〇綺麗な港町

〇海沿いの街

〇シックなバー
バーテンダー（バーテンダーを始めて早二十年・・・）
バーテンダー（ありとあらゆる客の対応をしてきた自負がある・・・あるのだが！）
バーテンダー（このタイプの客は初めてだ!!!）
オニキス「お召し上がりください」
ルビー「すごく綺麗なカクテルですわね」
ルビー「とても甘いのに飲みやすいですわ・・・」
オニキス「ルビー様の特製カクテルでございます」
ルビー「やるじゃない！」
バーテンダー（普段は営業しない昼間から貸切とか面倒だと思ったが・・・）
バーテンダー（大金に目が眩んでしまった・・・）
バーテンダー「いや！いくらなんでも払い過ぎたろ！」
バーテンダー（サービスも求めず・・・何か企んでるのか？）
シルバー「お姉さま♡」
アメジスト「すごい色が鮮やかなカクテルだな！」
シルバー「お姉さま用に爽やかな味にしてみたんだ！」
シルバー「のんでみて！」
アメジスト「いただこう！」
アメジスト「シルバー・・・これは・・・」
アメジスト「うますぎるっ！」
シルバー「やった！」
アメジスト「おかわりいいか？」
シルバー「もちろんだよ！」
バーテンダー（自分たちでカクテルを作り──）
バーテンダー（それぞれの美女にカクテルを振る舞っているが・・・）
ペリドット「・・・エメラルド姫様」
ペリドット「どうぞ」
エメラルド「わたくし、お酒は・・・」
ペリドット「ノンアルです・・・好きだと思いますよ」
エメラルド「いただいてみますわね」
エメラルド「フルーティーなのにコクがあって、少しだけ苦みがあるのがクセになりそうですわ！」
バーテンダー（めちゃくちゃ美味そうだ・・・）
バーテンダー（・・・喉乾いてきた）
ペリドット「お口にあって良かったです」
ペリドット「ただ・・・」
ペリドット「これ何の時間だあーーーーー!!!???」
バーテンダー（なんだなんだ!?）
オニキス「カクテルパーティーです」
シルバー「完全オリジナルのね！」
ペリドット「わけわからねーーーーーんだが!!??」
ペリドット「今夜この付近にセージとやらが現れるんじゃねーのかよ!?」
オニキス「現れますよ？」
シルバー「現れるらしいねえ」
ペリドット「こんなことしてる場合じゃねーだろうが！」
オニキス「今日の夜中の話なので、今は楽しみましょう」
ペリドット「話しておくべき事が沢山あるだろうよ！」
オニキス「まぁ、そうしたいのは山々なのですが・・・」
オニキス「私の”予知”によると──」
オニキス「昼間には、カクテルパーティーで飲みまくるのが吉と出ているようなんですよね」
ペリドット「なんじゃそりゃあ！」
シルバー「わけがわからないけど、オニキスの言うことは必ず当たるからなぁー」
ペリドット「まぁ、そーだけどよー！」
シルバー「カクテルパーティーしよ！ それが吉なんだし♡」
ペリドット「まぁ・・・オニキスの予知の能力には、これまで何度も救われてきたからな」
ペリドット「今くらいはいいか」
オニキス「そうと決まれば！」
オニキス「シルバーとペリドットにも、カクテルを振る舞わせてください」
シルバー「あはっ！飲む飲む！」
ペリドット「少しなら・・・まぁ」
シルバー「うまっ！」
ペリドット「さすがオニキス・・・プロの腕だ」
オニキス「ルビーお嬢様と、アメジストお嬢様と、エメラルド姫さまも・・・どうぞ」
ルビー「珍しいですわね？」
ルビー「わたくし以外にも作るなんて・・・」
オニキス「おや？ルビーお嬢様・・・もしかして──」
オニキス「嫉妬してくださってるんですか？」
ルビー「なっ！そんなわけないでしょう!?」
ルビー「ふん！ほらっ！あなたたち！飲みなさい！」
アメジスト「いただこう！」
エメラルド「これはアルコール度数強そうですわね？」
アメジスト「ジュースみたいな味で凄く美味だぞ！」
エメラルド「そうなんですの・・・いただいてみますわ」
ルビー「わたくしも・・・」
アメジスト「私も続きを・・・」
「美味ですわ　美味しいですわね　うまい！」
「バーテンダーさん？」
バーテンダー「わっ！・・・はい？なんでしょう？」
オニキス「先ほどから喉乾いたでしょう？」
バーテンダー「まぁーそうですね」
オニキス「こちらをどうぞ？美味ですよ」
バーテンダー「お客様から、いただくわけには・・・」
シルバー「こんなに美味しいカクテル初めてだ！」