フィクショニア

蓮巳REN

エピソード3 ヘンなやつ(脚本)

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〇教室
俺「おまえってヘンなやつだよなあ」
僕「改まって言いたくなるほどおかしいと思う言動が最近僕にあったのか」
僕「意外とヘタレな君が友情を確認できたのを機に前々から用意してたネガティブな感想を」
僕「満を持して発言したのかどっち?」
俺「どっちでもないわ。 そういうとこだよ」
  なんで二択、
  てかだれがヘタレだ。
  そして日々おかしな言動をしてる自覚はあるのか。
俺「ふと、俺なんでおまえとツルんでんだろうなと思って」
俺「まあまあ腹立つ時あるし、わけわからんと思う時のほうが多いし」
僕「ひょっとして今ダメ出しされてる?」
  いつものお返しに、答えず先を続けることにする。
  たまには俺のターンを味わえ。
俺「でもまあ、なんだかんだ楽しいというか面白いというか」
俺「だからこうやって飽きもせずダラダラだべったりしてんだろうなーと」
俺「で、そういやおまえはどうなんだろなと思って」
  俺といて楽しいんだろうか、と。
  訊く前に言わんとしていたことが妙に照れくさく思えてきて、あー、と間延びした声が出た。
  少し視線を逸らす。
俺「だいたい無表情だし」
俺「無理して居るようにも見えないけど特に楽しそうにも見えないのに、なんというか」
俺「ヘンなやつだなあと」
  友人が首を傾げる。
僕「それ言っててむず痒くない?」
俺「おまえほんっと、空気読むって言葉そろそろ覚えような?」
僕「じゃあ次から君が甘酸っぱいちょっと乙女みたいな心配してそうかなと思ったら」
僕「ニヤニヤするの我慢しながら少年漫画みたいな熱いテンションで返せるように努力する」
俺「すみません俺が悪かったです」
僕「・・・・・・・・・・・・」
僕「楽しいよ。すごく」
俺「え?」
  聞き間違いかと思った。
  こいつの口から出るにはあまりにストレートな言葉だったせいだ。
僕「僕は表現するのが上手くないみたいだからあんまりそうは見えないのかもしれないけど」
僕「君と話すのはすごく楽しい」
僕「そうじゃなきゃこんな頻繁に会わないし、遊びたいとも思わない」
俺「お、おう」
  いつものややこしい理論のような言葉でなく、理解しやすい台詞が続く。
  逆に不安を覚えそうになって返事に詰まったのは仕方ないと思う。
僕「君は、僕が僕のままでも普通に接してくれるけど」
僕「僕にとってそれは、すごく」
  珍しく流暢でなく、言葉を探すように友人が話す。
僕「すごく特別で」
僕「嬉しいこと、だから」
俺「・・・おまえそんな素直に喋れんのな」
僕「君に空気をどうこう言われたくないような気がしてきた」

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