エピソード39 「ハッピーバレンタイン!!」後編(脚本)
〇教室
東条 風(とうじょう ふう)「うわぁぁ、あぁぁぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風、おはよーっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、か、香・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あー、風、緊張してるでしょ? チョコが貰えるかもって」
東条 風(とうじょう ふう)「えぇ、私もあげる側なのに・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え? だって今まで・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あー、そ、そうだね! ちょっと、貰えるかもって緊張しちゃってる!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「じゃあ前座だけど、私から」
東条 風(とうじょう ふう)「ありがとう! ドーナッツ?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うん、チョコはみんなと被っちゃうかなって思っちゃって。だから、いっぱいドーナッツ作ったんだ~」
東条 風(とうじょう ふう)「そうなんだ、ありがと!」
北原 そら(きたはら そら)「ほう、ドーナッツか」
東条 風(とうじょう ふう)「うわ、そら、いつの間にっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「もちろん、そらの分も作ってあるよ~!」
北原 そら(きたはら そら)「ふむ、感謝するぞ」
北原 そら(きたはら そら)「では、私からも・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え、クッキー? お洒落~!」
北原 そら(きたはら そら)「amezonのクーポンを使って買った。お返しを溜めておきたくなくてな」
北原 そら(きたはら そら)「もちろん、全員に配る用だからなっ!! 間違っても一箱はあげないぞっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あぁ、やっぱり、そうだよねぇ・・・」
西條 園(さいじょう その)「みんなー、おはよーっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、園、おはよ!」
西條 園(さいじょう その)「香ちゃん、そら、チョコ作ってきたよ~!」
西條 園(さいじょう その)「はい、これ!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うわぁ、本格的~」
西條 園(さいじょう その)「ラッピング、頑張ってみたんだ~。香ちゃんとそらには、お世話になってるからね!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え~、嬉しい~! ありがとう~!」
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、感謝はしてやる」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私も、ドーナッツ作ってきたから、園にもあげるね!」
北原 そら(きたはら そら)「あぁ、私もクッキー3枚ほど」
西條 園(さいじょう その)「本当に? ありがとう~!」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、風にも」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、う、うん・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「嘘っ!? 風の分、家に置いて来ちゃった!?」
西條 園(さいじょう その)「ふ、風、ごめんね。後で、家に取りに戻るから・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「いや、全然大丈夫!」
東条 風(とうじょう ふう)「園、私のためにチョコを作ってくれてありがとう!」
西條 園(さいじょう その)「もう、お礼はチョコを食べてからにしてよ///」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「二人とも、授業始まるよ~」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「でも、園がチョコを忘れるなんて、珍しいね。ね、そら!」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
〇学校の廊下
北原 そら(きたはら そら)「お主、本当にチョコを忘れたのか?」
西條 園(さいじょう その)「まさか、私がチョコを忘れる訳ないじゃん」
西條 園(さいじょう その)「風のチョコは、鞄の中で溶けないように保管してあるよ」
北原 そら(きたはら そら)「やはりなぁ。お主がそんなミスするはずないと思ったのだ」
北原 そら(きたはら そら)「じゃあ、風のチョコはこの後ってことか」
西條 園(さいじょう その)「そう! 今日の部活終わり、夕暮れ時に渡すの!」
西條 園(さいじょう その)「あーんな教室の中でチョコを渡すとか、ムードのムの字も無いし、嫌だもん」
北原 そら(きたはら そら)「辛辣よのぅ」
北原 そら(きたはら そら)「放課後か、ちょっと様子覗くかぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「あ、そら、最近忙しいでしょ? 今日、私は遅いから、先に帰ってていいよ!」
北原 そら(きたはら そら)「我を邪魔もの扱いするな、このやらう」
〇更衣室
夏海 涼花(なつみ すずか)「ねぇ、チョコちょうだ~い」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「ちょっと涼花! 部活は遊ぶ場じゃないんだから、チョコなんてっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「じゃあ、チョコあげる~」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「え、くれるの? ありがとう///」
夏海 涼花(なつみ すずか)「プッキーだよ~!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「あ、うん、ありがとう・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「これで、プッキーゲームをね///」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「もう、バカ///」
南沢 香(みなみさわ かおり)「・・・・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・///」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「な、なに見てんのっ! 後輩のくせにっ!!」
夏海 涼花(なつみ すずか)「そうだそうだ~」
南沢 香(みなみさわ かおり)「えぇ、なんか怒られたぁ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「うわぁ、いいなぁ///」
南沢 香(みなみさわ かおり)「それにしても、風がチョコを貰えないの、ちょっと意外かも」
東条 風(とうじょう ふう)「しょうがないって。それに、園も明日にはくれるって言ってたし!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「うん、そうだね」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「あら、意外ね。風の彼女がチョコを忘れて来るなんて」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、いや、彼女じゃないですけど、まぁ、その・・・」
夏海 涼花(なつみ すずか)「園ちゃん、明日くれるって言ってたの?」
東条 風(とうじょう ふう)「はい! 後で渡すって!」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「え? 後で渡すって事は、お家に取りに戻っているかもしれないんじゃない?」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「えっ!?」
高ノ宮 百合(たかのみや ゆり)「園ちゃんなら、風ちゃんのためにそのぐらいするんじゃない?」
夏海 涼花(なつみ すずか)「いい、お嫁さんだ~!」
東条 風(とうじょう ふう)「いや、嫁でも無いですけど・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「やったじゃん! 風!」
東条 風(とうじょう ふう)「いやぁ、ちょっとぉ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「え、嬉しく無いの?」
東条 風(とうじょう ふう)「いや、そんなことは無いけど・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「ちょっと、色々ね、アハハ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「?」
〇大きな木のある校舎
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ、香。もう私、帰らないと」
南沢 香(みなみさわ かおり)「え、うん。なんか、慌ててない?」
東条 風(とうじょう ふう)「ちょっと、今日は用事があって。 それじゃっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり)(風、どうしたんだろ・・・)
西條 園(さいじょう その)「香ちゃん、部活おつかれさま~!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、園」
西條 園(さいじょう その)「ねぇねぇ、風はもうすぐ来る? 風に渡したい物があって・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、風? なんか、用事があるって言ってすぐに帰っちゃって・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「様子も変だったし、どうしたんだろ」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「え、帰っちゃったのっ!?」
南沢 香(みなみさわ かおり)「え、う、うん・・・」
西條 園(さいじょう その)「ちょっとチョコを勿体ぶって渡さなかったことが裏目に出ちゃったけどそんなことを気にしてる場合じゃないすぐ追いかけないと!!」
西條 園(さいじょう その)「待てーっ!! 風ーっ!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、園っ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり)「・・・行っちゃった」
北原 そら(きたはら そら)「あやつは一体、何をしているのだ」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あ、そら。園、どうしちゃったの? 風も、なんか変だったし・・・」
北原 そら(きたはら そら)「園の奴はかくかくしかじかでな」
南沢 香(みなみさわ かおり)「あぁ、チョコを渡すつもりだったの。そういうこと・・・」
北原 そら(きたはら そら)「風のは知らん・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり)「だよねぇ・・・」
〇学校脇の道
東条 風(とうじょう ふう)(早く帰らないと・・・。間に合う、わけないとは思うけど・・・)
西條 園(さいじょう その)(風、なんで走って帰ってるのっ!?)
西條 園(さいじょう その)(追いつけー、追いつかないとぉーっ!!)
〇古いアパート
東条 風(とうじょう ふう)(はぁ、着いたぁ・・・)
ふうぅぅぅぅっっっっ!!!!!!!!
東条 風(とうじょう ふう)「え、園っ!?」
西條 園(さいじょう その)「はぁ、はぁ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「そ、園っ!? なんで、ここにっ!?」
西條 園(さいじょう その)「え、うん、ゴホン」
西條 園(さいじょう その)「風、偶然だねっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「いや、無理があるって!」
西條 園(さいじょう その)「もう、風、なんで走って帰るのぉ・・・? 私、もうへとへと・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、いや、色々あって・・・」
西條 園(さいじょう その)「色々ってなに~?」
東条 風(とうじょう ふう)「まぁ、それは、えっと・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「そういう園は、なんでうちに?」
西條 園(さいじょう その)「風にチョコをあげようと思って・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「え? だって、朝は忘れたって!」
東条 風(とうじょう ふう)「やっぱり、私と同じように家にお菓子を取りに戻ってって感じ?」
西條 園(さいじょう その)「いや、そうじゃなくてね?」
西條 園(さいじょう その)「本当は朝から持ってきてたの。でも、朝はみんな渡し合ってたから特別感が無くて」
西條 園(さいじょう その)「だから、放課後に二人きりになってから渡そうと思ったんだけど、タイミングが合わなくてぇ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「そ、そうだったんだ・・・」
西條 園(さいじょう その)「はぁ、もっとムードを作って渡すはずだったのに、ちょっと失敗しちゃった」
西條 園(さいじょう その)「でも、風のために頑張って作ったから、味わって食べて欲しいな///」
東条 風(とうじょう ふう)「う、うん。ありがとう///」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、じゃあ私も!」
西條 園(さいじょう その)「風?」
東条 風(とうじょう ふう)「はい、これ!」
西條 園(さいじょう その)「あ、クッキー! これ、風が作ったの?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん。園にお菓子を渡したいなぁって思って。でも、園は友チョコいっぱい貰いそうだから、クッキーにしたんだ」
東条 風(とうじょう ふう)「それなのに、せっかく作ったクッキーを家に忘れちゃって、本当に焦った・・・」
西條 園(さいじょう その)「あ、風は本当に家に忘れちゃったんだ!」
東条 風(とうじょう ふう)「そうなの。だから、園が忘れたって聞いてちょっと安心しちゃってたんだ。でも、もし取りに戻ってたらどうしようって」
西條 園(さいじょう その)「そうだったんだ。別に、クッキーは明日でも全然良かったのに」
東条 風(とうじょう ふう)「だって、バレンタインデーって特別でしょ? やっぱり、その日に渡したいなって思って・・・」
西條 園(さいじょう その)「そっか、ありがとう///」
西條 園(さいじょう その)「大切に、食べるね!」
東条 風(とうじょう ふう)「うん! 私も、大切にするっ!」
〇ファンシーな部屋
西條 園(さいじょう その)(風から貰ったクッキー///)
西條 園(さいじょう その)(大切にしなきゃ///)
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「大切にしたら、食べれないなぁ・・・」
〇木造の一人部屋
東条 風(とうじょう ふう)(園からの、凄い嬉しい・・・///)
風弟「姉貴~、そのチョコ俺にくれるやつ~?」
東条 風(とうじょう ふう)「このチョコは、そういうのじゃないからぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
風弟「えぇ、そんなに怒らなくても・・・」
エピソード39
「ハッピーバレンタイン!!」
~ 完 ~
〇教室
北原 そら(きたはら そら)「あぁ、本命の無いバレンタイン・・・」
北原 そら(きたはら そら)「悲しみの振り返りだっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そらはあげる側だよっ!?」
北原 そら(きたはら そら)「ミュージック、スタートっ!!」
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「「叫んじゃうほど愛おしい」 振り返りしまーす!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ハッピー、バレンタイーンっ!!」
北原 そら(きたはら そら)「ハッピー、ハッピー、アンハッピー」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そら、クッキーありがとっ!」
北原 そら(きたはら そら)「ドーナッツ、うまかったぞ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「園からのチョコも美味しかった!」
北原 そら(きたはら そら)「風は、家に忘れたらしいな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「別に、正直に言ってくれれば良かったのに」
北原 そら(きたはら そら)「私は、いつまででも待つぞ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、風は園に渡せたって!」
北原 そら(きたはら そら)「それは良かった」
北原 そら(きたはら そら)「じゃあ、これでテストに集中できるな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え、え、え!?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「次回、「テスト最終戦っ!!」」
北原 そら(きたはら そら)「乞うご期待」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うわぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「完全に、忘れてた・・・」
北原 そら(きたはら そら)「覚えてても、そこまで勉強しないが」