知っているのだろ」
ヴォルズ(コイツ怒ると話し聞かないだよなぁ・・・寒いしなんとか宥めなければ・・・)
ヴォルズ「ルヴィアから会ったとは聞いたがその後直ぐに何処かへ行ってわからないと言っていたが・・・」
ヴェルア「攫ったわけではないのだな?」
ヴォルズ「ああ、もしも私の所に来ていたらお前達に知らせている」
ヴェルア「それもそうか・・・すまない、早とちりをした」
ヴォルズ「気にしなくて良い。それより凍った泉を何とかして貰えないか?」
ヴェルア「そのうち溶けるから気にしなくて良いだろ」
ヴォルズ(気にしろよ!)
ヴォルズ「少々寒いのだが・・・」
ヴェルア「そうか?水龍は寒がりなんだな」
ヴォルズ(ダメだこりゃ)
ヴォルズ「用件はそれだけか?」
ヴェルア「何か言いたかったのか忘れてしまったから・・・また後で来よう」
ヴォルズ「え・・・あ・・・なんだったんだ」
ルヴィア「父様、明日ロミアちゃんとルミアさんと出掛けるけど一緒に行かない?」
ヴォルズ「良いのか?行っても」
ルヴィア「来てほしい」
ヴォルズ「なら、行こう。ルヴィア、昨日ルシェナと会ったのか?」
ルヴィア「うん、里に行く途中に会ったの。私が嫌いみたい」
ヴォルズ「初対面だからまだ分からないであろう」
ルヴィア「そうね、また会ったら仲良くなれるかな」
ヴォルズ「ああ、ルヴィアなら大丈夫だ」
ルヴィア「ふふ、明日が楽しみ」
〇先住民の村
ミルア「ヴォルズ、ルヴィア、いらっしゃい」
ルヴィア「こんにちは、ルミアさん」
ミルア「ロミアもいるわよ。今日は里で買い物しましょう」
ルヴィア「うん、余り見かけないものもあるから楽しみ」
ミルア「街とは違った良さがあるのよ。里の人は龍見ても気にしないからね」
ヴォルズ「それは助かる。擬人化はできるのだが・・・なるべく本来の姿の方が良くてな」
ルヴィア「父様、人間になれたの?凄い」
ヴォルズ「ああ、人にならないと行けない所もあるから擬人化術は覚えている」
ミルア「見た目なんて関係ないのにね。私は全く気にならないし、むしろ龍なんて凄いと思うわ」
ルヴィア「父様、すごーくカッコイイからみんな慕うべき」
ヴォルズ「はは・・・考え方は人それぞれだ」
ルヴィア「父様を悪く言ったり変な目で見る人なんて・・・腹痛起こしたらいいのに」
ヴォルズ(変な所はスミレの影響を受けているな・・・悪い方に行かなきゃいいのだが・・・)
ミルア「大切にしてるのね。私もロミアになにかしてくる人いたら許さないわ」
ロミア「お姉ちゃん・・・」
ミルア「可愛い妹だもの。ルヴィアもヴォルズも大切よ」
ミルア「でも、ヴェルアは別だけど」
ロミア「あ、自分の世界にいった」
ヴォルズ(ルミアはスミレ似てるんだよなぁ・・・)
ヴォルズ「とりあえず行こう」
ルヴィア「うんっ」
ロミア「今日は期間限定夏みかん味団子が売れる日」
ミルア「買わないと!ルヴィアとヴォルズは欲しいものや行きたい所ある?」
ルヴィア「うーん、私も団子気になる」
ヴォルズ「特にこれと言って・・・団子ならオーディンとスミレにも買っていかないとな」
ミルア「そういえば二人は来なかったのね」
ヴォルズ「ああ・・・スミレが夕飯を作るとか張り切っていたからオーディンに止めるように言ったんだ」
ミルア「美味しくなくてお腹壊すものね。 教えても何故か見た目からダメなのよね」
ヴォルズ「ルヴィアも美術はダメなんだが・・・それは問題ないが料理は将来的にな・・・」
ミルア「仕方ないわよ、不得意得意があるもの。そういえば・・・今朝ヴェルアが来なかった?ロミアが話しちゃったのよ」
ヴォルズ「誘拐を疑われたが誤解が解けたのだが・・・泉が凍ってしまってな」
ミルア「あら・・・ヴェルアたら普段は冷静なのよ。ただ妹の事になるとダメだし・・・私も妬いちゃうぐらい想うんだから・・・」
ヴォルズ「気持ちはわからなくない・・・私もルヴィアが居なくなったり何かあれば気が気ではない」
ミルア「大切な家族だものね」
ルヴィア「父様、ルミアさん、早く!」
ロミア「慌てなくていい」
ミルア「はーい、今行くわ」
ヴォルズ(このまま何も変わらなくて良い。 俺は平和な世界で過ごしたい)
そんな水龍神の願いは続く事がなく、徐々に迫り来る脅威にまだ気付けていなかった