エピソード38 「デート観察っ!!」(脚本)
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「はぁ、疲れた。今日の数学、難しかった~」
東条 風(とうじょう ふう)「確かに、何一つとしてわからなかった」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あれ? 風、珍しいね。数学の後なのに元気じゃん」
東条 風(とうじょう ふう)「え? そんなこと無いと思うけど・・・」
西條 園(さいじょう その)「風~、今日は部活無いんだよね?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、無いよ~」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、一緒に帰ろ!」
東条 風(とうじょう ふう)「うんっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり) (あ、デートだから元気だったんだ)
南沢 香(みなみさわ かおり) (・・・風は、何一つ数学わからなかったみたいだけど、大丈夫なの?)
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そっか、じゃあ今日は二人で帰る感じ?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、ごめんね。一緒に帰れなくて」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ううん、全然大丈夫!」
西條 園(さいじょう その)「香ちゃん、ありがとう!」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、風、行こっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「うんっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「じゃあ、今日は一人で帰るかなぁ」
北原 そら(きたはら そら)「寂しそうにしている君の顔が愛おしい」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「えー、きも~い」
北原 そら(きたはら そら)「もう貴様を親友と思わない、友達に降格だ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え、親友って思ってくれてたんだ///」
北原 そら(きたはら そら)「それで? 聞いた話によると風と園がデートするということだが」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うん、今日は部活が無いから二人で帰るんだって」
北原 そら(きたはら そら)「ほぅ、なるほど・・・」
北原 そら(きたはら そら)「後ろからついて行ってみるか」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え、ストーカー!?」
北原 そら(きたはら そら)「思えば今まであやつらのデートをストーキングしたことは一度も無かった」
北原 そら(きたはら そら)「流石に、一度もストーキングしないのもどうかと思ってな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「いや、一度もストーカーしないのが普通なんだよ?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「でも、確かに二人のデートは気になるかも」
北原 そら(きたはら そら)「お主ならそう言ってくれると思ったぜ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「じゃあ、バレないようにストーカーしよっか!」
北原 そら(きたはら そら)「今宵、我らは悪に手を染める」
〇ドラッグストア
東条 風(とうじょう ふう)「はぁ、ごめんね。ドラッグストア付き合ってもらって・・・」
西條 園(さいじょう その)「ううん、全然大丈夫」
西條 園(さいじょう その)「でも、風こそ大丈夫? 風邪だったらまずいよね、テストも近いし・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、それは大丈夫。家でストックしていた風邪薬が切れたってだけだから。私は風邪じゃないよ」
東条 風(とうじょう ふう)「でも、いっそのこと風邪でテストを休めればいいのに・・・」
西條 園(さいじょう その)「それは、駄目だよぉ」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、風邪薬見っけ」
東条 風(とうじょう ふう)「よし、これ買って別の所に行こっか」
西條 園(さいじょう その)「え、せっかくだから色々見て行こうよ」
西條 園(さいじょう その)「ほら、コスメとかあるし!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、確かに!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「なんか、2人とも本当に仲良くなってるね」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「半年前に叫んでいたのが、嘘みたい!」
北原 そら(きたはら そら)「なーんか、刺激が足りんのぉ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「いや、刺激欲しさに見るのは・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「でも、確かに二人の叫び声が無いのは、ちょっと物足り無いかもね」
北原 そら(きたはら そら)「だろ? そうだろう?」
西條 園(さいじょう その)「ほら、これお試しのやつ! 唇に塗ってあげるから、目を閉じて!」
東条 風(とうじょう ふう)「い、いや、自分で付ける・・・」
西條 園(さいじょう その)「いいから、いいから」
東条 風(とうじょう ふう)「う、うん・・・」
西條 園(さいじょう その)(風の唇、柔らかい・・・)
西條 園(さいじょう その)(幸せぇぇぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!)
東条 風(とうじょう ふう)(ど、ドキドキするぅぅぅぅうううう!!!!!!!! 時よ、止まれぇぇぇぇええええ!!!!!!!!!!!!)
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、あれは風、叫んでるね」
北原 そら(きたはら そら)「あやつも叫んでるな」
〇レンタルショップの店内
西條 園(さいじょう その)「風って、好きな曲は無いんだっけ?」
東条 風(とうじょう ふう)「あんまり、曲は聞かないかなぁ」
東条 風(とうじょう ふう)「でも、園ともう一回カラオケに行きたいから、本当は色んな曲を聞きたいんだけどね」
西條 園(さいじょう その)「そうだね、私も一緒に行きたい!」
東条 風(とうじょう ふう)「でも実はね、園が歌ってた歌は結構聞いてるんだよね」
東条 風(とうじょう ふう)「ほら、この曲!」
西條 園(さいじょう その)「あ、この曲・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「ね、懐かしいでしょ?」
西條 園(さいじょう その)「私が好きになった男子を落とす用の歌!」
東条 風(とうじょう ふう)「えぇ、そういう歌だったの・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「いや、違うかも。これは、風のためだけに練習した曲だ」
東条 風(とうじょう ふう)「え、嬉しい///」
西條 園(さいじょう その)「男子を落とす用の歌は、もっとあざとい奴だ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、やっぱりそういう歌もあるんだ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うぅ、風と園、なんの曲を聞いてるんだろう・・・」
北原 そら(きたはら そら)「確かに、ここからじゃ聞こえないな」
北原 そら(きたはら そら)「まぁまぁ、この曲を聞いて落ち着いてくれ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え、この曲、何?」
北原 そら(きたはら そら)「私が今、練習しているラップの曲」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「えぇ、そういう曲・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「負けてられないなぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「た、対抗心かっ! 流石だな!!」
〇開けた交差点
西條 園(さいじょう その)「あーあ、もうデート終わっちゃった」
東条 風(とうじょう ふう)「放課後だからね、休みの日に比べたらあっという間だよね」
東条 風(とうじょう ふう)「だから、また一緒にデートしよ!」
西條 園(さいじょう その)「うん、そうだね!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、今日はここで解散っぽいね」
北原 そら(きたはら そら)「では、私たちも解散ということで」
西條 園(さいじょう その)「なんか、不思議だよね」
東条 風(とうじょう ふう)「え?」
西條 園(さいじょう その)「二人で遊んで楽しいのに、ちょっと寂しい感じもしちゃって」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・ちょっとわかるかも」
東条 風(とうじょう ふう)「やっぱり、香とそらがいないからかな」
西條 園(さいじょう その)「多分、そうだよね」
西條 園(さいじょう その)「前は、いつも四人で遊んでいたし」
東条 風(とうじょう ふう)「まぁ、私が二人で遊ぶ勇気が無かっただけだけど・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「でも、香にはいつも世話になってるからなぁ。こうやって遊んでるのも、香りのおかげだし」
西條 園(さいじょう その)「それは、私も。そらに本当にお世話になってるし」
東条 風(とうじょう ふう)「それ、後で物凄い請求が来るんじゃない?」
西條 園(さいじょう その)「えぇ、それは嫌だぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風・・・」
北原 そら(きたはら そら)「見返りなど、当たり前だ。・・・ったく」
東条 風(とうじょう ふう)「やっぱり、まだ四人で一緒にいたいなぁ」
西條 園(さいじょう その)「大丈夫じゃない? きっと、同じクラスになれるって」
西條 園(さいじょう その)「私、そのためなら文系に変えるし!」
東条 風(とうじょう ふう)「え、変えちゃうの!? せっかく理系の力がそれだけあるのに!」
東条 風(とうじょう ふう)「園、大丈夫だよ。もし一緒のクラスになれなくても、毎週一緒に遊ぼ!」
西條 園(さいじょう その)「風、気を遣ってくれてありがと・・・」
西條 園(さいじょう その)「でも、一年生のうちに、二人には感謝の気持ちを伝えないとね! 同じクラスになっても、ならなくても!」
東条 風(とうじょう ふう)「そうだね!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「なんか、いいこと聞いちゃった///」
北原 そら(きたはら そら)「まったく、くだらない事を聞いた」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そらってば、照れ隠ししちゃって!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「今日はこの辺で、帰ろっか」
北原 そら(きたはら そら)「そうだな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「じゃ、また明日ね、そら!」
北原 そら(きたはら そら)「うむ、また明日」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「なんで今日、香とそら、私達の後をつけてたんだろう・・・」
西條 園(さいじょう その)「ねー、びっくりしたぁ」
西條 園(さいじょう その)「また、そらが香ちゃんのことをそそのかしたんだろうなぁ」
東条 風(とうじょう ふう)「ま、まぁまぁ、その誘いに乗る香も香だし」
東条 風(とうじょう ふう)「それに、二人への本心を言えて、良かったんじゃない?」
西條 園(さいじょう その)「そうだね、普段はなかなか言えないし」
西條 園(さいじょう その)「明日、そらと普通に話せるかなぁ。変な反応しちゃいそう・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「それは、私もあるなぁ」
東条 風(とうじょう ふう)「いいんじゃない? ちょっと、いつもより仲良くしちゃっても」
西條 園(さいじょう その)「確かに、そうだね!」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ、園。また明日!」
西條 園(さいじょう その)「うん、またね!」
・・・・・・
長沼 美沙(ながぬま みさ)(良い物、見る事が出来たなぁ・・・)
エピソード38
「デート観察っ!!」
~ 完 ~
〇教室
北原 そら(きたはら そら)「今日のストーキングを振り返り・・・」
北原 そら(きたはら そら)「次に活かすぞっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「常習犯っ!?」
北原 そら(きたはら そら)「ミュージック、スタートっ!!」
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「「叫んじゃうほど愛おしい」 振り返りしまーす!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「今回は・・・、ストーキングの話」
北原 そら(きたはら そら)「我々はストーカーだ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ストーカー、アウトだけど・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風と園から良い話、聞けたー!」
北原 そら(きたはら そら)「日頃の感謝など、くだらない」
北原 そら(きたはら そら)「まったく、くだらない・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そらってば、照れちゃって!」
北原 そら(きたはら そら)「うるさいやい」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、そうだ! 来週はバレンタイン!」
北原 そら(きたはら そら)「恋愛系、最大のイベントではないか」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「バレンタインの二人、楽しみー!」
北原 そら(きたはら そら)「ストーキングは続く」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「次回、「ハッピーバレンタイン!!」」
北原 そら(きたはら そら)「乞うご期待」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・・・・」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そらは、チョコを作る予定あり?」
北原 そら(きたはら そら)「残念ながら、私は貰う専門でな」