四話 予感(脚本)
〇学校の屋上
ある日、啓は梅景にまた屋上に呼ばれた
雷戸 啓「今日はどうしたんだ?」
梅景 朱人「俺は一旦お互いの能力の確認をしあいたいんだ」
雷戸 啓「あーなるほどね」
雷戸 啓「確かに、俺も自分の能力よくわかってないもんな」
梅景 朱人「まあ、俺が思うにお前の能力は『静電気』を発生させる能力だと思うがな」
雷戸 啓「・・・」
雷戸 啓「ショボッ!?」
梅景 朱人「聞いただけじゃかなりショボいが拳で戦うとなれば結構強いんじゃないか?」
雷戸 啓「まあ・・・そうか?」
梅景 朱人「うん、殴ると静電気の痛みがプラスされるし、俺が負けたし」
梅景 朱人「ていうか相当強い俺が負けたということはお前の能力は相当強いぞ」
雷戸 啓「・・・」
雷戸 啓(なんか、負けたのを俺の能力が強かったせいにしようとしてないか?)
梅景 朱人「そして、その相当強い能力を持つ俺、」
梅景 朱人「俺の能力は『奈落の裏門』だ!!」
雷戸 啓「・・・」
雷戸 啓「最初に名前聞いたときから思ってたんだけどさ、その名前はどこからきたの?」
梅景 朱人「俺がつけた!」
梅景は自信満々に言い放った
雷戸 啓「・・・」
梅景 朱人「そうだ、お前の能力にも名前をつけてあげよう」
梅景 朱人「・・・」
雷戸 啓「・・・」
雷戸 啓(名前とか別にいらねー)
梅景 朱人「『エレキダイナモ』とかどうだ!」
雷戸 啓「カッコいい名前だ!ありがとう!」
正直啓はどうでもいいと思っていた
梅景 朱人「あそうだ、俺の能力ね」
梅景 朱人「俺の能力は影を操る能力だ」
雷戸 啓「影を?」
梅景 朱人「そう、でも某ヒーローアカデミア系漫画のやつとは違って、平面の中で動かせるだけ」
梅景 朱人「飛び出たりはしない」
雷戸 啓「体に張り付いてきたのは?」
梅景 朱人「あれは平面ならどこでもいける特徴を生かして影を巻き付け相手を拘束する技だな」
雷戸 啓「へー」
梅景 朱人「!?」
雷戸 啓「ん、どした?」
梅景 朱人「後ろの女、何をしにきた」
啓が振り向くとそこには派手な髪色の女がいた
摩小 恵「あなたたち、今何の話してたの?」
雷戸 啓「え・・・いや、」
梅景 朱人「貴様、能力者か!?」
雷戸 啓「ええ!?」
啓は梅景の発言に驚き、梅景の方を振り向いた
摩小 恵「そうよ、私も能力者なの」
その発言に、今度は女の方を振り向いた
雷戸 啓「ホントにそうなんだ!?」
〇学校の屋上
雷戸 啓「君、名前は?」
摩小 恵「私の名前?」
摩小 恵「恵よ」
梅景がコッチコッチと手招きし、啓が近づくと、梅景が啓に耳打ちした
梅景 朱人「あいつ、俺と同じ二組だぞ・・・たしか苗字は摩小、」
続いて啓もコソコソ話を始めた
雷戸 啓「え?てかさ、なんで能力者とかわかったの?」
梅景 朱人「お前・・・まあ、なんとなく気配が感じられる、能力者同士だけが知覚できる・・・」
梅景 朱人「何かがある」
梅景 朱人「もちろん、気配を隠すことをする人間もいるだろうな」
摩小 恵「あの・・・」
二人は恵から話しかけられ、コソコソ話をやめた
雷戸 啓「ああ、ごめんごめん」
梅景 朱人「フッ」
雷戸 啓(フッてなんだよ・・・)
摩小 恵「名前をお聞きしてもいいかしら?」
雷戸 啓「うん、俺の名前は雷戸啓、」
梅景 朱人「俺は朱人だ」
摩小 恵「ふーん、」
啓はなんだか鼻につく女だなと感じた
摩小 恵「あなたたち、最近コソコソ二人で何かしているみたいだけど・・・何かやりたいことでもあるの?」
雷戸 啓「いや、特に何かをしているというわけではないよ?」
梅景 朱人「同じくだ・・・」
摩小 恵「じゃあ、私の手伝いをしてくれない?」
啓は突然の誘いに少々戸惑ったがすぐに平静を保った
雷戸 啓「うーん、何をするかにもよるな」
一方で梅景は・・・
梅景 朱人(・・・)
梅景 朱人(おいおい、マジかよ・・・女子と話してるぜ今!!俺!!)
梅景 朱人(嬉しい、高校生になってから初めてかも!)
雷戸 啓「おーい、梅景?」
梅景 朱人「ハッ」
梅景 朱人「なんだ!?」
雷戸 啓「いや、恵はここで探し物をしているらしいんだけど・・・」
雷戸 啓「俺は手伝うけど・・・梅景どうする?」
梅景 朱人「ああもちろん、快く引き受けるぞ」
梅景 朱人「で、何を探しているんだ?」
摩小 恵「本を探してるの」
雷戸 啓「本か・・・」
〇広いベランダ
場所は変わり、学校が見渡せる位置にあるビルの屋上から誰が学校を見ていた
銀城 浪「・・・」
銀城 浪「あの医者、個人情報は渡せないとか言いやがって・・・」
銀城 浪「なんとか学校までは掴んだが・・・」
銀城 浪「どうなってんだこの学校は・・・」
銀城 浪「気配を感じるな・・・それも多数の」
銀城 浪「あの学校には・・・なにかあるのかもな」
銀城 浪「ってなると一旦・・・」