読切(脚本)
〇個別オフィス
安西報道局長「昼のワイドショーも最近視聴率が落ち目だし、なんかねぇか」
淀橋「安西局長ビッグニュース」
安西報道局長「どうした、核戦争でも始まったか?」
淀橋「いえ、指名手配の桐灰聡が患者として病院に居るらしいですよ」
安西報道局長「あの企業連続爆破事件のか?」
淀橋「ハイ何でも末期癌で余命がないそうです。だからウチのワイドショーでやればスクープですよ」
安西報道局長「あのなぁ、淀橋よ、爆破事件は何年前だ?」
淀橋「えーっと確か50年前・・・」
安西報道局長「お前さんが産まれる前だよなぁ・・・そんな古い事件の犯人をスクープしても視聴率は上がらねぇんだ」
淀橋「・・・・・・ハァ」
安西報道局長「・・・そうだいい事思いついた」
淀橋「何ですか?局長」
安西報道局長「もう一度爆破事件を起こしてもらうんだよ桐原に」
淀橋「ええええっ!」
〇病室
安西報道局長「お加減は如何ですか安井さん・・・いや桐灰さんでしたかな」
桐灰聡「何故、私の本名を?」
安西報道局長「まぁ色々とねマスコミですからね」
桐灰聡「そうですか。いつかはバレると思いましたが・・・で私になにか?」
安西報道局長「しかし、まぁ惨めなもんですな革命戦士ともあろうお方が誰一人見舞いに来ない」
桐灰聡「昔の同士と連絡をしなかったから50年も逃亡できたんですよ」
安西報道局長「で、如何されます? 警察に自首しますか」
桐灰聡「そうですね。連絡をお願い出来ますか?」
安西報道局長「よろしいんですか?」
桐灰聡「最後は自分の名前で死にたいですから」
安西報道局長「それなら、いっそ自首されたほうが罪は軽いですよ」
桐灰聡「そこまでは落ちぶれてませんので」
安西報道局長「聞くところによると親族は桐灰さんの引き取りを拒否してるとか親族に最後を見てもらえない、同志は知らんぷり惨めですな」
桐灰聡「覚悟の上です」
安西報道局長「まぁ、テロリストなんてそんなもん・・・引き入れる時は情に訴えるけどヤバくなると使い捨て」
桐灰聡「何が言いたいのかね?」
安西報道局長「そんな奴らを見返してやりませんか」
桐灰聡「一体どうやって・・・」
安西報道局長「もう一度爆破事件を起こして後世に名を残し昔の同士達を見返してやるんです・・・もちろんウチがドキュメンタリーとして撮ります」
桐灰聡「もう結構ですよ、暴力は」
安西報道局長「この惨めな境遇を世間が知って嘲笑されるよりここは一つ桐灰ありと事件を起こせば歴史に名を刻めますよ」
桐灰聡「しかし、私には爆弾がありませんし・・・」
安西報道局長「大丈夫です、全てお任せを」
桐灰聡「う~ん」
淀橋「そうしましょう桐灰さんそうだ、病院代もウチで負担しますよ」
安西報道局長「何なら、葬儀代、お墓代も持ちます。どうせ親族は当てにならないでしょう?」
桐灰聡「分かりました」
〇テレビスタジオ
安西報道局長「スクープです。皆さん・・・今入った情報では連続企業爆破犯の桐灰が再び爆弾を持って現れてます。では現地の淀橋さん」
轟幸江「あた、死んだんじゃなかったの?よく生きてたわね」
岩崎竜二「性懲りもなくバカな事を」
〇ビジネス街
淀橋「ハイこちらIT企業前です。先ほどより桐灰聡を名乗る人物が玄関前で爆発物らしきものを掲げています」
〇ビジネス街
桐灰聡「これが見えねぇか」
スイッチを入れる桐灰聡
桐灰聡(な、何故だ何故爆発しない?)
警官1「警察だ大人しく署に来てもらおうか」
桐灰聡「ま、待ってくれ、俺ははめられた」
警官2「言い訳は署で聞こう」
〇テレビスタジオ
岩崎竜二「イヤー危なかった」
轟幸江「本当に人騒がせよね、おじいちゃん」
安西報道局長「実は我々が桐灰と接触した時に爆弾を取り換えておいたんですよ」
岩崎竜二「素晴らしいナイス判断」
安西報道局長「実は桐灰聡氏をお呼びしてるんです」
岩崎竜二「ええっ!」
轟幸江「私帰る」
〇テレビスタジオ
安西報道局長「今の御心境は如何ですか?」
安西報道局長「ど、どういうつもり?」
桐灰聡「実はな、TV局がターゲットだったのさ、最初からな」
安西報道局長「じょ、冗談はよしてください、それは偽爆弾でしょ」
スイッチを押す桐灰聡
どんでん返し面白かったです!!
マスコミ側が偽爆弾を掴ませて、成程裏があったかマスコミはずるいなと思わせてからの、もう1回のどんでん返しが気持ちよかったです😊
こういう返し方面白いですね。
タイムリーな話題で、目を引きます😃
あのテロリストにもう一度爆弾を投げさせるという発想に驚きました😱
テレビ局ならもしかしたらやるかも、、と思わせるものがありますね