プロローグ(脚本)
〇雲の上
21XX年
天蓋に亀裂が走る
〇雲の上
はじめ、それは雷と思われた
直に、各国の広報官が隕石だと言い始めた
しかし、それはそのどれでもなかった
通行人A「おい!あれはなんだ!?」
通行人B「なぁに、あれ? こわいよぉ・・・・・・」
人々は天を見上げ、一様に恐怖する。
〇行政施設の廊下
市役所職員「公式発表の原稿はまだまとまらないのか!」
怒号の響く、市役所の廊下
市役所職員(女性) 渡辺カルラ「大学教授、JAXAに問い合わせても見解が分かれています」
市役所職員(女性) 渡辺カルラ「各省庁にも問い合わせましたが、回線が混み合ってて繋がりません・・・!!」
市役所職員「なんだと!?」
市役所職員「話にならん!会見に出席するのは私だ。市民の罵声に晒されるのは私なんだぞ?」
市役所職員「2時間後までに何としてでも見解をまとめろ!!」
市役所職員(はぁ、昇進試験まであと3日だったってのによ)
市役所職員(女性) 渡辺カルラ「NASAは時空の切れ目だと言ってるし、未確認生命体が攻めてくるなんて噂も・・・どうしたらいいの、私・・・!?」
〇行政施設の廊下
数日間の間、日本はおろか世界中が、混乱の最中に放り込まれた。
学校は休校になりスーパーのなかには商品の無料開放を始めたところもあった。
NASAとJAXAが連名で、声明を発表したのは、5日後の午後2時。国民全員が、その報道に注目した。いわく、それは——
異世界への扉であるという。