継続する想い

鷹志

第3話 継続する想い【最終話】(脚本)

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〇綺麗な教会
マサト「やってしまった」
マサト「僕はなんであんなことを言ってしまったんだ」
マサト「これで、僕が本物の真人でないことがばれてしまった」
マサト「もうナオミとは一緒にいられない」
マサト「ごめん、真人」
マサト「君とナオミを裏切ることになってしまった」
マサト「これからどうしよう」
マサト「ん、ここは・・・」

〇豪華な部屋
ナオミ「真人は、真人が創ったアンドロイド・マサトだった」
ナオミ「私は真人にどこか違和感を覚えていた」
ナオミ「だから、ついあんなことを言ってしまった」
ナオミ「マサトも私の言葉なんて気にせずに、笑ってすませてしまえばよかったのに」
ナオミ「でも、マサトにはできなかった」
ナオミ「きっとマサトは真人のことを心から信頼していた」
ナオミ「マサトにとって、真人はとても大切な存在だった」
ナオミ「だから、私が真人を疑うような発言をしたのが許せなかった」
ナオミ「ついカッとなって、私の言葉に反論した」
ナオミ「・・・」
ナオミ「わかる。私にはマサトの気持ちがよくわかる」
ナオミ「だって・・・」

〇魔法陣のある研究室
  1年前・・・
奈緒美「ナオミ?」
ナオミ「? ここは? 私は誰?」
奈緒美「よかった」
ナオミ「?」
奈緒美「そんなに怖がらなくても大丈夫」
奈緒美「あなたは私のアンドロイドのナオミよ」
ナオミ「アンドロイド? ナオミ?」
奈緒美「そうよ」
ナオミ「でも、私、あなたのアンドロイドなのに、髪の色もあなたと違うけど」
奈緒美「あなたは私のアンドロイドだけど、同時に私の1番の親友でパートナーだからね」
奈緒美「何から何まで全部同じじゃつまんないでしょ」
奈緒美「だからあなたは、あなたのやりたいようにやればいいのよ」
ナオミ「1番の親友でパートナー・・・」

〇豪華な部屋
  私を創ってくれた奈緒美はとても素敵
  な女性だった。
  明るくて、やさしくて、誰に対しても親切だった。
  頭もすごくよかった。でも、それを自慢するようなことは決してなかった。
  私にも本当の家族や親友のように接してくれた。
  いつも私のことを気遣ってくれた。
  奈緒美と過ごす毎日が本当に楽しかった。
  「このまま奈緒美とずっと一緒にいれたらいいのに」と本気で思った。
  でも、その思いは叶わなかった・・・

〇病室のベッド
ナオミ「奈緒美、大丈夫?」
奈緒美「ナオミ・・・」
ナオミ「急に倒れちゃったからびっくりしたよ」
奈緒美「そうだったんだ。ごめんね」
奈緒美「あー、やっぱりダメだったか」
ナオミ「?」
奈緒美「実は私、だいぶら前から体の調子がおかしくて、医者にも長くはもたないって言われてたのよね」
ナオミ「えっ・・・」
奈緒美「あと少しはもつか思ったけど、ダメだったか」
ナオミ「奈緒美・・・」

〇病室のベッド
奈緒美「ナオミ、あなたにお願いがあるの」
ナオミ「お願い?」
奈緒美「ナオミに私になってもらって、ある人に会ってもらいたいのよ」
ナオミ「ある人?」
奈緒美「私の恋人よ」
奈緒美「近々その人と5年ぶりに会う約束があるの」
奈緒美「でも、私はもう長くない。だから、あなたに代わりに行ってほしいのよ」
ナオミ「私が奈緒美になって、その人に会うってこと?」
奈緒美「そうよ」
奈緒美「会ってみて、もしナオミが彼を気に入ったら、彼と一緒になってほしい」
奈緒美「でも、嫌な奴だと思ったらすぐ別れていいからね」
奈緒美「ナオミにはナオミの好きなように生きてほしいから」
ナオミ「奈緒美・・・」
ナオミ「奈緒美はそのために私を・・・」
奈緒美「ごめん・・・」
奈緒美「でも、それもあるけど、私は本当にナオミみたいな家族や親友が欲しかったのよね」
奈緒美「だから、将来彼とどうなろうが、ナオミとはずっと一緒にいるつもりだったし」
ナオミ「奈緒美・・・」
奈緒美「ナオミ、やってくれる?」
ナオミ「・・・わかった。私、奈緒美になる。そして、彼に会ってくる」
奈緒美「ナオミ、ありがとう」
  その後、奈緒美は息を引き取った。
  そして、私は奈緒美の想いを受け継いで、真人に会うことにした。
  私は完全に奈緒美になりきった。

〇豪華な部屋
ナオミ「同じ。私とマサトは全く同じ」
ナオミ「私は奈緒美の想いを、マサトは真人の想いを受け継いだ」
ナオミ「私たちが大好きな奈緒美(真人)のために」
ナオミ「そして、私はマサトを・・・愛してる」
ナオミ「行かなくちゃ」
ナオミ「マサトはきっとあそこにいる」
ナオミ「奈緒美と真人の約束の場所に・・・」

〇教会の中
マサト「僕は、いや真人は、以前ここでナオミに会った」
マサト「そして、2人はここで約束をした」
マサト「・・・ナオミが来る」
ナオミ「マサト!」
マサト「ナオミ!」
  真人の想い、奈緒美の想い
  2人の想いは、マサトとナオミに受け継がれていく・・・
  完

コメント

  • 素敵な終わり方でした!✨
    効果音や背景もストーリーとマッチしていて、とても綺麗なお話でした😊

  • 真人さんと奈緒美さん、同じ想いを抱いて、同じ行為をしていたのですね🥲
    そして、マサトさんとナオミさんも同じ立場で…😭

    このラスト、2人が「代役」ではなく、オリジナルの立場で愛し合うという締めくくりが本当に心を打ちます✨ 素敵な物語ですね😊

  • まさかの展開でしたね!☺️切ないながらも、ハッピーエンドで素敵なお話だと感じました✨😆

    ナオミはきっと本当の直美から相当詳しく話を聞いていたのでしょうね✨それで違和感を感じたのですかね🤔もしくは、同じ境遇ゆえの何かを感じ取ったのですね✨

    面白かったです✨☺️

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