ゴーレム部は いちから、

春瀬川モモチ

②フリーマーケットに大企業はいらない理論(脚本)

ゴーレム部は いちから、

春瀬川モモチ

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〇組織のアジト
  前回の事件からしばらくした後・・・
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「これが・・・呪文表 分厚っ」
ゴッドスター「で? これが・・・」
ゴッドスター「魔術回路・・・ もはや地図ね」
ゴッドスター「ゴーレムの腕一本だけでもこの情報量・・・」
ゴッドスター「と、言いたいところだけど まあ、妥当か」
ハグレル「うひひ すごいでしょ 尊敬しちゃうなぁ??」
ハグレル「いや、恐怖か? お前の持つその感情は、ズバリ崇高美 凄すぎるが故の、畏怖か?」
ゴッドスター「いや、凄いというか・・・異常です!」
ゴッドスター「学生の自主制作のレベルを遥かに超えてます というか、プロでも難しいです!」
ハグレル「あ〜〜〜〜ーー もっと褒めて〜〜〜!」
ゴッドスター「褒めてないです! 不気味なんですよ!!」
ゴッドスター「魔術回路はまぁ良いとしても・・・ 問題は書き込む「呪文」ですよ」
ゴッドスター「呪文っていうのは神様の言葉です」
ゴッドスター「人が書いた呪文を、神様が読み取って形にする・・・それが「魔法」です」
ゴッドスター「普通の文字と違って、正確な字で、正確な配置でないと効果は発揮できないものです」
ゴッドスター「プロだって「魔板」一枚分の呪文を刻むのに一週間はかかるんですよ!」
ハグレル「も、もしかして「魔板」ってこれのことかい?」
ハグレル「呪文が刻まれており、これを杖などの魔導具に差し込むことで、詠唱を省略して魔法を使うことができるという、あの「魔板」!?」
ゴッドスター「なぜ今解説を・・・」
ハグレル(当チャンネルは「あらすじ」から見始めた方でも安心して視聴していただける、非常に良質なタップノベルとなっております)
ゴッドスター「とっ、とにかく」
ゴッドスター「呪文なんて、修行もせずに簡単に書けるモノじゃないはずなんです」
ゴッドスター「ましてや、これだけの分厚さの呪文なんて・・・」
ミシマ「・・・」
ミシマ(やはりこいつ・・・ 鋭いな)
ミシマ(「魔法」は・・・ 常用されるこの世界でも、深く関わらなければ万能なものとして扱われがちだ)
ミシマ(こいつは知ってるな)
ミシマ(「魔法のダルさ」ってやつ)
ゴッドスター「とにかく、この呪文量を短時間で刻み込めるなんて」
ゴッドスター「ズルです! インチキです!」
ゴッドスター「こんなことがまかり通るなら」
ゴッドスター「わ、私がいろいろ苦悩した数年間はなんだったんですか・・・」
ハグレル「普通に凄いなら凄いって言えよ!」
ハグレル「自分より凄いやつはみんなズルくて理不尽か!?」
ハグレル「まぁ、 私相手には嫉妬するのもやむなしだがな!!」
ミシマ「ハグレル」
ハグレル「なんだ?」
ミシマ「もしの話だが・・・」
ミシマ「例えば フリーマーケットで大企業が場所をとってそこで商売をしてたら、どう思う?」
ミシマ「もちろん広告もメディアで大きく流して、ちゃんとした商品を売る」
ハグレル「そいつは・・・ ちょっと引くわ」
ハグレル「他に商売してるやつの迷惑になるし そもそも売り出す場所の次元が全然違うだろ」
ハグレル「それで来客数が増えたとか、色々メリットはあったとしても・・・フリマの概念そのものがなくなる」
ハグレル「よって! すべきではない!」
ミシマ「そうだな」
ミシマ「だが、今の俺たちがその「大企業」だといえる」
ハグレル「ふむ」

〇黒背景
  ゴッドスター含め・・・
  魔法に関わる全てのものにとってこの世界をフリーマーケットとするなら・・・
  このゴーレムの設計は
  というか、これを特に苦もなく作れてしまったという、その事実が
  フリマにおける「大企業」
  
  それまでの常識やバランスを崩すもの
  だと思えばいい
  そうなった時、ゴッドスターたちのような既存の魔法使いたちはどう思う?
ゴッドスター(ズルい・・・)
魔法使い(ズルい・・・)
魔法使い2(ズルい・・・)

〇組織のアジト
ハグレル「・・・」
ハグレル「確かに! ズルいな!わたしら!」
ゴッドスター「ひぇ」
ハグレル「確かに 私たちの技術力、知能どれをとっても」
ハグレル「10年・・・ いや、100年はチミたちの先を言っていると言える!」
ハグレル「すまない それだけの「格の違い」を見せつけられて 正気でいられるわけないな」
ゴッドスター「!!??」
ハグレル「許せ ゴッドスター」
ハグレル「君の弱さを軽んじていた」
ゴッドスター「あぁ〜〜〜〜!!」
ゴッドスター「ムカつく〜〜〜〜〜〜!!!」
ミシマ「・・・」
ミシマ(あとで説教だな)

〇図書館
  ──セントラル魔法学園附属図書館
  ・・・の学園関係の歴史資料コーナー
  目立たないホコリ被った場所なので、
  ハグレルは勝手に「ゴーレム部拠点B」と名付けている
ゴッドスター「タバコ臭・・・ 学園内ですよね、ここ」
ミシマ「バレなきゃ校則違反じゃないからな」
ゴッドスター「ええ〜」
ミシマ「タバコ平気か?」
ゴッドスター「タバコ臭いのはまだいいですけど 煙そのものはちょっと・・・」
ミシマ「そうか ダメか・・・」
ゴッドスター「?」
ゴッドスター(あっ 吸うんだこの人)
ミシマ「──で、 入部するってことで良いんだよな」
ゴッドスター「えっ ああ、まぁ」
ゴッドスター「なんだかんだ言って、気になりますから」
ゴッドスター「でも、悪いことしてたら すぐ学園に伝えて廃部にしてもらいますから」
ミシマ「まぁ別に・・・ ウチ非公認だから」
ゴッドスター「!?」
ミシマ「で、今日ここに来てもらったのは」
ミシマ「この部の・・・というより俺の ある秘密を共有しておこうと思って」
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「え? ちょっと」
ゴッドスター「ひこうにん?」

〇武術の訓練場
カイバーン「・・・」
カイバーン(約2、3mの巨大な腕型魔道具・・・)
カイバーン(あの金髪の女の腕の動きと連動していた)
腕「腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕」
カイバーン「うわっ きもっ!」
カイバーン「ダメか 召喚術では勝手が違う」
腕「腕っ」
カイバーン「落ち込むなぁ 他人にできて自分にできないものがあるなんて」
カイバーン「ま、いいや 今はあそこの動向を探ろう」
カイバーン「ゴーレム部、だったか」
ゴーレム「フシュー!フシュー!」
ゴーレム「ニンゲン! コワス!!」
カイバーン「「ゴーレム」だったら俺も出せる しかしあれは・・・」
ゴーレム「オッ、 オデ・・・ シ、シヌ・・・」
カイバーン「俺の知るのと「違う」らしい」

〇図書館
ミシマ「むむむむ〜 ハッ!」
ゴッドスター「なんです? この「ザ・文明の利器」って感じの」
ゴッドスター「パーソナルなコンピュータは・・・」
ミシマ「・・・これは 簡単に説明すると」
ミシマ「「呪文刻印機」かな」
ゴッドスター「「呪文刻印機」・・・?」
ミシマ「手で刻まなくてもこれで呪文を打ち込めば 好きなところに呪文を刻める」
ゴッドスター「はぁ・・・ 活版印刷みたいなことですか」
ゴッドスター「昔は手書きらしかったですけど」
ゴッドスター「今じゃ呪文はみんな印刷ですよ」
ミシマ「量産品の場合はな」
ミシマ「だがコイツなら」
  カタカタカタ
  ガタゴットンターン
  ガー
ゴッドスター「なんか出てきた・・・」
ゴッドスター「え? これって」
ゴッドスター「「魔板」だ」
ゴッドスター「でも・・・こんなの知らない」
ミシマ「コイツなら「新しく」呪文を刻み込める」
ミシマ「印刷物と同じく「正確」に そしてどんな「素材」にもだ」
ミシマ「「紙」にでも「魔板」にでも・・・」
ミシマ「「鉄」にでも」
ゴッドスター「鉄・・・」
ゴッドスター「えっ もしかして」
ミシマ「あの「ゴーレムの腕」」
ミシマ「あれを動かす呪文を刻んだのは・・・ コイツだ」

〇パチンコ店
  パチンコ
カイバーン「じいや 後ろに立たれると当たらない」
「シュ〜〜〜!」
じいや「ええやんええやん!!」
じいや「第六感、鋭敏になってきてますわぁ!!」
じいや「え゛え゛やぁ〜〜ん!!」
カイバーン「じいや〜 人目が集まるからそれやめてって〜」
カイバーン「・・・で? 例の「あの人」は雇えたの?」
じいや「もうそれは シュシュっとやっときましたわ」
じいや「今、坊ちゃんの左隣のやつが」
じいや「「そいつ」でさぁねぇ〜〜〜」
カイバーン「!」
???「よお」
???「「第六感が鋭敏」なんじゃなかったか?」

〇図書館
ゴッドスター「あ・・・」
ゴッドスター「ありえないです、さすがに」
ゴッドスター「「呪文」はただの言語じゃない そもそも、こんな数十個のキーで何十万とある字を表現できるわけが・・・」
ミシマ「じゃあ、触ってみるか?」
ゴッドスター「じゃあ、失礼して・・・」
  スカッ
ゴッドスター「あら?」
  スカッ
  スカッ
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「さ、さわれない?」
ゴッドスター「幽霊みたいに透けちゃう・・・」
ミシマ「あ〜 やっぱりダメか」
ミシマ「これはおそらく 俺以外には使えないんだと思う」
ゴッドスター「は?」
ミシマ「「魔法」とは違う・・・ 「特殊能力」というべきか」
ゴッドスター「?? そんなこと、ありえます?」
ゴッドスター「それが本当だったら・・・ あなた、魔法の王様になれますよ」
ミシマ「うん」
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「も〜〜〜〜!!」
ミシマ「!?」
ゴッドスター「部長も!あなたも! 結局、なんですか!?」
ゴッドスター「自慢ばっかり!! 私をいじめて、そんなに嬉しいですか!!?」
ミシマ「お、落ち着けゴッドスターくん!」
ゴッドスター「ズルですよ!ズル!ズル! それともなんですか!?」
ゴッドスター「ドワーフが魔法に関わるのが、そんなにおかしいことですか!?」
ゴッドスター「ドワーフごときが魔導具を作ろうが、自分たちの足元にも及ばないって・・・ 馬鹿にしたいんですか!?」
ミシマ「ゴッドスター!!」
ゴッドスター「あっ・・・」
ミシマ「そういうことは、あまり言うものじゃない」
ミシマ「特に部長・・・ハグレルの前ではな」
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「す、すみません カッとなっちゃって」
ミシマ「話の続きがある」
ミシマ「君が必要な理由だ」
ゴッドスター「わたしが・・・必要?」
ミシマ「簡単な話、」
ミシマ「こんな特殊能力があったところで、魔法の知識がなければ宝の持ち腐れ、といったところでね」
ミシマ「ハグレルからある程度習った・・・のだが」
ミシマ「アイツがまともにモノを教えるということができないのは・・・まぁ察せるだろ」
ゴッドスター「はい」
ゴッドスター「あぁ・・・だから」
ゴッドスター「私から・・・ 魔法について教えて欲しい ってことですか?」
ミシマ「まぁそうなんだけど」
ミシマ「事態はもっと深刻」
ゴッドスター「?」
ミシマ「信じてもらえるかどうか」
ミシマ「実は俺・・・」

〇パチンコ店
カイバーン「「異世界から来た」・・・」
カイバーン「そう聞いてるけど」
???「噂になってたら嬉しいよ」
???「俺、戸籍ないから その言い訳にできる」
カイバーン「噂はもう一個ある」
カイバーン「「理論上最強の傭兵」・・・」
???「なんだそのクソかっこいいあだ名は」
???「それ言ったやつは観光大使に向いてるぜ」
カイバーン「いいや?」
カイバーン「もしお前にまつわる噂話が全部「本当だったら」っていうニュアンスが入ってる」
カイバーン「つまり、稀代のホラ吹きって言われてるぜ おまえ」
???「・・・」
ガロ「前言撤回だぁ・・・」
ガロ「今はそいつの大腸で縄跳びをしてやりたい」

〇図書館
ゴッドスター「いせかい? えっ?」
ゴッドスター「えー〜〜?」
ミシマ「コイツはこの世界に来た際に獲得したモノだ」
ミシマ「異世界に来た俺への、神様の贈り物 ってことかな」
ミシマ「しかし・・・ 別に赤ん坊に生まれ変わったわけでもなく、この身そのままで来てしまったものだから」
ミシマ「この国の言葉も分からなくて・・・ 話し言葉がやっとというところだ」
ゴッドスター「え〜・・・ そ、それは」
ゴッドスター「大変? ですね・・・」
ミシマ「ああ、だから」
ミシマ「俺にこの世界のこと、手取り足取り教えてほしいんだなぁ」
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「はぁ・・・ わかりました」
ゴッドスター(なんか・・・)
ゴッドスター(かなりめんどくさいこと、頼まれてるような ・・・)
ミシマ「ありがとう、ゴッドスター君」

〇パチンコ店
  「邪道剣」を押し込め!!!
  ガコン
ガロ「ほどほどにしておけよ 依頼料を受け取る前に金を溶かされたら困る」
カイバーン「ふふっ そうだな」
カイバーン「まぁ、まだ依頼すると言ってないが」
ガロ「は?」
「眠たくなって」
じいや「きちゃったぁ〜」
ガロ「げっ ジジイ!」
じいや「まばたき2回で反応か」
じいや「ぼっちゃん!」
じいや「こいつ チン棒・シューシュー・ええやん・ええやん レベルの実力でさぁ!」
ガロ「それ良いのか悪いのかどっちなんだよ!!」
じいや「悪いに決まっとるやろぉーが!!」
じいや「ハァ!!?」
カイバーン「・・・」
カイバーン「じいや、 コイツの手元を見ろ」
じいや「!?」
じいや(この武器・・・!? 星7・・・いや8クラスと見ていいレベルの名刀!)
じいや(しかし、こんな剣は知らん これほどのレベルの武器は大抵知識としては網羅しているつもりだったが)
じいや(まさか?)
じいや「そのチン棒、 今生成したんか!? 「魔法」で!?」
ガロ「剣をチン棒っていうな!! マジ斬るぞ!?」
カイバーン「驚いたな」
カイバーン「武器を即席で作る魔法は俺も使えるが」
ガロ「ハッ! 粗チンが!!」
カイバーン「・・・」
カイバーン「名刀クラスの武器を作れるやつは聞いたことがない・・・」
カイバーン「決まりだな」
カイバーン「お前に ゴーレム部を襲撃してもらう」
ガロ「おせ〜よ」
ガロ「皆殺しでいいのか?」
カイバーン「殺しはしないさ ただ・・・」
カイバーン「これ以降なんの活動もできないくらいに・・・ ぐちゃぐちゃにしてもらいたい」
ガロ「・・・」
ガロ「うひひ」
カイバーン「ふむ」
カイバーン「謎の強大な魔導具を作っている「ゴーレム部」」
カイバーン「そして理論上最強の傭兵「ガロ」・・・」
カイバーン「理不尽vs理不尽、か?」
カイバーン「さあ、どんな化学反応を生むのか・・・」
じいや「ん〜〜〜〜」
じいや「じつにおもしろい」
  つづく

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