僕達のドラマ(脚本)
〇暗い廊下
夜、富豪が住むこの館に忍び込んだ兄弟がいました。
この館に眠る宝物を盗み出すためです。
兄弟は薄明かりが照らす廊下を進んでいました。
きっと、すぐそこに宝物があると信じて。
猫さん・兄「ねえ。この奥に本当に宝物はあるのかな?」
猫さん・弟「あると思っているよ!」
「宝箱はなかったよ」
猫さん・兄「誰ですか・・・?」
猫さん・お父さん「私だよ」
猫さん・兄「あ、父さん」
猫さん・弟「お父さん!」
猫さん・お父さん「さあ、もう帰ろう」
猫さん・弟「えー?」
猫さん・兄「宝物ないんですか?」
猫さん・お父さん「そうだよ。なかったんだ。だから、帰ろうか」
猫さん・兄「・・・・・・・・・はーい」
猫さん・弟「あ、待ってー」
兄弟の猫さん達は出口に向かって走っていきました。
猫さん・お父さん「ふぅ。これで宝物は僕のものだ」
猫さん・お父さん「あとで食べるんだ。お腹空いてきたよ」
お父さんの猫さんの後ろには怖い顔をした奥さんの猫さんが座っていました。
奥さんの猫さんはお父さんの猫さんの方をじっと睨んでいました。
猫さん・お父さん「ママには秘密にするぞ。没収されないようにしないとね」
(終)