〇城の会議室
ライラ「あらー？ セージからの反応がないわねー？」
ディル「セージ？」
セージ「なんでそんなにテンションが高いんだ・・・」
アリア「セージくんのお父様とお母様！」
アリア「はじめまして！アリアと申します！」
ライラ「アリアちゃんねぇーよろしくぅー」
ディル「色々と大変な状況なようだな・・・」
ディル「協力できることは協力させてくれ」
アリア「優しいですね・・・ありがとうございます」
アリア（・・・ってあれ？なんで大変な状況ってことを知ってるのかな？）
ライラ「アリアちゃん・・・私たちとちょっとこっちに来てくれる？」
アリア「えっ？あっ？えっ？」
ライラ「いろいろお話を詳しく聞かせてちょうだ〜い」
アリア「はい・・・」
セージ「嵐のように去ってったんだけど・・・」
スカイナイト「まぁ・・・丁度いいんじゃないかぁ？」
スカイナイト「俺たちも行くぞ」

〇城の客室
ブルー「私はこれで失礼しまス」
セージ「ブルーありがとう」
ブルー「あっ、こちらも置いておきまス」
ブルー「セージ様はブラックコーヒー飲むなら、飴玉も一緒じゃないとですからネ」
セージ「うっ・・・そうだね」
スカイナイト「ブルー・・・あいつらがこっちの部屋来ないように見張りしててくれ」
ブルー「わかりましタ」
ブルー「失礼しまス」
スカイナイト「・・・で？なんだっていうんだぁ？」
セージ「待って！その前に・・・」
セージ「・・・」
セージ「よし、大丈夫みたいだ」
スカイナイト「わざわざ”鑑定”までしてよっぽどだなぁ？」
セージ「・・・爺様は──」
セージ「モーニングさんの前の世界覇者だったの？」
スカイナイト「・・・そうだ」
スカイナイト「思い出したのかぁ？」
セージ「思い出す？」
セージ「僕は何も知らなかった！」
スカイナイト「・・・モーニングから聞いたのかぁ」
セージ「ねぇ爺様・・・なんで僕に秘密にして──」
　　本当に？
セージ「ぐっ・・・あっ・・・」
セージ（なんだ？また頭痛がする）
　　本当に何も知らなかったのか？
スカイナイト「おい・・・セージどうしやがった!?」
セージ「頭がっ・・・痛い・・・ぐっ・・・」
スカイナイト「それ以上考えるなっ！」
セージ「くっ・・・」
セージ（なんでだ？なんでこんなにっ・・・）
　　何かを忘れている気がするんだ？

〇黒

〇養護施設の庭
セージ(幼少期)「爺様ー」
セージ(幼少期)「いやだっ！こわいよーっ！」
セージ(幼少期)「戦いたくないー！」
スカイナイト「おい・・・セージ」
スカイナイト「泣きながら勝ってるぞ・・・」
セージ(幼少期)「えっ・・・？」
セージ(幼少期)「ほんとだ・・・あっ!!」
セージ(幼少期)「怪我してる!?」
セージ(幼少期)「木刀だけど痛いでしょ!?ごめんねー！」
セージ(幼少期)「ひっく・・・ずびびばぶっ！」
？「ううっ・・・なんで？」
？「なんでこんな・・・泣いてばっかのやつに──」
？「オレは勝てないんだ・・・」
？「こんなんじゃ・・・世界覇者になれやしない」
スカイナイト「そんなに凹むんじゃねぇよ」
スカイナイト「お前も俺の大事な──だ」
スカイナイト「諦めなけりゃーいつかなれるんじゃないか？」
？「・・・ほんとう？」
スカイナイト「あぁ・・・まぁ努力次第だがなぁ」
？「がんばる！めちゃくちゃにがんばる！」
セージ(幼少期)「・・・僕だって!!」
セージ(幼少期)「爺様みたいな世界覇者になりたいんだ!!」
スカイナイト「セージはなぁ・・・」
　　────────だろうなぁ

〇黒

〇城の客室
スカイナイト「セージ！」
セージ「ぐっ・・・あっ・・・」
スカイナイト「しっかりしろ！」
セージ「爺様が世界覇者だったことを──」
セージ「僕は知っていた・・・？」
スカイナイト「・・・あぁ」
スカイナイト「そうだ」
セージ（しかも、僕もなりたがっていた・・・？）
セージ「なんで僕は忘れてっ・・・」
セージ「うっ・・・」
セージ（頭が割れるように痛い・・・）
セージ「僕の記憶の中で、年齢がそれほど変わらない男の子と稽古していた・・・」
セージ「これは・・・誰？」
スカイナイト「それは──」

〇黒

〇荒野