3 贈り物(脚本)
〇教室
それから3日後。
藤崎雄太「大丈夫か?どっか痛い所とか無いか?」
藤崎雄太「大丈夫そうだな・・・まだ分からない事は多いけど・・・」
藤崎真由「う、う〜・・・」
藤崎雄太「え?あ、トイレか!早く行くか!」
モブ女「藤崎!真由ちゃんトイレかい?」
藤崎雄太「あ、うん、そうだけど・・・」
モブ女「そしたらあたしらが連れてく!幾ら家族でも、学校じゃ同じトイレには入れないでしょ?」
藤崎雄太「え?良いのか?」
モブ女「大丈夫よ!あたし達が確り見てるから!」
藤崎雄太「そう言う事なら、お願いしようかな・・・」
モブ女「任せときな!真由ちゃん、お姉ちゃん達と行こうか!」
飯野拓郎「何だかんだ戸惑いはあったが、真由ちゃんすっかり人気だな・・・」
藤崎雄太「あぁ・・・人気なのは良いんだが、いつまでも皆に迷惑は掛けられないからな・・・」
飯野拓郎「おいおい藤崎!そう一人で抱え込むなって!」
モブ男「おぉ、お二人さん、ご健勝で何よりや・・・」
飯野拓郎「ん?何か浮かない顔してるがどうした?」
モブ男「いや実はの・・・最近藤崎が赤ちゃん連れて来とるやろ?それでワイふと、何で親は子供に厳しいんやろって気になっての・・・」
モブ男「ネットの動画で親に甘やかされた子供を検索して見てみたら、どいつもこいつも悲惨な結末ばっかり迎えておってな・・・」
モブ男「糖尿病になって足切ってもうた奴、現実逃避し過ぎて精神崩壊した奴と、そないな連中見てたらさっきまであった楽しい気持ち、」
モブ男「一気に沈んでもうたわ・・・」
飯野拓郎「お、おう・・・それは確かに気持ちの良い話じゃ無いな・・・」
藤崎雄太「な、何かごめんな・・・変な気分にさせちゃって・・・」
モブ男「あぁ!そないなつもりで話した訳とちゃうで!只、ワイがふと思っただけや・・・」
モブ男「でも藤崎、君はそないな親とかにならへん様にお願いや・・・あんなに可愛い子、そんな風にしたらって想像したら」
モブ男「こっちが悲しくなるわ・・・」
藤崎雄太「あぁ、そこの所は確りやるつもりだよ・・・」
モブ男「ホンマ、頼みまっせ!」
飯野拓郎「あいつの言いたい事も分かるな・・・ちゃんとした育て方しないと、後に困るのは自分だからな・・・」
藤崎雄太「だよな・・・やっぱ子育てって楽な仕事じゃ無いんだな・・・」
モブ女「藤崎!お待たせ!」
藤崎雄太「あ、お帰り!大丈夫だった!?」
モブ女「えぇ、問題無かったわ!」
モブ女「真由ちゃんは返す・・・確り面倒見てやるんだよ!」
藤崎雄太「本当ありがとう・・・何か負けてられないな・・・」
3日は経って、何だかんだ真由はうちのクラスに馴染んで来た。周りが頑張ってくれてるのを見て、俺も自分を
奮い立たせるのだった。
〇おしゃれなリビングダイニング
今日の学校終わり。
藤崎雄太「終わった終わった・・・真由、疲れてないか?」
藤崎真由「あ〜う〜・・・」
藤崎雄太「大丈夫そうだな・・・さてと・・・」
自宅に戻って、俺はポストに入ってた中身を確認していた。一応、生活費は親が何とかしてくれてるので問題無いが、
取り合えず確認したら、父親から俺宛の物が来ていた。
藤崎雄太「父さんから俺宛にか・・・何かな・・・」
藤崎雄太「これ、動物園のチケットか・・・しかも3人分・・・」
藤崎雄太「やっぱこう・・・父さんにはあの義母の事話した方が良いよな・・・父さんが帰って来るのいつだったっけ・・・」
藤崎雄太「まぁ、もうこの生活には少し慣れたし、連絡付かない相手を気にしても仕方無いよな・・・このチケット、どうしようか・・・」
父さんから3人分の動物園のチケットを送られて、誰を誘うか迷った。一番親しいのは飯野だが、俺が一番に思い浮かんだのは、
藤崎雄太「・・・やっぱ誘うなら・・・」
藤崎雄太「あ、もしもし?実はさ・・・」