アイドルヒロイン!

さつまいか

第十二話 戻る思い!(脚本)

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〇劇場の楽屋
アミナ「ふわぁぁぁー、つっ、疲れた・・・」
キリサ「お疲れ様、アミナちゃん」
アミナ「・・・キリサさん」
キリサ「初めての合同ライブはどうだったかしら?」
アミナ「とっても楽しかったです!」
アミナ「あたしたち以外が好きで、見に来ている人たちがいることを初めて知れました」
アミナ「それに、たくさんの人たちに、あたしたちの存在を認めてもらえたことが___」
アミナ「あたしたちの歌を届けられたことが、とっても嬉しいんです!」
キリサ「そう、それはよかったわ」
キリサ「わたしは、合同ライブはたくさんしてきたけれど___」
キリサ「やっぱり、新しいグループを見て、わくわくしているファンのみんなを見るのが、 一番好きなのかも」
アミナ「・・・・・・」
アミナ「そうなんですね! あたしも、将来その笑顔を見られるように頑張ります!」
キリサ「ええ、わたしたちのアイドル後輩として頑張ってほしいわ!」
アミナ「ありがとうございます!」
アミナ「じゃあ、お先に失礼します」
キリサ「ええ、また会いましょうね、アミナちゃん」
アミナ「はい!」

〇ゆるやかな坂道
  帰り道
アミナ「またライブホールでやりたいね、ライブ」
エリカ「何言っているの! これから自分たちで 夢をつかみとっていくんでしょ?」
アミナ「・・・・・・」
エリカ「・・・アミナ? どうしたの?」
アミナ「い、いやー、エリカからそんな言葉が出るとは思ってなかったから」
エリカ「はぁ、アミナねぇ・・・」
エリカ「私にだって信念はあるわよ。 それが今日、形になったってだけなんだから」
アミナ「・・・そっか!」
アミナ「でも、何をしたらいいんだろう? キリサさんたちのおかげで、たくさんの人があたしたちを知ってくれたけど・・・」
エリカ「それを生かす手しかないわよ?」
アミナ「うん・・・」
エラカトラ「・・・何か、悩みごと?アミナちゃん」
アミナ「あ、エラカトラ」
アミナ「うん、エリカとこれからの『エリアミ・ガール』について相談してたの」
エラカトラ「これからの・・・」
エラカトラ「じゃあ、ちょうどよかったのかも」
アミナ「ちょうど・・・?」
エラカトラ「・・・あのね、ワタシのお姉ちゃんの闇の気配___それが、消えたように感じたの」
アミナ「・・・っ、それって!」
エラカトラ「うん。多分、アミナちゃんとエリカちゃんの歌がお姉ちゃんの心に刺さったのかも」
エラカトラ「まだ会ってないから、確証はないけどね」
アミナ「・・・じゃあ、今から会いに行く?」
エラカトラ「でも・・・。 二人ともライブ後で疲れてるんじゃ・・・」
アミナ「いいよ、それくらい。 ね、エリカ」
エリカ「ええ。全然オッケーよ」
エリカ「エラカトラも、 本当はすぐにでも会いたいんでしょ?」
エラカトラ「エリカちゃん・・・・・・」
エラカトラ「・・・ありがとう、二人とも」
エラカトラ「多分、いつも二人が練習してる公園にいると思う」
アミナ「それも、精霊の能力?」
エラカトラ「ううん、ワタシの勘___ だけど、お姉ちゃんが呼んでる気がするの」
アミナ「・・・そっか。 なら、早く迎えに行ってあげないと、ね!」
エラカトラ「うん!」

〇広い公園
アミナ「・・・・・・いる、かな」
アミナ「す、すみませーん」
アミナ「え、エラカトラのお姉さんはいらっしゃいませんかー」
エリカ「アミナ・・・。 そんなので本当に出てくる訳___」
???「・・・・・・」
エリカ「・・・って、え?」
エリカ「あっ、アミナ、あれって・・・」
アミナ「・・・ほんと、だ」
アミナ「すっ、すみません、あなた、エラカトラのお姉さんですか?」
???「・・・・・・」
???「ん、うう・・・」
???「はっ・・・!?」
???「ここ、は・・・?」
アミナ「あっ、あの、ここはあたしたち人間が住んでいる世界です。 あなたはエラカトラのお姉さんなんですか?」
???「う、うん、そう・・・だけど・・・」
アミナ「よっ、よかったー・・・」
エラカトラの姉「ええ、と、あなた、は・・・」
アミナ「あ、あたしは、アミナって言います! エラカトラが、専属精霊になるって決めてくれた人間です!」
エラカトラの姉「エラカトラ・・・専属精霊・・・」
エラカトラの姉「じゃあ、本当に戻ってきた・・・」
アミナ「・・・? お姉さん?」
エラカトラの姉「ほんっとうにごめん・・・。 謝って済むことじゃないとはわかってる」
エラカトラの姉「でも、謝らせて欲しい・・・」
エラカトラの姉「自分が、 あなたたちの夢を奪おうとした・・・ その報いを受けたい」
アミナ「・・・・・・」
アミナ「いいですよ、そんなの」
アミナ「それより、謝罪はあたしにじゃなくて、妹さんに伝えるべきだと思います」
エラカトラの姉「エラカトラ、に・・・?」
アミナ「はい。あなたのこと、一番心配していて、一番信頼していましたから」
エラカトラの姉「エラカトラ、が・・・?」
アミナ「はい」
エラカトラの姉「今、いるの・・・?」
アミナ「はい。 ___エラカトラ、出てきていいよ」
エラカトラ「・・・・・・」
エラカトラ「・・本当に、お姉ちゃん、なの?」
エラカトラの姉「・・・うん」
アミナ(姉妹の会話だもんね、あたしは離れておこう)
エラカトラ「お姉ちゃん・・・」
エラカトラの姉「・・ほんとに、ごめんね・・・!!!」
エラカトラ「ふふっ、相変わらず表情が柔らかいね、お姉ちゃんは」
エラカトラの姉「そっ、そんなことより・・・」
エラカトラ「お姉ちゃんが心配することは、何もない」
エラカトラ「お姉ちゃんが影響を与えてしまった人たちも、きっとアミナちゃんたちの歌で、自分の心を取り戻せたと思うから」
エラカトラの姉「でも・・・」
エラカトラ「ワタシも大丈夫だよ。 唯一の家族である、お姉ちゃんが、ちゃんと帰ってきてくれたんだから」
エラカトラの姉「ありがとう、エラカトラ・・・」
エラカトラの姉「自分が何をすればいいのか、なんとなく分かった気がする」
エラカトラ「何をするの? よかったら、ワタシも手伝いたいな」
エラカトラの姉「自分を助けてくれた人をサポートする」
エラカトラの姉「それが、自分のやるべきことだと思った」
エラカトラ「・・・そっか! なら、ワタシに打ってつけだね!」
エラカトラ「ワタシは、その人たちの願いを叶えるためにここにいるんだから」
エラカトラの姉「エラカトラ・・・」
エラカトラの姉「じゃあ、改めて、助けてくれた人に挨拶がしたい」
エラカトラ「そうだね」
エラカトラ「アミナちゃん、エリカちゃん。 もう大丈夫だよ」
エラカトラ「お姉ちゃんが二人に挨拶をしたいって」
アミナ「あたしたちに・・・?」
エリカ「別に大丈夫だけれど・・・」
エラカトラの姉「じ、じゃあ、改めて・・・」
エラカトラの姉「エラカトラの姉で、精霊の国の機関、『ウィッシュヘルプ』の責任者のひとり___」
エラカトラの姉「アシュカトラ、です・・・」
アシュカトラ「よっ、よろしくお願い、します・・・」
アミナ「うん!よろしくね、アシュカトラ!」
エリカ「さっきの話聞いていたけど、エラカトラと一緒に、サポートしてもらってもいいのかしら?」
アミナ「あたしはとっても嬉しいな! だって、また友達が増えるんだもの!」
アシュカトラ「うん・・・! 自分も、とっても嬉しい」
アシュカトラ「また、人を笑顔にできる、って思うから」
エラカトラ「お姉ちゃん・・・」
アミナ「そっか! アシュカトラ、これからよろしくね!」
アシュカトラ「うん・・・!」

〇空
アミナの声「こうしてあたしたちには新しい友達ができた」
アミナの声「アシュカトラを迎えて、またたくさんライブをした」

〇劇場の舞台
アミナ「____♪」
エリカ「___!!」

〇タンスの置かれた部屋
アミナ(あたしは、 これからもみんなに笑顔を届ける・・・!)
アミナ(この世界が、希望で満ち溢れるように!)

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